Johannes-Passion : Marc Minkowski / Les Musiciens du Louvre Grenoble (2CD)
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mimi | 兵庫県 | 不明 | 13/October/2017
2014年秋(でしたか)に発売予告され、すぐ予約したものの、繰り返す発売日延期の末に、いったん発売中止の告知までされてたMinkowskiのヨハネ受難曲が、3年経ってようやく陽の目をみました。すったもんだの事情がなんだったのか、一切説明が無いので判りませんが、ミサ曲ロ短調で、粗削りながら非常に新鮮な演奏であっただけに、聴けるようになったのは喜ばしい限りです。演奏は基本的に全集版に依拠しており、ロ短調ミサの時もそうであったように(あの時は歌手10人でした)、OVPPに準じながら、各パート二人まで許容して、コラールや群衆合唱などはかなり声部に厚みを持たせており、数年前に出たHaller/La Chapelle Rhenane、Pierlot/Richercar Consortなどとほぼ、同じ方式です。Minkowskiは特にHallerと同様、かなり群衆合唱の効果を重んじているようで、正直、OVPPとはほぼ言えない位の補強をしているようにも感じられます(同じフランスだからでしょうか?)。実は演奏の方向性もHaller盤と同一のようで、徹底的に劇性を第一にして、特にヨハネで特徴的な群衆合唱の連続を山として、非常に激しいテンポ変動、強弱、リズムの煽りを持って、ヨハネに多く含まれる狂奔とも言える場面を強調していきます。当然の事ながら、EvangelistやJesusの言葉の静的な部分は影を潜め、群衆の狂奔に対抗するかのような感情的な語りが前面です。こうしたヨハネは、もちろんOVPP以前からも多くあったし、それを好まれる聴者も多いようですが、一方であくまで聖句の性格と内容を伝えることに専心した静的なヨハネ受難曲(それはとりもなおさずヨハネ福音書の本質でもある)の美しさと感動は、到底望むべくもありません。音楽的にみても、群衆合唱で多用されるフーガ形式を中心とした、多声的構築が全く表出されず、すべてがまるで一部のハードロックのような勢いだけの音楽になってしまっており、同じOVPP(各パート一人だった!)によるKuijken盤の、全く外見上の激しさはなくとも、まるでまるでルネサンス時代のマドリガーレのように精緻で美しい群衆合唱(そこにあるのはただただ聖句のテキストに内在する秘められた激しさのみ!)とはあまりにレベルが違いすぎます。もちろん他の部分においても、独唱、合唱、器楽演奏すべて、部分的に美しさはあっても、全く縦の線の揃わない、Bach音楽構造の再現が二の次の粗い演奏です。マタイと並ぶBachの西洋音楽史上の遺産としてのヨハネ受難曲の真価には、少なくともまだ遠く及ばないのではないのでしょうか。「ヨハネ受難曲」にあくまで劇性のみを求める方向きの演奏かと思われます。1 people agree with this review
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clara | 愛知県 | 不明 | 15/August/2014
期待して聴いてみたいと思います。ヨハネ受難曲の終曲の美しさはいかばかりかしら?6 people agree with this review
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