KING SUPER JAZZ 50 COLLECTION
キングレコードが誇る老舗ジャズレーベル“パドルホイール”から、洋邦問わず名作厳選50タイトルを新価格で一挙リリース。ジャズ史を語る上で欠かせない重要アーティストたちによる名演・名録音が、最新リマスタリングにより鮮やかに蘇る!■ 1枚組:¥1,300+税
■ 2枚組:¥2,300+税
ジャズには、ブルーノート、プレスティッジ、リヴァーサイド、ヴァーヴなどといった“名門"と呼ばれるレーベルがある。そして我が日本で誕生したジャズの名門レーベルが、“パドル・ホイール"だ。
1970年代後半、キングレコードがふたつのジャズ系レーベルを立ち上げた。エレクトリック・サウンドを中心とした“エレクトリック・バード"、そしてアコースティック・サウンドを中心とした“パドル・ホイール"だ。そしてそのふたつのレーベルで精力的に作品を発表し、特にパドル・ホイールは1984年に『マンハッタン・ジャズ・クインテット』が空前の大ヒットを記録して、押しも押されもせぬトップ・ジャズ・レーベルへと発展していった。
パドル・ホイール・レーベルは、日本企画によるオリジナル作品にこだわり続け、アート・ブレイキー、マッコイ・タイナー、リー・コニッツ、レイ・ブラウン、ケニー・バレル、チェット・ベイカー、マル・ウォルドロン、ジム・ホール、パット・マルティーノなどといったジャズの巨人たちのオリジナル作品を次々と制作していった。当時彼らは、アメリカのレーベルでは必ずしも優遇されていたとはいえず、そういう意味ではジャズの重要作品が、パドル・ホイールから次々と生まれていったといえる。さらにクリス・ハンター、ケニー・ギャレット、デルフィーヨ・マルサリスなどといった、当時新進気鋭だった若手ミュージシャンたちにもレコーディングのチャンスを与えた先見性も素晴らしい。また当時、知る人ぞ知る存在だった、ニューヨークのギタリストたちがプライベートで集まる小さなバー“55バー"でのギタリストたちのライヴ・アルバムを制作するなど、まさにジャズを愛し、ジャズという音楽を理解し、さらにチャレンジ精神にも溢れていたレーベルだといえるだろう。
そして日本人のプロデューサーによって、日本のジャズ・ファンに愛される作品作りをしていたというところも、このレーベルのユニークなところだ。実は、海外ではあまり注目されることはないが、日本のファンからはとても愛されている作品というのがある。マル・ウォルドロンの『レフト・アローン』、ソニー・クラークの『クール・ストラッティン』、カーティス・フラーの『ブルースエット』などはその代表的な作品だが、おそらく日本のファンは、よりメロディアスで、繊細かつ明解な作品を好む傾向があるのだろう。そしてパドル・ホイールは。そんな日本人の感性に響く作品を、日本人のプロデューサーによって制作していったのである。マル・ウォルドロンとジャッキー・マクリーンの『レフト・アローン』再会セッション、エリック・ドルフィー&ブッカー・リトルの伝説の“5スポット"のライヴを、オリジナル・リズム・セクションとテレンス・ブランチャード&ドナルド・ハリソンで再現した『エリック・ドルフィー&ブッカー・リトル・リメンバード』、ジム・ホールが日本の印象を音楽にした『無言歌』などは、日本のレーベルならではの企画だといえるだろう。だからこそ、それらの作品は、今も多くのファンから愛され続けている。
またパドル・ホイールは、海外のミュージシャンだけではなく、国内のミュージシャンたちの作品も数多く制作していたところにも注目だ。特に、当時“日本ジャズ維新"と呼ばれた、若手ミュージシャンたちによるアコースティック・ジャズ再興のムーヴメントにいち早く対応して、大坂昌彦、原朋直、クリヤ・マコトなどといった、新世代の日本人ジャズ・ミュージシャンたちの作品を積極的に制作し、それが今日の日本のジャズ・シーンの土台になっていった。そして、そんな国境を横断してきたレーベルならではといえる、菊地雅章の『テサード・ムーン』『フィール・ユー』、クリヤ・マコトの『ザ・ボルチモア・シンジケート』『X-BARトリオ』など、日本人ミュージシャンと海外ミュージシャンとが台頭の立場で制作した名作も生まれていった。
