ブルーノートの新時代到来を象徴するアルバム。西海岸で活躍していたピアニスト、ジャック・ウィルソンが東海岸に”西からの風（イースタリー・ウインズ）”を運ぶ。リー・モーガンの参加がポイントだが、このアルバムにおける《ドゥ・イット》は、そのモーガンのヒット曲《ザ・サイドワインダー》、さらにはそのルーツともいうべきハービー・ハンコックの《ウォーターメロン・マン》とともにブルーノートのジャズ・ロック路線を代表する演奏。ちなみにボブ・クランショウとビリー・ヒギンズは《ザ・サイドワインダー》からの参加組。ジャッキー・マクリーンの名演が聴けることから、マクリーン・ファンの支持も熱い。

クラブ・ジャズの古典的名曲「アフロディジア」を含むハード・バップ黎明期に残されたアフロ・キューバン・ジャズの傑作。ドーハム、モブレーの活きのいいソロが聴いてて気持ち良し！

ブルーノートを代表するヴィブラフォン奏者、ボビー・ハッチャーソンのブルーノート２作目。前作のバップ的な要素からよりモーダルへの進化が伺える作品となっている。中でもディーディー・ブリッジ・ウォーターもカヴァーした極上のワルツ「little B's poem」の至福の美しさは格別。

ドナルド・バードの67年作。ブルーノートに録音されたバードの作品中でも比較的後期の作品、ブラックバードに繋がる路線上の演奏が聴ける。時代を反映してか70年代へのクロスオーヴァーへの過程が感じられる作品。

ハンク・モブレイの代表作といえば「リカード・ボサノヴァ」の入って『ディッピン』だが、音楽的には本作の方が上だと言える。ここには二つのセッションが収録されており、ドナルド・バードヤハービー・ハンコックと組んだ３曲ではもっとも伸び伸びとしたプレイをしている。残りの曲も基本的には同じようなサウンドの中で演奏が進行するが、アンドリュー・ヒルの参加が異色なだけに面白い。

クラブジャズ・シーンでも人気の高いピアニストのホレス・パーランの60年作。全編に渡り心地よいモーダル・ジャズが聴けるが注目すべきはラテン・ジャズ界のコンガ奏者のレイ・バレットが参加しているところだろう。ストレートアヘッドな作品も良いがブルーノートはやはりこういう洒落感が素晴らしい。

1961年のアート・ブレイキー＆ジャズ・メッセンジャーズ、1962年のホレス・シルヴァー。この2組の来日によって、日本に空前のジャズ・ブームが訪れる。日本ツアーはシルヴァーにとっても思い出深いものとなり、帰国後、その思い出をアルバムとして表現する。ただしジャケット写真はニューヨークのホテル屋上にあった日本庭園で撮影されたもの。ブルー・ミッチェルとジュニア・クックがフロントを飾り、シルヴァー書き下ろしの《ザ・トーキョー・ブルース》や《トゥー・マッチ・サケ（酒）》や《サヨナラ・ブルース》や《アー・ソー（ああ、そう）》といった日本に直結した曲が並ぶ。異色作にして傑作の稀有な例。

ウエイン・ショーターの記念すべきブルー・ノートの第一作。リー・モーガン、マッコイ・タイナー、エルヴィン・ジョーンズ、レジー・ワークマンという豪華なメンツ。全曲オリジナルで、ウエイン独特の全体に漂うミステリアスなムードは聴き応えアリ。特にバラードでの幻想的な雰囲気はショーターでしか味わえません。