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  • 2 people agree with this review
     2012/07/17

    以下の文章は、ピアニストの深沢亮子さんのエッセイからの一節。カサドシュのモーツァルトを聴いていて、ふと思い出したので、少し長いけど、ご紹介します。
    「(モーツァルトの)作品を演奏する場合、明快、シンプルであるために弾き易そうに思えるが、実は、一寸の油断も出来ないほど、あちこちに落とし穴が隠されている。表現はのびのびとしていなければならないが、表情が多すぎると品格に欠け、少なすぎると平板になってしまう。曲全体を見通し、微妙なニュアンスやアーティキュレーション、アゴーギック、間、音色などに気をつけながら、たえず、流麗さや軽快さ、うたうこと、緊張感などに心を配る。しかもそれが作為なく、何もかもが自然に、そして生き生きときこえるように弾かなければならないのだ。健康的で、よいセンスと即興性、しなやかで自由であることなどがモーツァルトを弾くときの理想だと私は考える。……モーツァルトにはすべてを受け入れる愛があるとおもう。心の奥底に神に対する絶対的な信頼の気持ちがあり、それが彼の内面を強く支えていたのだろう。謙虚な心が苦悩を乗り越えたときにのみ往きつくことの出来る、真の平安、そこからにじみ出る単純さ、それを彼は幼いころから無意識のうちに己のものとしていた。それ故に、彼はどんな過酷な運命に遭遇しても、ほほえみを忘れることがなかったのだろうし、また、その作品を聴く私たちの心をほぐし、高め、慰めてくれるのだろう。」

    あ〜 やっぱりプロの演奏家はすごいなあ、と感心しながら読んだ深沢亮子さんのエッセイであり、またカサドシュ(そしてセルの)演奏でした。

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     2012/07/17

    ベートーヴェンといえども、初期のものはどうせ聞くに値しないと、無知な先入観を見事に打破(独語のAufbruch このCDでは「出発」と訳されている)してくれた、私にとって画期的な演奏。どの演奏も素晴らしいけど、特に比較的初期の第16番の軽妙洒脱な音楽には魅惑された。中音から高音へ迅速に上昇していくときの(専門的に何というのか知らない)スリリングは、快感!若きベートーヴェンとほぼ同年齢の演奏者ならではの溌剌とした表現。この人の演奏には、時にピリスのピアニシズムを感じる時がある。繊細感と同時にがっちりした構成感。これまで興味のなかった初期の弦楽四重奏、バイオリンソナタも聞いてみたくなりました。

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     2011/01/04

    これほど低音不足の録音も珍しい。聴こえてくるのは中音よりも高い音がほとんど。しかも近接録音なので、特にトランペットの突き刺すような音には閉口する。それでも、第1楽章展開部の迫力、終楽章のそれこそ「悲愴感」はこの指揮者ならではのもの。それだけに残念である。

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     2010/11/12

    第9番は録音に問題あり。弦楽器、木管楽器、金管楽器、打楽器が互いに独立に同じ音量だけ突出してきて、互いの溶けあいがなく、奥行き感も感じられない。いわば部分と全体のバランスに問題がある。例えばリズムの饗宴ともいうべき第3楽章終結部では音楽の構成が崩れてしまっている。ただし、終楽章の弦楽のみの合奏の部分は重厚、多層的で聴きごたえがある。

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     2010/10/16

    通常であれば購入しないだろうなあという盤がいくつもある。でも、せっかく買ったのだから聴いてみるかと手に取ったのが、例えばランランのピアノ。でも中国人のモーツァルト?、ショパン?あまり食欲がわかないなと思いながら聴くと、これが意外や意外、と、と、とても素晴らしいのです。もしこのコレクターズコレクションを買わなければ、この演奏にはめぐりあわなかったかも。そう考えると、これは1つの玉手箱。もし、重複しているのがあるからと購入を迷っている方があれば、思い切って「クリック」してください。56CDの中の1枚でも新たにお気に入りの演奏に出合えれば、それだけでも(少しオーバーに言えば、)世界がちょっぴり広がった感じです。

