【訃報】 松岡直也



 4月29日、ジャズ・フュージョン・ピアニストの松岡直也さんが前立腺がんのためこの世を去りました。日本のラテン・フュージョンの第一人者として、松岡直也&ウィシングなどで活躍。また作・編曲家としても、青い三角定規「太陽がくれた季節」、中森明菜「ミ・アモーレ」といったヒット曲の作・編曲を手掛けた。2012年には音楽活動60周年記念ライヴで、変わらぬ情熱的なサウンドを聴かせてくれた松岡直也さん。享年76。心よりご冥福をお祈りいたします。




 亡くなったことをきっかけにその人の音楽を聴く・・・というのもどうかと思うが、それでも聴かないより聴いた方が良い。しかしながら約77年の人生のうち60年以上をプロ・ミュージシャンとして過ごされた松岡直也さんの音楽は、僕らはすでに何度かは耳にしたことがあるはずである。

 例えば「青い三角定規」の『太陽がくれた季節』、ゴールデン・ハーフの 『黄色いさくらんぼ』のアレンジやら、「ハートカクテル」やスタート当初の「ニュースステーション」のテーマソングなどで、心地いいPOPなサウンドを聴かせてくれた。
 一方で、80年代の一大フュージョン・シーンの中でも、ラテン・フレイヴァ溢れる非常にキャッチーなインストゥルメンタル・ミュージックで大人気を博し、中森明菜に提供した『ミ・アモーレ』も国民的な大ヒットとなった。まさにいつの時代でも、僕らの「気持ちのいい音楽」を知り尽くした音楽家。安らかにお眠りください。

文● 口笛太郎 (口笛演奏家)



プロフィール

1937年5月9日 神奈川県・横浜市本牧生まれ。2013年に、音楽活動61周年を迎えた日本を代表するラテン・フュージョン音楽の第一人者。

15歳でプロデビューし自己のバンドを率いてライブを中心に活動を開始する。その後、オリジナル・アルバムをはじめ、CM、サウンドトラック、映画など様々な音楽分野において数々の作品を手掛けその活躍の場を広げる。
1979年に結成した伝説のグループ“松岡直也 & Wesing”は、若者から中高年まで幅広い年齢層にフュージョン音楽の大ブームを巻き起こす。オリジナル・アルバム「九月の風」は、オリコンチャート第2位、半年間30位以内のロングランにチャートインする等、インストゥルメンタル・ミュージック界において驚異的な記録を作ったことで知られる。スイス・モントルー・ジャズ・フェスティバルへ、過去2回に渡り出演し、現在に至るまで、独創的な開拓センスで自己のオリジナル・アルバムを発表し続けている。
2000年から自身のレーベル、アーントを立ち上げ数々の作品を再発売する。 '02年、これまでの半世紀を凝縮し、豊富なキャリアにふさわしいバラエティに富んだ内容で、最高の仲間達と収録した50周年記念アルバム「アン・アフェア・トゥ・リメンバー」を発売し話題を呼ぶ。

松岡直也 2005年、通算51枚目のアルバム「シンシアリー」を自身のレーベルから発売。また同時にライブDVD「松岡直也グループ LIVE!!」を発売。
2006年、新たなサウンドを求めて新ユニット“松岡直也&和田アキラB.F.Unit”を結成。2008年、阿川泰子アルバム「Meu Romance」のサウンド・プロデュースを手掛け、共に各地でツアーを行う。 2009年、「57周年記念 松岡直也 ザ・スペシャル “Hot & Unique” ライブ」DVDを発売。
2010年、松岡直也 58周年記念 “Play 4 You”ツアーを全国6ヶ所で9公演行う。2011年、強力なリズム陣に加えホーンセクションを率いて“松岡直也 INFINITY”を結成し、各地でツアーを行う。5枚組CD BOX「松岡直也 BEST COLLECTION WARNER MUSIC YEARS 1979-1996」を発売。

2012年、音楽活動60周年を記念し“松岡直也 & Wesing”ツアーを行い、唯一無二の圧巻のサウンドで各地のファンを熱く盛り上げる。また、ライブDVD「松岡直也 INFINITY ライブ」と「松岡直也 & Wesing ライブ」を発売。そして、2013年、音楽活動61周年を迎える。ベスト・アルバム「ドライヴ・ベスト!」を発売した。

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※表示のポイント倍率は、ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

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