カナダのシンガー、ダイアナ・パントンからのタイムリーな冬の贈りもの『Winter Kiss 〜わたしのホリデイ』には、あたたかな吐息のような彼女の歌の魅力がつまっている。しっとりとうるおいのある歌声で、歌の表情をなぞるように繊細な抑揚をつけて軽やかに歌う彼女は、まるでシンガーとして貴重な才能を授かった白い天使のようだ。

聖夜を特別にしてくれるトレイシー・ソーンからの贈り物。ジョニ・ミッチェルからスフィアン・スティーヴンスまでその歌声でやさしく染まる。

天上から舞い降りるベルの音に誘われチャーミングな天使の歌声が聴こえてくると、あたりには親密で幸福にみちた時間がゆったりと流れはじめる。

ジャズ・ヴォーカリスト、エリン・ボーディーの無垢な歌声とキャンドルの灯火をおだやかに揺らすアコースティックな音色は冬の静かな夜が似合う。

大切な人と聴きたいクリスマス・ミュージック。リリカルなピアノ・トリオと艶やかな美声は淡い音の色彩に包まれながら冬のスケッチを描く。

柔らかなボサ・リズムと吐息まじりの歌声が愛らしい「It's Christmas」にブロッサム・ディアリー「I'm Shadowing You」を思い重ねる。

キュートに歌うベーシスト、ケイト・デイヴィスによるポップでジャジーなクリスマス・アルバムにはプリテンダーズ「2000 Miles」の素晴らしすぎるカヴァーを収録。

孤高のサイレント・ナイト。聖なる夜でもチェットのペットの音色には哀愁が漂う。晩年に吹き込まれた忘れてはいけない安らかで美しい記録。

ニルス・ラングレンがACTに吹き込んだクリスマス・アルバムにはロン・セクスミス「Maybe This Christmas」と「星に願いを」の絶品カヴァーが収録。

ドイツ名門MPSに残されたシンガーズ・アンリミテッドの72年のクリスマス・アルバムに宿る神聖な声の輝きは夜空に舞い散る星屑のよう。

イタリアのピアニスト、チェザーレ・ピッコの透明感のあるピアノ・タッチは真っ白な風景に溶けこみながらリリカルな結晶となり降りそそぐ。