公私に渡ってとことん付き合えるバンドを作りたい…そんな思いから日本の音楽シーンで頭角を現して来た個性あふれる3人と結成したバンド、レゾナンス・ヴォックスの第1弾。ヴァイオリンの金子飛鳥やインドの天才タブラ奏者ザキール・フセインもゲスト参加し、さまざまなジャンルの音楽が目くるめく万華鏡サウンドが早くも全開。(オリジナル発売：1991年)

さらに進化を遂げた音楽の玉手箱レゾナンス・ヴォックスのセカンド。エレクトリック・ギター、アコースティック・ギター、ギター・シンセサイザー、フレットレス・ギター、はたまた古箏まで、香津美の両手からは多彩な音色が次々と繰り出される。4人の紡ぎだすサウンドは一体どこまで深化していくのか…無限の可能性を感じさせる作品。(オリジナル発売：1992年)

香津美単独のオリジナルは4曲にとどまり、それ以外は他のメンバーのペンによる曲か、あるいは共作と、リーダー以外の3人の台頭が顕著になったサード・アルバム。バンド名がそのままアルバム・タイトルになったのはその表れか。いずれにせよ、サウンドのまとまりはピカイチ。細部にまで行き届いた4人の魅惑のアンサンブルを満喫できる。(オリジナル発売：1993年)

レゾナンス・ヴォックス初のライヴ盤にしてラスト作。約3年にもわたって寝食を共にしてきただけあってバンドの一体感は頂点に達している。レゾナンス・ヴォックス期の楽曲に交じって、『ロンサム・キャット』(1977年)からの旧曲「ブラック・ストーン」、それにカーペンターズとザ・ビートルズのカヴァーもメドレーで飛び出す。(オリジナル発売：1994年)

全編アコースティック・ギターによる初の作品。タイトルはエレクトリック・ギターをメイン・ディッシュにたとえて、デザートの意味合いで付けられた。自作の「TO CHI KA」などの他、「クレオパトラの夢」から「上を向いて歩こう」まで楽曲は多彩。山下洋輔やコリエルらとのデュオも収録。香津美の新たな側面を打ち出した人気作。(オリジナル発売：1994年)

高評価を受けた全編アコースティック・ギターによる前作『おやつ』の続編。今回は総勢11ものゲストを招いているのが特徴で、三味線、琵琶、二胡、三線、チャンゴといった楽器奏者とジャンルを超えたデュオが魅力的。「ロンドンデリの歌」や「こきりこ節」など選曲の妙も相変わらずで、特に「モスラの歌」は大きな注目を集めた。(オリジナル発売：1995年)

ラヴ・コールを送り続けていたパーカッション＆ドラムの名手ミノ・シネルと遂に実現したニューヨーク録音の共演作。両者を低音で支えるのはアラン・ホールズワースや坂本龍一との共演でも知られるバカテク・ベースのスクーリー・スヴェリッソン。オリジナル曲に加え、バッハ「ティアーズ」やスティーヴィー・ワンダー「レイトリー」も魅力。(オリジナル発売：1996年)

渡辺香津美と小曽根真…日本が世界に誇るギタリストとピアニストががっぷり四つに組んだデュオ・アルバム。オープニングのチック・コリアの名曲「スペイン」から白熱したインタープレイに引き込まれること間違いなし。その後も両者のオリジナル曲を交えた展開は聴き応え十分。スローでは珠玉の味わいに酔いしれるばかりだ。(オリジナル発売：1998年)

1993年3月、香津美のためにニューヨークのボトムラインに集まった豪華ラインナップによるコンサートを収録。ジョン・パティトゥッチのみ初共演だが、『トチカ』のマイニエリ、『ドガタナ』『おやつ』のコリエル、『KYLYN』の矢野顕子、『エスプリ』のミノ・シネル…総決算のような夢の響宴が繰り広げられていて、自他共に認める重要作。(オリジナル発売：1999年)

2001年1月のギター生活30周年記念コンサートが切っ掛けとなり、それをさらに押し進めて同年春に録音された大作。バンドにストリングス・カルテットが加わった編成で、香津美の緻密かつ洗練されたアレンジも聴きどころ。太陽系の7つの惑星をタイトルにした組曲では、壮大な音絵巻が繰り広げられていて圧巻。(オリジナル発売：2001年)