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自分の好きなものに囲まれて没頭できる。 そういう要素をぎゅっと凝縮したような 空間ができればいいなっていうところから、「COTTAGE」というコンセプトワードが生まれました。
多くの女性たちが「HIBIYA COTTAGE」を魅力的な本屋にすべく力を注いでいます。そんな彼女たちがこの本屋に込めた思いを紹介していく本コーナー。
第４回目は、建築デザイナーの岩村絵理さん。「HIBIYA COTTAGE」の空間プロデュースや内装デザインを手がけた岩村さんにお話を伺いました。
―― 「HIBIYA COTTAGE」空間プロデュースの柱になった考えをお聞かせください。
岩村：「どうしたらここまで人を呼び込めるか」ということは、大きなキーワードとしてありました。
「HIBIYA COTTAGE」のある日比谷は、立地的には有楽町から見て銀座の反対側だったり、建物的にも「日比谷シャンテ」３階の奥だったりします。
そこまで呼び込むためには、何らかの強い“惹き”がなければいけない、というお話を事前の打ち合わせでうかがって。
じゃあそこに、従来のお客様に加えて、もっと新たな方に来ていただくためにはどうしたらいいのかということは強く考えていました。
もう一つキーワードでいただいていたのが「乙女心」です。
「乙女心」って聞くとティーン限定のキラキラしたものを思いがちですけど、そうじゃなく、私の中にも乙女心はあって。
胸踊るようなことや、わくわくする気持ちは誰にでもありますよね。それはエイジレスなもの、というか年代問わず誰もが大切にしている気持ちです。
ファッションやエンタメにドキドキして、可愛いものや素敵なライフスタイルに憧れたり。
そういう気持ちは永遠ですし、更に言えば、そんな乙女心に共感できる男性だっているはずです。
誰もが持ち合わせているわくわくやドキドキを、この本屋さんなら網羅している。
さまざまな人の持つ「乙女心」に応えることのできる書店をどうしたらつくれるか、というところから始めました。
―― そこから具体的にどんなアイデアが浮かびましたか？
岩村：まず、「女性が自分の好きなものだけに囲まれた空間で、リラックスしながら疲れを癒す」というイメージが浮かびました。
棚には好きなCDだけが入っていて、お気に入りの詩集や画集が揃っていて、それが全部手にとどくところにあって。
誰の目も気にせずに、とにかく自分の好きなものに囲まれて没頭できる。そういう要素をぎゅっと凝縮したような空間ができればいいなっていうところから、「COCORO COTTAGE（ココロ コテージ）」というコンセプトワードが生まれました。
「COTTAGE」っていうのは“別荘”のことですが、意図したのは“日常から離れる”ということです。
日々会社と家で忙しくしていても、好きなものに囲まれた場所であればわざわざ足を運びたくなるでしょうし。
ちょっと疲れたら、とりあえず行ってみたくなる店舗にしたいと思いました。
―― 店名の候補は１００以上あったのですが、最初にいただいた岩村さんのコンセプトワードが一番しっくりきて、最終的に「HIBIYA COTTAGE」に決まりました。
岩村：もともとコンセプトワードは、私の思いだけでつくったものなので。
その言葉に共感して店名に採用いただけるなんて、とても嬉しいですし、光栄なことです。
―― できあがった内装をご覧になって、いかがでしたか。
岩村：いろんな方々のご協力のお陰で、素敵に仕上がったと思います。
「COTTAGE」という言葉からはログハウスとか、山小屋のイメージが強いので、その言葉だけが先行して、意図する方向と逆に行かないか不安だったんです。でも、コンセプトの深い部分を設計や施工に関わるあらゆる方々に汲んでもらって実現できました。
いわゆる山小屋風の内装じゃありません（笑）。
一人ひとりにとっての、居心地のいい場所。その土台はできたと思っています。
―― これからスタートする「HIBIYA COTTAGE」に対してメッセージをお願いします。
岩村：とても期待しています。実際わたしも小学校５年生の男の子がいる母なんですが、フルタイムで働いているので日常はもうバタバタなんです。そういう人ってたくさんいますよね。子どもがいるし、介護しなきゃだし、仕事忙しいし、残業あるし、みたいな人が、ちょっと別荘で息抜きするような感覚で行ける場所があったらいいだろうなって、すごく思っていました。
これからイベントをたくさん企画していくようですし、アーティストさんとのコラボもあって、きっと私が思っている以上のことが、ここでは進化してカタチになっていくんだろうなと思っています。
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