ストーンズ FROM THE VAULT

1975年のこの北米ツアーは、'70年代前半のストーンズに多大な貢献をしたギタリスト、ミック・テイラーが前年暮れに脱退を表明し、当時まだフェイセズのロン・ウッドをゲストに迎えて敢行されたものだった。それ以前のツアーでは当たり前のものとなりつつあったホーン・セクションは外して雰囲気をがらりと変える一方(LAの後半3日間だけは一部ゲストとしての参加もあり、その様子も今回の映像には捉えられている)、キーボード奏者のイアン・スチュワート、ビリー・プレストンの参加に加えて、スティーヴィ・ワンダーのバンドとドラマー も務めていたオリー・E・ブラウンをパーカッション奏者として新たに迎えてリズム面を強化。ニュー・ソウル/ファンクからフィリー・ソウルを経てディスコへと向かいつつあった当時のブラック・ミュージックの動向に呼応したような、ファンキーかつ重厚感漂うパフォーマンスを繰り広げたとのだった。これもライヴ・アルバム『ラヴ・ユー・ライヴ』にもしっかりと刻まれている。

しかし、ストーンズが、この1975年のツアーから1ステージあたりの演奏時間をそれまでよりグッと伸ばし、舞台装置や演出面でも先に触れたオープニングのギミックや、ステージ中央からミック・ジャガーがせり上がって来るような仕掛けを使ったり、「スター・スター」の演 奏中には歌詞の内容に合わせて迫り出して来る男根を模したバルーン(先からは紙吹雪が噴出!)をミックが自分の股に挟んでおどけたり…といった、いろんな意味でヴィジュアル・インパクトの強いシーンがふんだんに盛り込まれたこのツアー時のパフォーマンスの全体像 は、今回のリリースで初めてちゃんとした形で世界に向けて公開されることになる。もちろん、ビリー・プレストンが歌い、ストーンズのメンバーがサポートに回る2曲ももちろん含まれ、そのうち1曲の円中には、ターザンよろしくミックがロープにつかまって引き上げられ観客席の上空を「飛ぶ」シーンも見られる。長年のファンはミック、キース、ロン・ウッドの3人がフロントで一緒にハモる「ワイルド・ホース」のシーンを見て存分に泣くべし。そして“悪魔”のようなロックのリズムに今も魂を奪われ続ける不良たちは、裸になったミックが雄叫びと共に先導する終盤のグルーヴのウネりに、ただただ圧倒されるべし!!
4件中 1-4件を表示
50件 100件 200件
※表示のポイント倍率は、ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

チェックした商品をまとめて

チェックした商品をまとめて