世界が熱い視線を注ぐイタリアの若手、
ルスティオーニの新録音は、何とペトラッシ。
2016年6月には東京交響楽団と兵庫芸術文化センター管弦楽団を指揮し、世界が熱い視線を注ぐ1983年ミラノ生まれの若きマエストロ、ダニエーレ・ルスティオーニのソニー・クラシカル第2弾となるアルバムは、イタリアの現代音楽作曲家ゴッフレド・ペトラッシの作品集。
ペトラッシは、ルイージ・ダッラピッコラ、ジャチント・シェルシと並んで20世紀イタリア音楽の三大巨匠と称えられ、晩年までペトラッシ国際作曲コンクールの審査委員長(後に彼に学んだモリコーネが引き継いだ)を自ら杖をつきながら務めるなど、新たな才能の発掘も行っていました。彼の当初の作曲法は、流行でもあった新古典主義と旋法性の作品(カゼッラ、ヒンデミット等に影響)からはじまり、後に無調や十二音技法の作品(ストラヴィンスキー、シェーンベルク)へと発展。しかし更なる実験的で前衛的な方向へ行くのではなく、独自の技法により叙情性の極度の抑制と響きの純度の高さを保った、正当な管弦楽作品を中心に作曲を行いました。特に彼の音楽の中でもその作曲技法の素晴らしさが表れているのが『管弦楽のための協奏曲(コンチェルタンテ)』。ここに収録された作品も、そうした「管弦楽のための協奏曲」形式によるもので、非対称かつ鮮やかな幾何学的枠組みの中で、様々なイディオムを音楽化したものといえるでしょう。
ルスティオーニは2011年に英国ロイヤル・オペラでのデビュー以来、ミラノ・スカラ座やローマ歌劇場など世界の名だたる劇場に次々出演、2014年からはトスカーナ州立管の首席指揮者に就任し、さらに2017年よりリヨン国立歌劇場の首席指揮者。現在アンドレア・バッティストーニ、ミケーレ・マリオッティらとともに「イタリアの若手三羽烏」と称され、急激に人気とプレゼンスが高まっている要注目の指揮者です。日本に数回来日し、繊細さと劇性を柔軟な感性で素晴らしい音楽を聴かせてくれていますが、このアルバムでも強力な統率力と推進力で、このイタリア巨匠作曲家の名作品を新鮮なものとして聴かせてくれています。(輸入元情報)
【収録情報】
ペトラッシ:
1. 協奏的序曲
2. ドン・キホーテの肖像画
3. 管弦楽のための第2協奏曲
4. レクリエーション・コンチェルタンテ
トスカーナ州立管弦楽団
ダニエーレ・ルスティオーニ(指揮)
録音時期:2015〜2017年
録音場所:フィレンツェ、ヴェルディ劇場
録音方式:ステレオ(デジタル)
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※表示のポイント倍率は、ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。