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Mahler (1860-1911)

SACD Symphony No, 2, : Inbal / Tokyo Metropolitan Symphony Orchestra, Nadelmann, Vermillion, Nikikai Choir (2SACD)

Symphony No, 2, : Inbal / Tokyo Metropolitan Symphony Orchestra, Nadelmann, Vermillion, Nikikai Choir (2SACD)

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Showing 1 - 15 of 15 items

  • ★★★☆☆ 

    優秀録音求む  |  東京都  |  不明  |  26/April/2015

    好印象のレビューが多い中で、恐縮ですが、みなさん、指揮者のうなり声は気にならないのでしょうか? 私は非常に気になります。気になりすぎて音楽に没頭できません。 録音スタッフの誰もが「静かにして振ってください」と言えないのでしょうか? 確かにそれさえなければ、かなりいい線いっていると言えます。 録音は非常に鮮明ですが、奥行きの表現は差ほどではありません。 さらに歌のソリストにはかなり注文を付けたくなります。 第4楽章は名だたる名演の中では劣るといわざるを得ません。 ヴィブラートは過剰だし、音程が不安定な部分もあります。 都響は大好きですし、聴きによく行きますが、上記指摘した部分が残念です。

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  • ★★★★★ 

    ほんず内閣総理大臣  |  北海道  |  不明  |  04/February/2012

    絶好調のインバルさんと東京都交響楽団のコンビ、この「復活」も実にすばらしい出来栄え。特にすばらしいのは何と言っても第1楽章。全曲ラストのあの壮大なクライマックスを必要とするほどの、超巨大な問題提起でなければならないこの第1楽章。H・V・ビューローが「これに比べれば『トリスタンとイゾルで』もハイドンの交響曲のようだ」と言ったという有名なエピソードがありますが、まさしくそれほどの巨大な内容。インバルさんはまさしくそれを正面から受け止めて、思う存分表現しました。咆哮も抒情も、いずれも文句なし、圧倒的な演奏です。流麗な歌も楽しい第2楽章、気分転換の妙を聴かせる第3楽章を経て、天国への憧れをしみじみ訴える第4楽章も大いに聴かせます。そしてフィナーレ。オーケストラをちゃんと開放してあげつつ、もちろん手綱はしっかり締めて、最後の大合唱で見事なクライマックスを作ります。ライヴのせいもあるのかな、弱音部にはさほど拘泥せず、むしろしっかり音を鳴らして表現することを心がけているように推測されます。どこをとっても、確かにインバルさんが「指揮」している、そういう様子がよくわかります。東京都交響楽団はこれまでのディスクと同様、見事な能力を発揮し、実に立派であります。音色としてはいささか美感が不足という気もしますけど(実演だとそうは思わないのですが)、別に欠点ではありません。録音はいつもながら超優秀。マスをとらえて迫力満点。打楽器の地響きするような音はすごいね。オケの細部も、声楽陣もいいバランスでしっかり聞こえます。さて、この「復活」という曲について、「名演」という言葉は、たとえばワルター&ニューヨークフィルやヤンソンス&オスロフィルのような曲の美しさを素直に堪能させてくれる演奏に対して、私は使いたいですね。バーンスタインやテンシュテットの場合は「凄演」、ヤンソンスの新盤は「美演」、あとはレヴァインの「暴演」、などなど、いろいろあります。このインバルさんの新盤は、「壮演」という語でどうでしょうか。「壮」という語は、「気力充実。さかん。勇ましく立派」という意味があります。このディスクに聴ける演奏の特質としてはピッタリかなあ、と個人的には想うところであります。(^_^)

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  • ★★★★★ 

    symphony No.5  |  三重県  |  不明  |  07/August/2011

    この第2番も基本的にはフランクフルト放響の演奏とコンセプトは同じであるが、よりテンポを速めて緊張感のある演奏になっている。その結果、この曲のもつ悲劇性と狂気に満ちた心の変化、壮大さが真に迫って来るようなすばらしいものになっている。 特に、都響の能力の高さには脱帽する。間違いなく海外を見渡してもマーラー演奏のトップクラスのオケの一つであると断言できる。2011年という年は海外のオケはあてにならないことが分かった。そんな中、このようなオケが国内にあることを誇らなければならない。 一言付け加えれば、このCDは1枚には収まらなかったのか?

