Des Knaben Wunderhorn: Bernstein / Concertgebouw O Popp A.schmidt
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つよしくん | 東京都 | 不明 | 23/March/2011
バーンスタインならではの至高の超名演と高く評価したい。「子供の不思議な角笛」は、マーラーが同名の民謡詩集から選んで作曲した歌曲集であるが、同歌曲集を構成する各歌曲が有する諧謔や皮肉、そしてユーモアに満ち溢れた独特の内容は、交響曲第2番〜第4番のいわゆる角笛交響曲にも通底するものと言えるのかもしれない(「さかなに説教するパトバのアントニオ」や「原光」の旋律については、第2番に活用されている。)。バーンスタインのアプローチは、同歌曲集においても、これら角笛交響曲で行ったアプローチと何ら変わるところはない。その表現は濃厚さの極みであり、緩急自在のテンポ設定や思い切った強弱の変化、粘ったような進行や猛烈なアッチェレランドの駆使など、考え得るすべての表現を駆使して、曲想を濃密に、そしてドラマティックに描き出していく。各歌曲毎の描き分けも見事に行っており、あたかも歌曲集全体が一大交響曲のような雄大なスケール感を有しているのが素晴らしい。バーンスタインがこれだけ自由奔放な指揮を行っているにもかかわらず、歌曲集全体に纏まりがあるというのは驚異的であり、これは、生粋のマーラー指揮者であるバーンスタインだけが成し得た圧巻の至芸と言えるだろう。そして、このようなバーンスタインの壮絶な指揮に適度な潤いと奥行きを与えているのが、コンセルトヘボウ・アムステルダムによる名演奏と言うことになるだろう。同オーケストラは、シャイーが音楽監督になってからはその音色が随分と変化したとも言われているが、本盤の録音当時は、北ヨーロッパのオーケストラならではのいぶし銀の深みのある音色を誇っており、ここでもそうした同オーケストラの持ち味を活かした好パフォーマンスを発揮しているのが見事である。独唱のポップとシュミットも最高の歌唱を行っていると言えるところであり、この諧謔と皮肉、そしてユーモアに満ち溢れたマーラーの歌曲の独特の内容を見事に表現し尽くしている点を高く評価したい。1 people agree with this review
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