記念すべきデビュー・アルバム。ギターによるオーケストレーションやリリカルなピアノによるスリリングなサウンドと、重厚なコーラスが既に完成し、日本やアメリカでの人気がイギリス本国に飛び火する逆輸入現象をもたらした一枚。（1973年発表）

ブライアン・メイによる優艶な"サイド・ホワイト"と、フレディ・マーキュリーによる幻妖な"サイド・ブラック"。LPの両面でそれぞれのイメージを打ち出しつつ、バンドとしての美学を見事に具現化した、ファンからの圧倒的支持を集めるセカンド・アルバム。ハード・ロックを基調としたサウンドは、より劇的に、よりプログレッシヴに展開する。(1974年発表)

全英2位に輝くヒット曲「キラー・クイーン」を収録し、アメリカをも含んだ世界的な成功への階段を上がり始めるきっかけともなった、彼らの代表作との呼び声も高い第3作。 (1974年発表)

英米1位を獲得するなど、4作目にして世界を制したクイーンの揺るがぬ代表作。フレディ・マーキュリーの美学を凝縮したロック・オペラ「ボヘミアン・ラプソディ」、ジョン・ディーコンの代表曲「マイ・ベスト・フレンド」等、各メンバーの個性が発揮された楽曲が、精到なトータル性の中に収まる。(1975年発表)

過去最高のヒットとなった前作『オペラ座の夜』とは対をなすコンセプトで彩られ、初期のピークとなった第5作は、全英1位、全米5位を記録。「愛にすべてを」をはじめ、日本語で歌われた「手をとりあって」など印象的な楽曲が並ぶ作品。（1976年発表）

誰もが知る名曲「ウィ・ウィル・ロック・ユー」「伝説のチャンピオン」他、ハードでソリッドでポップなロックに溢れる6thアルバム。よりシンプルでストレートな音作りを目指しながらも、フレディ・マーキュリーの堂々たるヴォーカルがドラマを演出する。 (1977年発表)

「バイシクル・レース」「ドント・ストップ・ミー・ナウ」「ファット・ボトムド・ガールズ」などのポップなヒット曲を収録、多様な音楽性も示した第7作。自転車に乗ったヌードの女性を写した付録のポスターも話題になった。全英2位、全米6位。（1978年発表）

「愛という名の欲望」「地獄へ道づれ」「セイヴ・ミー」などの大ヒット・シングルを収録した第8作。英米のチャートで同時に1位を獲得、世界のロック・シーンをリードする存在となったクイーンの自信が漲る名作。（1980年発表）

クイーンが手がけた初のサウンドトラック盤。ブライアン・メイの伸びのあるギター・サウンドと分厚いコーラスで彩られたテーマ曲をはじめ、スリリングな楽曲が数多く詰め込まれた作品。（1980年発表）

ダンス・ミュージックに傾倒した異色の作品にして、全英1位を獲得したデヴィッド・ボウイとの共演作「アンダー・プレッシャー」など、話題曲を満載したアルバム。（1982年発表）

活動休止からシーンに復帰、レディー・ガガの芸名の元にもなった「RADIO GA GA」（全英2位）を筆頭に、「ブレイク・フリー（自由への旅立ち）」など、ビデオ・クリップの効果も相まってニュー・クイーン・サウンドをファンに印象付けた作品。全英2位。（1984年発表）

映画「ハイランダー」のサントラとして制作した楽曲に書き下ろしを追加、クイーンのオリジナル・アルバムとして完成させた作品。シングル・カットされたタイトル曲もベスト3に入り、5枚目となる全英1位を獲得した円熟のアルバム。（1986年発表）

活動休止と各メンバーのソロ活動を経て、3年ぶりに制作されたアルバム。「アイ・ウォント・イット・オール」（全英3位）、「ブレイクスルー」（全英7位）を収録し、6枚目の全英1位を獲得した。本作制作中にフレディが自身の病状をメンバーに告白したという。（1989年発表）

フレディ最後の作品になることを予感しつつ制作が進められた作品。初期クイーンの特徴であったドラマティックなサウンドが復活、死に直面しながらも、その熱唱で聴く者を感動の渦に巻き込むフレディにメンバー全員が応えた後期の傑作。7枚目の全英1位。（1991年発表）

前作完成後、フレディが死の病に倒れる直前まで録音していたテープを、残されたメンバーが4年の歳月をかけて仕上げたラスト・アルバム。後に大ヒットした「ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」を収録し、9枚目の全英1位を獲得。（1995年発表）