新世代メタル勢でも随一の出世頭、BFMVの4作目。前作『FEVER』同様ドン・ギルモア（LINKIN PARKほか）を起用しており、スケール感と大物感にさらなる磨きをかけた作風だ。全体的に曲が短いだけでなく、スピード感も抑え目。簡潔な曲にドッシリとしたヘヴィネスを搭載しており「最高のメタル・アルバムだ」とメンバー本人も断言。あのMETALLICAを彷彿とさせる進化を辿っており、もう将来は約束された様なもの。2013年最重要作品の1枚だ。

先日一夜限りの来日公演も実現させたFFAFの6作目。ドラムとともにスクリームを担当していたライアン・リチャーズが脱退、元RISE TO REAMAINのパット・ランディが加入した作品だ。過去最高のメタル度で攻め立てる攻撃的なサウンドながら、マット・デイヴィス（vo）のヴォーカルメロディは対照的に美麗かつキャッチー。曲も短く、ストレートに焦点が絞られている。スクリーモ／ポスト・ハードコア界ではすでに重鎮の彼らだが、まだまだ落ち着いてはいられないようだ。

爆発頭なプログレ・エモ集団の新作。昨年発売した『ASCENTION』の続編だ。前作よりも静かで内省的な曲が増えており、切なさMAX。これまでの作品で表現したコンセプトとも関連しており、その衰えぬ創作意欲がうかがえる。これまで日本に来る際はどうしてもサポートメンバーを起用しなければならなかったが、メンバーチェンジによってそれも解消。ぜひ来てほしいです。

覆面ヒップホップ／ロックバンド（ライヴでは覆面取っちゃう）の3作目。要だったDEUCE（現在ソロで活動）とのケンカ別れによってもうダメか…と騒がれていたが、どうやらそれも杞憂に終わったようだ。以前よりもシンプルなサウンドになり、メロディも格段に増えた。どちらかというとメロウな作風ではある。ただヘヴィなギターやバッキング、それにラップの掛け合いから漂う「アンダーグラウンド出身ゆえのワルさ」は少しも減退していない。写真からしておっかない(笑)。往年のミクスチャー／ラップコアとも少し違う、現代ならではのハイブリッド・サウンドがよりわかりやすく、入りやすくなった好盤だ。作品ではわかったので、次はライヴでその健在ぶりをアピールしてほしいもの。

メタル／ハードコア界の親玉にして、我らが兄貴、HATEBREEDの6作目。まさかのレーベル移籍を経た心機一転作でもある。セルフタイトルの前作はメタル度が高く、ギターソロやピアノを導入していたが、今回はシンプル&モッシーなブルータル・ハードコアに回帰している。ところどころパンクっ気が戻ってきているのもいい。とはいえギターソロやヴォーカルの歌い回しなど、前作を踏襲した部分もありなので、心機一転にして総括的な内容にもなっている。彼らの後輩はたくさんいるけど、誰も追いつけていない。やはり格が違います。

あのMETALLICAに見染められ、ワールドツアーのサポートも行ったテキサス産バンドの4作目。相変わらずのビンテージ感あふれる埃っぽい（褒めてます）ロックンロール／ヘヴィメタルな作品だ。ただジャズっぽくスウィングするリズムや、いつになくスピードと肉体的なヘヴィネスが強化されていて、速効性も充分。まずパンチがあって、その後も噛めば噛むほど味わい深くなっていく。こういうバンドにもっと頑張ってほしいもの。

ボストンの酔いどれパンク・バンドの8作目。バンジョー、アコーディオン、バグパイプなども用いた楽しく、陽気で、でも少し切ないアイリッシュ・パンクサウンドは相変わらずだ。もちろん激しくアッパーな曲も多いが、逆にアコースティックでしんみりと染みいる曲も多い。このバランスが毎回絶妙なのだ。キャリアもあるし、はっちゃけるというよりも「酒飲んで楽しくやろうや」などっしりした楽しみ方を知っている大人な印象。酒好きも、下戸の方もぜひ。

いつのまにかリバウンドしたチノ・モレノ（vo）と脱力するタイトルで「おいおい…」と思った人も多いだろうが、 このDEFTONESの7作目、また素晴らしい出来だ。ズッシリとした重量感はそのままに、よりアンビエンスを活かした サウンドだ。チノのヴォーカルも抑揚が大きくなり、過去最高に豊かなメロディを感じさせてくれる。 ヘヴィネスと幻想的な空間美を見事にマッチさせた、これまでの集大成的に響く意欲作だ。

途中解散していた時期があるも、27年に渡って初志貫徹のヘヴィメタルを鳴らし続けるANTHEMの新作。 もともとの卓越したテクニック、キャリアに裏打ちされたソングライティングのスキルをいかんなく発揮しつつも、 「後戻りなどできない！」と覚悟を決めた気迫とフレッシュな勢いに満ちている。“Evil One”“On And On”といった 激しくもメロディを大切にした曲を入り口にすれば、ジャパニーズ・ヘヴィメタルの底力に震えるはず。