絶好調エンリコ・ピエラヌンツィ トリオによるジャズ×クラシック作品&デュオによるエリントン集!


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エンリコ・ピエラヌンツィがフランスのBonsai Musicに録音した注目のトリオ新作&ロザリオ・ジュリアーニとのデュオ録が同時リリース


CAM JAZZとの独占契約の解除を選択して以来、創作意欲のわき上がるまま、様々なレーベルで作品をリリースしているピエラヌンツィですが、活動の勢いはとどまることがありません。本作は、数あるプロジェクトの中で、クラシックとジャズの融合を図った一作。

もともと、クラシックの演奏でも一流のものを見せるピエラヌンツィ。その演奏は、CAM JAZZ でリリースされた『Plays Domenico Scarlatti - Sonata and Improvisations』, 『Plays Johann Sebastian Bach, Georg Friedrich Hendel, Domeni co Scarl atti -1685』での演奏が証明しているといえましょう。この2作品では、クラシックの楽曲も忠実に表現しつつ、即興を展開していく面白みも見せてくれました。また、クラシックの楽曲を原曲と不可分ない連なりで、ジャズのスケールで拡大演奏していく演奏展開は、極めて秀逸で、高い評価を得たことも記憶に新しいところです。世にクラシックとジャズの融合を図る演奏は数少なくありませんが、ピエラヌンツィの作品はそれらと一線を画すものがあったといえます。

そんなピエラヌンツィが、今回は自らのジャズ的な世界を主に置き、クラシックの素材をとりいれた作品に挑戦。ドビュッシー、サティ、バッハ、シューマン、クープラン、リストといった作曲家の楽曲を選曲。耳馴染みの名曲のメロディは、一聴して流麗なピアノ曲の世界に誘います。しかし今回は、トリオ・フォーマットでリズム・セクションも加わり、ジャズ的色彩も濃く、即興演奏も完全ジャズ。スウィンギーな4ビート、ピエラヌンツィらしいスロウな8ビートに切り替われば、ジャズ・ピアノ・トリオとしてのエンリコ・ピエラヌンツィの世界全開。

ドラムには長年の朋友アンドレ・チェカレッリ、ベースにはフランスのジャズ界を若き日より支えたディエゴ・アンベール。そのリズム・セクションの繰り出すリズムは、ある時はピエラヌンツィの世界に繊細かつニュアンス豊かに寄り添い、ある時は、テレパシーのような交感を見せ、パッションあふれる素晴らしいインプロヴィゼーションを見せていきます。その演奏には、Soul Note 時代から聴く人を魅了してきたイタリア人ピアニストとしてのメロディの美しさと抒情があり、また時折、フェリーニの映画にでも迷い混んだような楽しさもあふれます。

特に、南イタリアに誘うような甘美さと憂愁が入り混じるメロディ/ハーモニーが名曲 「Seaward」を想起させつつ、バロック的なものとも融合していくM3、ピエラヌンツィにリハーモナイズされたサティの有名曲「ジグノペディ」(M2)など聴きもの。クラシック楽曲の演奏力、ジャズ奏者としてのアレンジ、即興、それらが美しく融合した演奏の数々。ピエラヌンツィ・ファンの方の心をとらえること必至の演奏集です。

『Ménage à Trois』収録曲


01. Mr.Gollywogg (d'après Gollywogg's Cake-Walk de C.Debussy)
02. 1 ère Gymnopédie (Erik Satie)
03. Sicilyan Dream (d'après Siciliano, BWV.1031 de J.S Bach)
04. Medley: La plus que lente / La moins que lente / La plus que lente 02:07 (Claude Debussy) / La moins que lente
05. Hommage à Edith Piaf (XVème Improvisation, Hommage à Edith Piaf) (Francis Poulenc)
06. Le crépuscule (Darius Millhaud)
07. Mein Lieber Schumann I (d'après Davidsbündlertänze Op.6 《No.2》de R.Schumann)
08. Medley: Romance / Hommage à Milhaud / Romance (Darius Millhaud) / Hommage à Millhaud
09. Mein Lieber Schumann II (d'après Carnaval de Vienne Op.26, Allegro, de R.Schumann)
10. Hommage à Fauré (d'après Improvisation, 5ème des 《Pièces Brèves》 Op.84 de G.Fauré)
11. Liebestraum pour tous (d'après Liebestraum No. 2 de F.Liszt)

