HIBIYA COTTAGEオープン記念+西加奈子『おまじない』刊行記念 トークイベント
出演者
- 西加奈子(作家)
- 山本充 (筑摩書房、『おまじない』担当編集者)
- 横里隆 (モデレーター) 開催日
2018年3月24日(土)14:30〜
オープン2日目のHIBIYA COTTAGEにて、直木賞作家・西加奈子さんをお招きしたトークイベントが開催されました。客席は立ち見がでるほどの大盛況。
モデレーターは元ダ・ヴィンチ編集長の横里隆さん。筑摩書房の担当編集者・山本充さんとふたりで西さんを囲み、新作『おまじない』について、作品に込めた思いや裏話をたっぷりとお聞きしました。
『おまじない』は書き下ろしを含む全8編が収録された短編集。主人公は、ある事件で心に傷を負った少女、先行きが見えないファッションモデル、“あねごキャラ”が売りのキャバクラ嬢、予期せぬ妊娠に困惑する妊婦など、立場も境遇も違う8人の女性。
それぞれに切実な悩みを抱えるなか、彼女たちに救いをもたらす魔法の言葉=おまじないをくれるのは、焼却炉のおじさんや売れない芸人、イチゴ農園の浮ちゃんやトラックの運転手といったおじさんたち。王子様やヒーローにはかなり遠い、でもどこかカッコいいおじさんに救われる物語。
それぞれに切実な悩みを抱えるなか、彼女たちに救いをもたらす魔法の言葉=おまじないをくれるのは、焼却炉のおじさんや売れない芸人、イチゴ農園の浮ちゃんやトラックの運転手といったおじさんたち。王子様やヒーローにはかなり遠い、でもどこかカッコいいおじさんに救われる物語。
西さん:「作品にでてくる、おじさんたちの揺らがなさ。これは作品のテーマでもあるし、私の生き方のテーマでもあるんです。『ものさしを自分の中に持つ』っていうことを伝えたくて。主人公の女の子たちは、社会的なものさしが誰かの手に委ねられている状態なんです。そうなると、そこからずれた時に辛くなってしまう。けど自分の中にものさしがあったら、揺らがない。そうありたいな、というのはずっと思っています」
8編すべてについて、着想を得たきっかけや、執筆当時の思い出を詳細に(時に笑いをまじえながら)語ってくださった西さん。なかでも最終話の『ドラゴン・スープレックス』は、山本さんが「もう、完璧。なんて上手いんだと思った」と驚嘆したほどの傑作。西さんには、それまでの短編を良い意味でひっくり返すようなものにしようという構想があったという。
西さん:「おまじないって、素敵なものですよね。でも幸せになるためのものなのに、それに閉じ込められて苦しんいでたら意味はない。言葉は人を救うけど、人を呪うものでもあるから。拘泥して、苦しめられるんだったら捨てればいい。そういう思いを込めました。」
「自由なんだからね」と強く、優しく背中を押してくれるような西さんの言葉に勇気が湧いてくる。最後は客席からの質疑応答に答えて、拍手のなか終了。西さんのあたたかいメッセージに元気をもらい、観客のみなさんは笑顔でお店をあとにされました。
HIBIYA COTTAGEでは、現在『おまじない』刊行記念の特設コーナーを設けています(終了時期未定)。西加奈子さんの作品の中から、店長・花田を含む書籍担当3人が特にお気に入りの3冊をピックアップしました。ぜひチェックしにいらしてください。
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