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     2010/10/15

    このモーツァルトは素晴らしい。しっとりと落ち着いた音色で、気持が決して華やぐことなく、心の奥底で楽しさをじっとかみしめている感じ。こんな「ハ長調」があってもよいと思う。

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     2010/09/17

    確かに、指揮も、オーケストラも、独唱も、合唱も最上級の演奏をしていることに間違いはない。しかし、テンシュテットのあの壮絶壮大な、身を切られるような演奏を経験した者にとっては、どうも録音に助けられているなと、少し冷めた印象も否めない。

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     2010/09/11

    解説書には、戦闘的な演奏は聞き手の耳を疲弊させるが、エデルマンのショパンはそのような演奏とは一線を画すという主旨のことが記載されているが、私の印象はこれとは全く逆。低音を売り物にしているためだろうが、いたるところ打鍵が強すぎて、剛腕の格闘家が音楽をねじ伏せている感じ。中音も高音も平板で、もっと流麗で、詩情豊かなショパンを聴きたかった。

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     2010/04/02

    たとえば、カラヤンとかバーンスタインは、確かに感動的な演奏を提供してくれるが、どうしても自分と音楽の間に彼らが介在してしまい、どんなに感動しても結局は演奏論云々ということになってしまう。他方テンシュテットは、というかこの演奏は、作曲家の心情やその音楽にじかに接したという実感をもたらしてくれる。そこが凄いと思う。

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     2010/03/16

    流麗さ、繊細なタッチ、絶妙な間、どれをとってもピアニスティックで、最近ではブレハッチで経験したような美しさ。特に4曲の夜想曲は本当に素敵だった。ぜひ全曲を聴いてみたい。ただ、高音指向の録音なので、彼女の低音の力量を知りたかった。特に、「舟歌」の最初の出だしの低い音など。

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     2009/09/04

    ナカタは頭が悪いのでよくわかりませんが、カラヤンさん、これはもう演奏を超えて編曲の域に達しています。特に第4番の終楽章、音が怒涛のように迫ってきて、音楽を怪物化させてしまうその強引さ、これには疑問を感じますが、でもナカタはこの怪物にものすごく興奮してしまいました。一体、演奏って何なのか、ナカタはわけがわからなくなってしまいました。

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     2009/09/02

    名演誉れ高いグールドのバッハ…。しかし、あの乾ききった音はどうも好きになれない。その対極にあるのが(音に関して)この演奏。深みのある1つ1つの音は、頑なな心を解きほぐしてくれる。でも、だからといってムードだけに流れているのではない。この人の芸術、人生に対する姿勢が感じ取れると思う。

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     2009/07/11

    第4番、第1楽章、第1主題呈示部直前の劇的な上昇動機、これほど重厚で威風堂々としたものは聴いたことがない。朦朧としていた意識が強烈な、厳格な一撃によってハッと我に返る瞬間の緊張感、それを理想的に実現してくれたケーゲルとSACDの技術に感謝!!

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     2009/06/07

    あ、そうか、いまリストの「ピアノソナタ」を聴いているんだと、ふと我に返るほど、音楽が「解剖」されて、1つ1つの臓器の解説を聞かされている感じ。部分的に美しい部分、力感を感じさせる部分はあるものの、これはもう演奏を超えて編曲の域まで達しているのでは、というのが正直なところ。史上最長(?)の41’38”、あ〜、疲れた。

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     2009/05/15

    私は「英雄」が好きで、よく聴くが、これまで満足した演奏はほとんどない。特に第1楽章は、平凡な演奏で聴くと退屈極まりない。しかし、この演奏は違った。左右いっぱいに拡がる弦楽器の力強さと流麗さ、その上に漂う木管の美しさ、バランスのよい金管、特に圧巻は終楽章終結部直前の第7変奏におけるホルンのものすごい咆哮。本当に凄かった。

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