Enrico Pieranunzi (p)
Diego Imbert (b)
André Ceccarelli (ds)



また、ピエラヌンツィとアルト・サックス奏者ロザリオ・ジュリアーニとのデュオによるデューク・エリントン集『Duke's Dream』も同時リリース。

ロザリオ・ジュリアーニは、90年代後半に頭角を現し、地元イタリアのPhilologyなどでリーダー作をリリースしたのち、今 や伝説的となったジャズ・レーベルDryfusと契約を結んで広く知られるところとなりましたが、日本のジャズ・ファンの間 で目を引きつけたのは、なんと言ってもこのエンリコ・ピエラヌンツィのフロントに迎えられた作品でのことでしょう。ピ エラヌンツィは当時Soul Noteとともに、YVPレーベルで作品の数々をリリース。主にソロとトリオが中心でしたが、そこに突然迎えられた管楽器奏者が、このロザリオ・ジュリアーニだったのです。

その2002年の録音から10年有あまり。その間にはロザリオが属したDreyfus が消滅するという事態もありましたが、本作には、ピエラヌンツィ、ロザリオ共に、年輪を感じさせる充実ぶりが記録されています。タイトルが示す通り、デューク・エリントンへのオマージュ作品。作品の中心になるのは、エリントン及び、ビリー・ストレイホーンとの共作が10曲中7曲で、企画的な色彩も感じられますが、企画ものとは一線を画す本格的な作品。共にイタリア/ヨーロッパを中心とした活動ながら、アメリカ・ジャズの伝統にしっかり根ざした2人。どの曲をきいても、エリントン・ミュージックが持つ、紳士的な音楽の粋があふれる演奏が魅力的です。

特に、M4「I Got It Bad」や、M6「Reflections in D」でのスローテンポの演奏は絶品。シンプルな中に匂い立つような薫りをたたえた曲を、優雅かつニュアンスあふれるタッチで描くピエラヌンツィのピアノには、オリジナル楽曲を奏でるときとは一味違った古き良きアメリカのダンディズムがありますし、そんな音空間につつまれ、優しく応えるロザリオのサック スも思慮に富んだ美しさがあります。

一方、エリントンの楽曲のエッセンスを汲みとり、自らのメロディでその世界を描き上げたピエラヌンツィのオリジナル楽曲も聴きもの。特に、その名も「Duke's Atmosphere」と題し、まさにエリントンの雰囲気をとりこんだM8は、楽曲もソロ展開も秀逸。演奏は、楽しさや軽快さとともに、エリントン音楽の大きな魅力である、“ほのかににじむ切なさ”のよ うなものまで感じさせます。また二人の共作M9は名曲「A列車で行こう」 のような雰囲気。バラード演奏と、鮮やかなコントラストを描きます。ゴスペル的名曲「 カム・サンデイ」まで魅力たっぷり。さらっと聴いて心地よく、聴くごとに味わいが出る作品。数多いエンリコ・ピエラヌンツィ作品の中でも、名作というべき素晴らしい一枚です。

『Duke's Dream』収録曲


01. Isfahan
02. Satin Doll
03. Take the Coltrane
04. I Got It Bad
05. Duke's Dream
06. Reflections in D
07. Sonnet for Caesar
08. Duke's Atmosphere
09. Trains
10. Come Sunday

Enrico Pieranunzi (p, el-p on M3.10)
Rosario Giuliani (as, ss on M8)



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