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     2012/11/24

    Eberhard Weberは、ECMの看板ミュージシャンの一人であるJan Garbarekの盟友であり、ECMの重鎮と言ってもいい優れたベーシスト。私が、Keith JarrettやChick Corea以外のECM作品に手を伸ばすきっかけを作ってくれた方でもあります。なぜかというと、Brian Enoと同次元のアンビエントで馥郁たる響き、ECMというブランドにお似合いの空気感に満たされたから。その後、私は次々とECM作品の虜になったというわけです。尚、Eberhard Weberの作品はジャケットも秀逸であり、奥さんのMajaさんが手掛けたものもありました。そのEberhard Weber、新作が聴けないと思っていたら、Stages Of A Long Journey という、オールスターによる集大成的なライブアルバムを録音後、2007年に脳梗塞で倒れたとのこと。本作は、倒れる前の各地でのライブを編集したものです。あらかじめ用意されたバックトラックを伴奏にしてベースソロを展開したものや、Jan Garbarekとのデュオなど、ミニマルな演奏が記録されています。静謐で心安らぐ曲が続き、心地よい。更にブックレットを見やれば、お馴染みの奥さんの絵画も登場し、微笑ましい気持ちに。しかし、最後のページでMajaさんが2011年に亡くなったということを知りました。本人はもとより、Manfred Eicherの心境やいかに。我々には想像すら許されないと思います。切ないとか、心が痛むとかいう表現は、ポピュラー音楽の世界でのみ、たやすく使うことが出来るようです。

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     2012/11/17

    私がCyminologyに惹かれたのは、よく透き通ってはいますが、どこか不安定なCymin Samawatieのvocalではなく、バックを務めるBenedikt Jahnelの pianoによるものでした。そして、彼のトリオによる演奏を聴きたいものだと思っていました。ECMからの新作は、正にそのピアノトリオのフォーマットによる演奏を堪能できる傑作となっています。リズムセクションは、Cyminologyのそれではなく、Modular Conceptsという作品で共演したAntonio Miguel (bass)、Owen Howard(drums)が担当しています。全体に穏やかなトーンに包まれた展開は、いかにもECMといった趣があり、オリジナルで固めたというところも創造性を感じさせられます。

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     2012/11/17

    闇夜にカラスの群れが佇んでいるようなジャケットが多い(このところ特にそのような傾向が)ECM作品の中で、このTowards The Windの紅色の鳥(フラミンゴ?)が鮮やかに飛翔している姿は印象的。タイトル通り「風」を感じさせる素晴らしいジャケットです。もちろん、中身も、聴いている側に鮮やかな情景を浮かび上がらせてくれる、いつものStephen Marcusの演奏がここにあります。本作は、instrumental曲が多いので、JAZZファンにも受け入れられると思います。

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     2012/11/15

    Nicola Sergioはイタリア出身のピアニストということで、Enrico PieranunziやStefano Bollaniとの比較で語られることが多いようです。というか、同じようなレビューばかりが並んでおり、こちらも偏った聴き方になってしまいそう。しかし、前作Symbolsで彼に注目し、次作はトリオのみで聴きたいと思った方は多いと思いますし、そのような意味合いのレビューには同感です。そして、待ちに待ったトリオのみのアルバムが本作。先輩諸氏との比較云々でなく、ここは、Nicola Sergioという優れたピアニストのアルバムとして純粋に聴いた方が良いと思います。軽やかな中に美しさを秘めたピアノの音色、クラシカルな展開も聴かせる指さばきが素晴らしいと思います。また、ベースのStephane Kereck の存在も特筆すべきものがあります。今後の活躍に期待したい。

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     2012/11/14

    今年(2012)の夏に観たBrad Mehldau trioの演奏は、それは素晴らしいものでした。ソロパートでのMehldau氏の演奏には瞠目すべきものがありましたし、Larry Grenadierの歌うようなbass、Jeff Ballardの繊細さを秘めたdrumsにも感嘆致しました。現代最高のピアノトリオと評される所以を目の当りにした思いです。前作Odeがオリジナル曲で占められていたのとは対照的に、本作はジャズ界の先達やロックミュージシャンの曲を取り上げています。その点、聴きやすさが強調されているようで、こちらもリラックスして聴きました。録音時期は、前作同様、November 17, 2008とApril 19, 2011です。思うに、2011年録音のリリースを進めるうちに、お蔵入りになりそうだった2008年録音を見直して、時期が異なる音源を組み合わせ、2つのアルバムに仕上げたのでは?俺たちの演奏はこれだ、これしかない、と主張しているようにも聴こえます。

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     2012/11/11

    Eivind Aarsetは、Bugge Wesseltoft主宰のJazzlandの看板ギタリストでしたが、最近めっきりリリースが減ったJazzlandからECMへ拠点を移したようです。FOODの2作目にもゲスト参加していました。本作は、そのJazzland時代のConnectedを彷彿とさせる作品。リズムより空気感を重んじた曲調が続きます。同じくFOODに参加したChristian Fennesz(g)との相違点は、ギターらしさが残る音作りと、適度にカラフルな装飾音に工夫を凝らしている点でしょうか?本作の共演者Jan Bangのサンプリングが効いているのかもしれません。Jan Bangは、DAVID SYLVIANとPunkt Festivalつながりで、彼のSamadhi Soundからもアルバムを発表しています。本作にもDAVID SYLVIANのヴォイスが入ればと思いました。夢の論理というタイトル通り、眠りに入る前や、まだぼんやりとしていたい朝方などに聴くと効果があるかもしれません。

