Piano Sonatas Vol.2 : Mejoueva (2CD)
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QBE | 不明 | 不明 | 28/October/2015
一年余り前にリリースされた第1集と同じく古典派ロマン派の視座に立つ演奏。ロマンティックな陰影が濃く、心に深く沁み入ってくる。それでいてテンポのコントロールが絶妙なので古典の枠を踏み外さない。思えば20世紀の後半に現れたグールドのモーツァルトは、当時の世相を反映して未来の可能性を感じさせる演奏だった。これに続く古楽器派のモーツァルトにしても、それまでの演奏様式を革新するスタイルを提示した点では同じだった。対してメジューエワのモーツァルトは、グールド以前の、半世紀以上前の様式に先祖返りしているように見える。しかし、21世紀に生きる演奏家が旧態依然としたロマンティシズムを素朴に信じられるものだろうか。ましてや、亀山郁夫等と対話する知性の持ち主である彼女のこと。その演奏に耳を澄ますと、ロマンティシズムを演出するために、注意深く選ばれた音の羅列が見て取れる。それは、ときどきの感情に任せて弾きまくるスタイルの対極にあるものだ。である以上、むしろ今風の言葉を使って、その古典派ロマン派の演奏様式は一周回って再帰的に選び取られたものというべきかもしれない。しかし、再帰的であるということは、テンネンに振る舞うのと異なり無理が生じる。その軋みに耐えて、彼女はどこに向かおうとしているのだろうか4 people agree with this review
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