まさにジャズの伝統と、日本人の感性が絶妙に融合した作品を、次々と生み出していったパドル・ホイール。日本が世界に誇る、本物のジャズ・レーベルである。
1970年代後半、キングレコードがふたつのジャズ系レーベルを立ち上げた。エレクトリック・サウンドを中心とした“エレクトリック・バード"、そしてアコースティック・サウンドを中心とした“パドル・ホイール"だ。そしてそのふたつのレーベルで精力的に作品を発表し、特にパドル・ホイールは1984年に『マンハッタン・ジャズ・クインテット』が空前の大ヒットを記録して、押しも押されもせぬトップ・ジャズ・レーベルへと発展していった。
パドル・ホイール・レーベルは、日本企画によるオリジナル作品にこだわり続け、アート・ブレイキー、マッコイ・タイナー、リー・コニッツ、レイ・ブラウン、ケニー・バレル、チェット・ベイカー、マル・ウォルドロン、ジム・ホール、パット・マルティーノなどといったジャズの巨人たちのオリジナル作品を次々と制作していった。当時彼らは、アメリカのレーベルでは必ずしも優遇されていたとはいえず、そういう意味ではジャズの重要作品が、パドル・ホイールから次々と生まれていったといえる。さらにクリス・ハンター、ケニー・ギャレット、デルフィーヨ・マルサリスなどといった、当時新進気鋭だった若手ミュージシャンたちにもレコーディングのチャンスを与えた先見性も素晴らしい。また当時、知る人ぞ知る存在だった、ニューヨークのギタリストたちがプライベートで集まる小さなバー“55バー"でのギタリストたちのライヴ・アルバムを制作するなど、まさにジャズを愛し、ジャズという音楽を理解し、さらにチャレンジ精神にも溢れていたレーベルだといえるだろう。
そして日本人のプロデューサーによって、日本のジャズ・ファンに愛される作品作りをしていたというところも、このレーベルのユニークなところだ。実は、海外ではあまり注目されることはないが、日本のファンからはとても愛されている作品というのがある。マル・ウォルドロンの『レフト・アローン』、ソニー・クラークの『クール・ストラッティン』、カーティス・フラーの『ブルースエット』などはその代表的な作品だが、おそらく日本のファンは、よりメロディアスで、繊細かつ明解な作品を好む傾向があるのだろう。そしてパドル・ホイールは。そんな日本人の感性に響く作品を、日本人のプロデューサーによって制作していったのである。マル・ウォルドロンとジャッキー・マクリーンの『レフト・アローン』再会セッション、エリック・ドルフィー&ブッカー・リトルの伝説の“5スポット"のライヴを、オリジナル・リズム・セクションとテレンス・ブランチャード&ドナルド・ハリソンで再現した『エリック・ドルフィー&ブッカー・リトル・リメンバード』、ジム・ホールが日本の印象を音楽にした『無言歌』などは、日本のレーベルならではの企画だといえるだろう。だからこそ、それらの作品は、今も多くのファンから愛され続けている。
またパドル・ホイールは、海外のミュージシャンだけではなく、国内のミュージシャンたちの作品も数多く制作していたところにも注目だ。特に、当時“日本ジャズ維新"と呼ばれた、若手ミュージシャンたちによるアコースティック・ジャズ再興のムーヴメントにいち早く対応して、大坂昌彦、原朋直、クリヤ・マコトなどといった、新世代の日本人ジャズ・ミュージシャンたちの作品を積極的に制作し、それが今日の日本のジャズ・シーンの土台になっていった。そして、そんな国境を横断してきたレーベルならではといえる、菊地雅章の『テサード・ムーン』『フィール・ユー』、クリヤ・マコトの『ザ・ボルチモア・シンジケート』『X-BARトリオ』など、日本人ミュージシャンと海外ミュージシャンとが台頭の立場で制作した名作も生まれていった。
まさにジャズの伝統と、日本人の感性が絶妙に融合した作品を、次々と生み出していったパドル・ホイール。日本が世界に誇る、本物のジャズ・レーベルである。
熊谷美広
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※表示のポイント倍率は、ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。