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     2012/11/10

    Jose Luis Montonは1962年バルセロナ生まれのフラメンコ・ギタリストとのこと。但し、本作は、Manfred Eicherのフィルターを通過したECMらしい作品に仕上がっています。どこがと言えば、それはクラシカルな響きであり、4曲目のJ.S. BachのAirに集約されています。New Seriesからリリースされてもおかしくない作品とは思いますが、やはり演奏の底流には情熱が感じられるところから、ECM本シリーズでの登場となったと思います。心安らぐ傑作。

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     2012/11/10

    ECMでの2作目。前作に続きChristian Fennesz(g, electronics)を起用しており、YMOのファンも注目するのではと思います。Nils Petter Molvaer(tp)も1曲のみですが参加し、過去のメンバーArve Henriksenの先輩らしいプレイを聴かせてくれます。今やIain Ballamy(Saxophone)とThomas Stronen(Drums)のユニットになりましたが、Rune Grammofon から引き抜いたManfred Eicher の審美眼が光る作品。冒頭からどことなく牧歌的なサウンドが展開され、初期のWEATHER REPORTやMilesのIn A Silent Wayを想起させられます。後半では、Eivind Aarset(g, electronics)が参加し、Prakash Sontakkeという方が中近東風のvocalを披露する曲もあります。JAZZの範疇にとらわれない、美を志向する音楽を探究し続けるECMの矜持を保った傑作です。

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     2012/11/07

    Nils Petter Molver のECMへの帰還が嬉しいManu Katcheの新作。しかし、このアルバムは、主にピアノのJim Watson とManu Katcheが基本的な構造を築き、管楽器の2人、Nils Petter Molver(trumpet)とTore Brunborg (saxophones)が彩りを添えているように聴こえます。ベース奏者はいませんが、オルガンも弾くJim Watsonが低音部を充分にカバーしています。そして、Manu Katcheのドラムスもよく歌っている。ECMらしく、フロント楽器がバリバリ吹きまくる作品ではありませんが、味わいのある佳作に仕上がっていると思います。Nils Petter Molver には、更に頑張って、ECMで久々のリーダーアルバムを発表して頂きたい。

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     2012/11/05

    Neil Young。1945年生まれにしてこのパワー!!。驚きと尊敬の念に堪えません。1979年に発売されたLive Rustに続くアルバムと言われても、疑うことなく聴き通すことができる作品だと思います。とにかく、なかなか終わらないどころか、逆に盛り上がっていくばかりのDriftin’ Backに圧倒され、あっという間に聴き終えてしまう2枚組。Crazy Horseのクレージー仲間と共にどこまでも突き抜けていって下さい。

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     2012/11/05

    ECMレーベルでのピアノトリオの先駆者Bobo Stensonによる久々の作品です。リズムセクションは、ユニークなリーダーアルバムを発表しているベースのAnders Jorminと、控えめながらセンスの良さを感じさせるドラムスのJon Falt。ECMの看板プレイヤーたちも相応の年齢に達しており、1944年生まれのBobo Stensonもその例外ではありません。しかし、そのピアノの響きは瑞々しく、抒情的な流れに身を任すような展開が多いとはいえ、こちらの期待を充分に満足させる出来栄えに仕上がっていると思います。そして、感謝の気持ちを抱かせるアルバム。

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     2012/11/05

    Manfred Eicher氏がどのような意図でこのアルバムをリリースしたのか、私には知る由もありませんが、例えば経営的判断からと思われても仕方ないかもしれません。ECMでなければリリースできない作品かというと首を傾げる方も多いと思います。それほど、本作はECMのレーベルカラー(というものがあればですが)から遠い印象を受けました。どこかのテーマパーク会場の賑やかしイベントで、万人向けのビッグ・コンボ演奏を聴いているような感じ、と言えば反発がくるとは思いますが。ただ驚くのは、1939年生まれというEnrico Rava。マイケル・ジャクソンを取り上げるとは驚きですし、風貌も、相変わらずカッコいい。もちろん、そのトランペットのハイトーンも健在です。

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     2012/07/15

    YMO⇒細野晴臣⇒Exoticaという図式が成立するなら、本作の成功は企画段階で約束されたようなものだったと思います。特にSIMOONは、そのまんま細野さんのソロアルバムに収められていてもおかしくないくらい、はまってます。私はLIMBOあたりから、下半身が勝手に動き出しましたが、THE MADMENとかMUSIC PLANSなんて難しそうな曲も、Senor Coconut(Atom Heart)の手にかかれば、国籍不明のそれこそチャンプルーのようなサウンドに大変身。
    原曲の良さもあるのでしょうね。久々に、本家YMOが聴きたくなりました。

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     2012/07/04

    SANTANAのこれまでの功績を考えると、それはもちろん不満が残る作品だとは思います。しかし、新人、又は無名のバンドの処女作として聴けば、これはかなりの傑作ということになるのでは、とも思います。常に期待が大きすぎる我々に責任があるのかもしれません。反論がある方は5曲目を聴いてからどうぞ。Santana翁にはあと何年も何年も頑張って、作品をリリースし続けてほしいと思います(高中氏の代弁者として)。

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     2012/07/01

    ECM復刻シリーズ(同じアーティストの過去の一時期の作品数枚を組み合わせた簡易ボックスもの)にしては珍しく、未発表ライブが添えられています。そして、これが最大の聴きもので、なぜ、今までお蔵入りになっていたのか不思議なくらいに良い出来栄え。本編の2枚組Odysseyが、どこかメリハリがなく、感情表現の垂れ流しのように聴こえてしまうほどです。In a Silent Way以降のMiles Davisに多大な影響を受けたに違いないTerje Rypdalが、単なる真似ごとではなく、もがき苦しみながらも、ひとつ上の次元に這い上がった貴重な記録がここにあると思います。

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