メロウ＆グルーヴィ路線で活躍した70年代マルコス･ヴァーリの名盤。ベッドのジャケットで有名な「MARCOS VALLE」(1970年)は、バックに当時気鋭のグループ、ソン・イマジナリオを迎えて制作された70年代の幕開けを宣言するエポック・メイキングな一枚。プログレッシヴ、サイケ、ソフト・ロックなど、当時としては斬新な要素を意欲的に盛り込んだ確信犯的アルバムで、先進性と保守性がマルコス流のポップ・ワールドで調理された奇跡的な傑作。一方「GARRA」(1971年)は、先述の前作をより発展させたブラジル・ニュー・ロックの金字塔的アルバム。ボサ・ノヴァのスタイル、良質なメロディ・メーカーとしての才覚は残しつつ、よりカラフルなポップ・ミュージックを表現。 いずれもかつてのリリースCDは廃盤のため､嬉しい復刻｡

ミナスの金字塔的傑作、「ミナス」「ジェライス」の2CD｡(75年 / 76年)

フラヴィオ･ヴェントゥリーニ率いたロック･ミネイロの名グループ14bis（カトルヂ・ビス） 79年1st + 80年2nd。フラヴィオ作品のしみる美しいメロディがお好みの方にはおすすめです。

ミルトン･ナシメントでおなじみ“クルビ･ダ･エスキーナ”（街角クラブ）の実力派SWW｡78年 / 79年リリース。

ジャヴァンのEMIキャリア初期の3rd + 4thアルバム｡1980年。

ジョアン･ドナートの名盤2種｡メロウ･ブラジリアンの傑作「ケン･エ･エン」 + 96年の復活作「コイザス･タォン・シンプレス」。

ボサ･ノヴァ発祥に大きな影響を及ぼしたと言われるジャジー･インタープリター御大､ジョニー･アルフが名声を得た作品｡「ELE E JOHNNY ALF」(1971年)は、彼のキャリア代表曲「Ilusao a Toa」のオリジナル・バージョン、マンゲイラの行進を歌った古典サンバカバーM3を含む､オデオン移籍後の初作。一方「NOS」(74年)はジスモンチ、イヴァン・リンス、ミルトン、ヴァギネル・チゾなど、一世代下の後輩作曲家達による楽曲を取り上げた意欲作。リラックスした楽しげな演奏が楽しめる。

リオの下町で洒脱かつ力強いサンバを作り上げてきた名サンビスタであると共に､サンバの存在意義を､振興活動において高めてきた偉人､ジョアン･ノゲイラの2作品｡鏡の前に佇むジャケットが印象的な「ESPELHO」(1977年)は､リリース当時ラジオで頻繁にオンエアされ､カリオカから人気を博したM1、そしてウィルソン･バリスタ､ジェラルド･ペレイラ､ノエル･ホーザというジョアン･ノゲイラふが敬愛するリオ下町サンバの先人に捧げたM8など､サンバと真摯に向き合った傑作｡一方､「VEM QUEM TEM」(1975年)は､ノエル･ホーザのカバーM1／M3、クララ･ヌネスにも取り上げられたM2など､粒ぞろいのサンバを収録した最高傑作｡いずれもCD化は久々。サンバが輝いていた70年代を代表する作品だ。

元サッカー選手という肩書きを持ち､名門エスコーラ、インペリオ･セハーノのメンバーでもあった通好みのサンビスタ、ホベルト･ヒベイロのオリジナル･アルバム｡「ARRASTA POVO」(1976年)は､後のパゴーヂ世代にも影響を与えたヒット曲"Acreditar"(M2)、"O Quitandeiro"(M3)を収録。一方の「ROBERTO RIBEIRO」（1978年)は､ブラック･ルーツのサンバ本来の力強さと､ロマンティックなカリオカの粋をバランス良く綴った、サンバ･ファンの間で人気の高い1枚｡いずれも隆盛を極めた70年代サンバ･シーンに残るマスター･ピースで、常にCD化が望まれる名作。久々の再発｡

バイーアが産んだ偉大な語り部､ドリヴァル･カイーミのオリジナル(57年 + 59年)。

パウリーニョ･ダ･ヴィオラの70年代名作（72年 + 73年)。

御大カルトーラのマルクス･ペレイラ原盤1st + 2nd。ブラジル･ファン永遠のマスターピース｡

サンバ女王ベッチ･カルヴァーリョ｡1969年1st + 2006年バイーア･ライブ。

サンパウロ･サンバ界の重鎮｡75年オリジナル作 + 80年のジャヴァン､クララ･ヌネス他との共演盤｡

ショーロ、ひいてはブラジル音楽繁栄の祖､ピシンギーニャのオリジナル作｡特に『GENTE DA ANTIGA』は久々のCD化｡

北東部舞踊「コーコ」の偉人ジャクソン･ド･パンデイロの貴重なオリジナル音源。58年 + 60年作。

サンバ･エンターテイナーのパイオニア､ウィルソン･シモナールのジャジーな名作(1968年)。

MPB第二世代の無頼派SSW､ゴンザギーニャの名作(79年 + 80年作)。

MPB第二世代の女流実力者､シモーネの70年代EM2作品。(78年 + 79年)

エリベルチ･ヴィアナ率いるロック･ブラジレイロのトップ･グループ｡83年 + 84年作。

マリア･ベターニアのキャリア初期ODEON時代のジャズ･ボサ的な香り漂う2作。(69年 + 70年)

90年代MPBを新風を注いだ女性シンガー､マリーナ･リマの人気作｡(91年 + 95年)

MPBの母性､ナナ･カイーミのオリジナル好作(80年 + 98年)。

女性シンガー実力者。94年のボサ･ノヴァ･アルバム＆00年ゴンザギーニャ + イヴァン･リンス･カバー作。

クララ･ヌネス全盛期の74年 + 75年作。