いま最もその才能に注目が集まる現代ジャズシンガー セシル・マクロリン・サルヴァントNYヴィレッジ・ヴァンガード・ライヴ盤


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現代ジャズシンガー セシル・マクロリン・サルヴァント 貫禄さえも感じさせるジャズの殿堂NYヴィレッジ・ヴァンガードでのパフォーマンスが2CDで登場


2010年、ジャズ・アーティストの登竜門となる「セロニアス・モンク・インターナショナル・ジャズ・コンペティション」のウィナーとなり、2016年にはグラミー賞「最優秀ジャズ・ヴォーカル・アルバム」に輝くなど、いま最も注目を集める女性ジャズヴォーカリスト、セシル・マクロリン・サルヴァント。1年ぶりの新作が登場です。

1989年マイアミ生まれ、シンガーになるきっかけは母親の影響で、当初は本人の強い意志というものではないらしく、モンク・コンペティションへもフランスの音楽学校の先生のすすめでエントリー。正確には、応募の締め切りにも間に合わないタイミングだったとのことで、裏を返せばいかに周囲の期待が高かったというのも伺われます。

しかし、その歌を聴けば誰もが納得。去る6月には丸の内コットンクラブで2度目の来日公演もあり、すっかり日本でもおなじみになったマクロリンは粉うことない本格派シンガー。

最初に好きになったミュージシャンはサラ・ヴォーン。さらに最近はまっているジャズシンガーにカーメン・マクレエを挙げるところも王道ですが、正確なピッチとダイナミズムあふれる感情豊かな表現は、世代やジャンルを越えて現代のヴォーカルシーン全般において屈指の存在といえるでしょう。




そんな彼女がNYのジャズの殿堂ヴィレッジ・ヴァンガードで行なったライヴを2枚組に収録した本作品。

ストリングスをフィーチャーしたトラックもあり、グラミー賞を受賞した前作『フォー・ワン・トゥ・ラヴ』の延長線上といえるミュージカル的な演出も挟みつつ、オリジナルのトリオをバックにした歌唱も魅力的に響きます。

件の来日公演でも余裕もたっぷりに演奏を聴かせたピアニスト、アーロン・ディールは、ジュリアード卒のこれまたジャズ界の秀才。ハードバップの伝統をおさえた若くして気品さえ漂わせるピアノは、古き良きジャズが薫り、セシルのヴォーカルと心地いいスウィング感を生みだします。

どの曲も安定感たっぷりな中で、たとえば「Never Will I Marry」は、力強い4ビートがグルーヴを生む1曲。楽曲がシンプルなだけにピアノトリオと自在なセシルのヴォーカルの息の合った対話が素晴らしく鮮やかなコントラストを描き、ヴァンガードに興奮をもたらしています。

また「Runnin' Wild」は、コード楽器なしのベースとドラムだけをバックにしての歌唱。その上で声色なども変化させ、絶妙なリズム感で豊かな物語を紡ぎ出すところも実力の証といえます。

NYという厳しいジャズの現場、しかもその最も伝統と格式の高いヴァンガードの場を熱狂させられる存在。

ちなみにセシルは、本作のほかにサリヴァン・フォートナーとのデュオ作品もすでに録音済みなのだとか。そちらではスタンダード曲、アレサ・フランクリンやスティーヴィー・ワンダーのカヴァーなども歌っているとのうわさ。今後も彼女の動向から目が離せそうにありません。


収録曲


CD1
01. And Yet
02. Devil May Care
03. Mad About The Boy
04. Sam Jones' Blues
05. More
06. Never Will I Marry
07. Somehow I Never Could Believe
08. If A Girl Isn't Pretty
09. Red Instead
10. Runnin' Wild
11. The Best Thing For You

CD2
01. You're My Thrill
02. I Didn't Know What Time It Was
03. Tell Me What They're Saying Can't Be True
04. Nothing Like You
05. You've Got To Give Me Some
06. The Worm
07. My Man's Gone Now
08. Let's Face The Music And Dance
09. Si j'etais blanche
10. Fascination
11. Wild Women Don't Have The Blues
12. You're Getting To Be A Habit With Me


Cecile McLorin Salvant (vo)
Aaron Diehl (p except CD2/M5)
Paul Sikivie (b except CD2/M5)
Lawrence Leathers (ds except CD2/M5)
Sullivan Fortner (p on CD2/M5)
Catalyst Quartet (CD1/M1,5 CD2/M1,6)
Karla Donehew Perez (vln)
Suliman Tekalli (vln)
Paul Laraia (viola)
Karlos Rodriguez (cello)

「Sam Jones' Blues」Teaser





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