19世紀末から20世紀初頭、
スウェーデン音楽の中心的人物となった
ステンハンマルの作品集を
巨匠ネーメ・ヤルヴィが振る!
SACDハイブリッド盤。ヴィルヘルム・ステンハンマルは、19世紀から20世紀の変わり目の時代、スウェーデンでもっとも重要な作曲家のひとりでした。ピアニスト、指揮者としても尊敬を集め、彼が作曲した2曲のピアノ協奏曲と交響曲、6曲の弦楽四重奏曲、歌曲、管弦楽をともなう大規模の合唱曲といった作品は、人々から広く愛されてきました。彼の作曲する音楽は、和声の独創性以上に旋律の個性が際立っていることから、ステンハンマルはしばしば「歌の作家」と呼ばれます。彼の「メロディ」は細やかなニュアンスに満ち、このうえなく繊細な詩の朗読にも例えられてきました。
4人の独唱者、混声合唱、児童合唱と管弦楽による交響的カンタータ(En symfonisk kantat)『歌』は、1921年、スウェーデン王立音楽アカデミーの設立150年記念のために作曲された作品です。作曲家テューレ・ラングストレム[1884-1947]が詩を作り、第1部「わが歌、祖国 - わが歌を生みし国よ!(Min sang, mitt land - du mina sangers land!)」と第2部「神殿が輝く。天空が鳴っている(Templet stralar. Rymder ljuda.)」から構成され、「歌の国スウェーデン」の最初の偉大な歌曲作家へのオマージュとして、リンドブラード(Adolf Fredrik Lindblad[1801-1878])の歌曲『夏の日(En sommardag)』がモチーフとして引用されます。第2部の冒頭に置かれた間奏曲(Mellanspel)は、ステンハンマルの温かい人間性の生んだ「モルト・アダージョ、ソレンネ」の音楽が美しく、単独の作品としても演奏されています。「ステンハンマルのオーケストラ」と王立音楽アカデミーの会員でもあるネーメ・ヤルヴィによる新録音です。
このアルバムの曲はすべて、設立から間もない交響楽団の首席指揮者に就任するためステンハンマルが、1907年、エーテボリに移ってからの作品です。演出家ペール・リンドベリがエーテボリの劇場で上演した「ロメオとジュリエット」のための音楽は、ストリンドベリ、ヤルマル・ベリマン、タゴール、シェイクスピア、ゴッツィの劇のために書いた付随音楽の一作。作曲家ヒルディング・ルーセンベリ[1892-1985]がアレンジした「田園詩(Pastorale)」「クラント(Corrente)」「ガヴォット(Gavotte)」「ピーターの笛(Petters pipa)」「サラバンド(Sarabanda)」の5曲の組曲版が演奏されます。
『レヴェレンツァ(イタリア語「尊敬、敬意」)』は、セレナード第1稿の第2楽章として作曲され、1919年の改訂の際に省略されました。ウィーン古典音楽の「スケルツォ」の伝統へのオマージュといわれる音楽です。
『2つの感傷的なロマンス』は、抒情的なイ長調と情熱的なへ短調の2曲。1911年エーテボリ、ステンハンマルと長年の友情で結ばれたヴァイオリニストのトゥール・アウリンが聴衆を前に演奏した最後のコンサートで初演されました。この録音のソリスト、サラ・トルーベック[1978-]は、エーテボリ交響楽団第一コンサートマスター。楽器は、G.B.ガダニーニ(パルマ、1753年)。2008年に王立音楽アカデミーの会員に選ばれました。(輸入元情報)
【収録情報】
ステンハンマル:
1. 『ロメオとジュリエット』組曲 Op.45(ヒルディング・ルーセンベリによる管弦楽編)
2. レヴェレンツァ〜管弦楽のための (1911-13)
3. 2つの感傷的なロマンス〜ヴァイオリンと管弦楽のための Op.28 (1910)
4. 交響的カンタータ『歌』〜独唱、合唱と管弦楽のための Op.44 (1921)
サラ・トルーベック(ヴァイオリン:3)
カルロッタ・ラーション(ソプラノ:4)
マッティーナ・ディーケ(アルト:4)
ラーシュ・クレーヴェマン(テノール:4)
フレードリク・セッテシュトレム(バリトン:4)
ノルショーピング音楽クラス(4)
エーテボリ交響楽団ヴォーカルアンサンブル(4)
エーテボリ交響楽団
ネーメ・ヤルヴィ(指揮)
録音時期:2018年2月、3月
録音場所:スウェーデン、エーテボリ・コンサートホール
録音方式:ステレオ(DSD/セッション)
SACD Hybrid
CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD 5.0 SURROUND
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※表示のポイント倍率は、ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。