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Verdi (1813-1901)

Blu-ray Disc Un Ballo in Maschera : Erath, Zubin Mehta / Bavarian State Opera, Beczala, Petean, Harteros, etc (2016 Stereo)

Un Ballo in Maschera : Erath, Zubin Mehta / Bavarian State Opera, Beczala, Petean, Harteros, etc (2016 Stereo)

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    村井 翔  |  愛知県  |  不明  |  18/June/2017

    オペラにおける演出の重要性を今更ながら痛感させられる、目覚ましいプロダクション。『仮面舞踏会』はCDもDVDも持っていたが、私にとってあまり興味を惹かれるオペラではなかった。ちょっと面白い作品かもと認識を改めさせられたのはメト2012年のデイヴィッド・オールデン演出だったが、これはそれを遥かに凌ぐ出来。前奏曲の間に夢の中でリッカルドがウルリカからピストルを手渡され、それを頭に当てる様をパントマイムで見せる。つまり、彼が危険な不倫にのめり込み、暗殺の警告を再三、無視するのは死に対するオブセッションのせいというわけ。これだけで、下手をすれば能天気な色ボケおじさんに見えかねぬこの人物が俄然、彫りの深いキャラクターになる。舞台は最後までそのままで、すべてリッカルドの寝室の中。すなわち、あらゆるドラマは彼の心の中で起こったことになる。レナートが初登場シーンからリッカルドにピストルを向けるのも、既に三角関係を自覚している彼にはそう感じられるから。腹話術人形を使って、常に仮装している(ズボン役である)オスカルがリッカルドの分身であることを示すのも秀逸。ウルリカの死の予言は当然、リッカルド自身の無意識の声だ。第2幕では愛の二重唱の最中にレナートがベッドから起き出してくるのが面白いし、第3幕でオスカルがリッカルドの仮装(正体)を明かしてしまう際に男装をやめて女性に戻ってしまうのも理にかなう。刺された後のリッカルドがなぜこんなに長く歌えるという演出家泣かせの課題を鮮やかに解決してしまった幕切れまで、アイデア満載の素晴らしい演出。 ベチャワはいつも通りスタイリッシュに歌っているが、細やかな心理的綾の表出を求められる演出に応じて巧みな演技を見せる。ハルテロスはまたしても完璧。技術的にも、キャラクターの表現としても申し分ない。ペテアンは100%満足とは言えないが、レナートはイヤーゴのような悪魔的なキャラではなく、ただ愚直で直情的なだけの男だから、これでも構わない。いつもはユルユルで緊張感のかけらもないメータの指揮も演出のおかげで随分、聴き映えがする。メト版での切れ味鋭いルイージの指揮にもさほど聴き劣りしない。前述の名前からも分かる通り、ボストン版による上演。

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