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  • ★★★★★ 

    馬羅  |  愛知県  |  不明  |  03/August/2011

    インバルは、70年代に来日した際の5番が、バーンスタインをもっと若くしたような透明で剃刀のように切れ味の鋭い演奏で、次はこの人の時代だと期待したのだが、DENONのマーラーシリーズが始まった頃にはすっかり落ち着いてしまい真面目だがインパクトの弱い演奏になってがっかりしてしまった。都響との6番もマルチCHなのに音が抜けきらずもどかしい思いをした。この復活は、2CHのくせに高いので「これを買うならジョルダンを買う」と言い聞かせて、実は両方とも高くて諦めようとしていたがちょっと安くなったので思い切って同時に購入しました。とにかく、聴き始めて何かとてつもなく重くて動かせない物をそれでも無理やり動かそうと押し続けるような弦の圧力に、これが本当に日本のホールで演奏されたの?とにわかには信じられないくらいです。ジョルダンとは、正反対で大地にしかっりと根を張ったようなどっしりとした演奏です。もちろんラ○ルのような表面的な効果などには目もくれません。クライマックスでも、天上の響きではなく、何か巨大なものを持ち上げるような、例えるなら漫画「うしおととら」の日本列島を支える要石のような力に満ちています。知らないうちに、拳を握りしめて「がんばれ日本」と叫んでいました。

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  • ★★★★★ 

    錦糸公園  |  東京都  |  不明  |  04/April/2011

    この演奏は凄い。曲の始まりから、これはと引き込まれてしまった。録音の素晴らしさも手伝って、インバルがこのスコアを完全に手中に収めきっていることが 全曲を通じて隅々から伝わってくる。都響も指揮によく答え緩急自在に演奏しており、感心した。音のバランスや各パートのバランスも最高で、スコアが透けて見えるかのごとく、いろいろな動きが聞こえてくる。このシリーズが絶賛されている理由がよく分かった。これを聞いてしまうとラトルの演奏が何かぬるい感じがしてしまう。20年近く前に東京文化会館で同じ組み合わせで復活を聞いて感動したけれども、時を経て、格段に進化した演奏の記録に拍手しないではいられない。

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  • ★★★★★ 

    音楽遊人  |  千葉県  |  不明  |  24/March/2011

    オケの技量で比較したら、同時期に発売された、BPOやRCOに劣るのは確かに仕方がない事です しかし、それを凌駕するほどの、この熱演には最大限の賛辞を贈りたいと思う 買って損は無し

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  • ★★★★★ 

    inbalist  |  東京都  |  不明  |  01/March/2011

    都響が世界に冠たるマーラー・オーケストラになったことを高らかに宣言する名演である。レコ芸で宇野コーホー大先生も絶賛していた(以前のインバルのCDに対する冷ややかな評価を思い出すと同一人物とはとても思えない)が、本当に、贔屓目なしに歴代の「復活」の録音の中でも屈指の出来だ。チェコフィルのマーラー5番も大いに結構ですよ。中欧に本物のマーラーあれば東京にも本物のマーラーがあるのです。別にインバルも都響が本物でないと思っているはずがないですよ。このレベルからして。しかもインバルはチェコフィルの常任でもあるのだから、最も得意なマーラーで録音するのは当たり前でしょう。余りこういうことは言いたくないが、インバルの年齢も考えれば、少しでもたくさんの録音がしかもエクストンの優秀な音質で残ることを喜びたい。オクタヴィアのツイッターを見るとチェコフィルで7番も録音したようですね。都響もますます頑張れ!!

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  • ★★★☆☆ 

    ushio  |  東京都  |  不明  |  23/February/2011

    名演だ。メータ&VPOの牙城に迫る出来といえよう。しかし、間もなく発売される「5番」は、なぜかチェコフィル。EXTONさん、どういうことですか?きちんと説明してください。確かにフォンテックから都響盤は出ていますが、新録音は都響で統一してくださいよ。クーベリックのベートーヴェンやバーンスタイン・ブーレーズのマーラーのように、全集でオケをころころ変えるのはよくない。さらにインバルのコメントも?だ。「中欧での本物のマーラーを、自分の最高の理想のものとしたかった。」じゃあ、都響は何なのですか?全く理解できない。あと、都響を応援するならまずチケットを買ってください。CDの収益は、ほとんど楽員に還元されません。オタクはCDを捨て、ホールに行こう。

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  • ★★★★★ 

    Fostex で聴いてます  |  徳島県  |  不明  |  14/February/2011

    復活の注目盤のリリースが続いていますが、期待をもって購入しました。SACDで聴きました。まず録音が素晴らしいのに驚きました。ライブ一発録りとは思えない完成度の高い録音で、2chなのにスピーカーの外側まで広大な音場が拡がります。ホールに響く残響まで繊細に捉えているのに、聴衆のノイズの少なさも驚き。終楽章の客席のくしゃみなど、デジタル処理で目立たなくしたのかと訝るほど。インバルの指揮振りも、曲を知り尽くしているという感じで、第1楽章の練習番号16以降のテンポ設定や、練習番号20のMolto pesanteの部分など「こうこなくては!」と快哉を叫びたくなります。オーケストラも素晴らしく、管楽器のソロやトランペットのハイトーンなど、急所がことごとく決まり、弦楽器の深い響きも聞き惚れます。オケの音程がきれいに揃っているので、むしろ独唱が、ビブラートが大きいのか音程が不安定なのか、聴いていてドキッとしました。終楽章の盛り上がりも素晴らしく、聴いていて感動しました。地方在住なので、首都圏のコンサートにはなかなか行けませんが、これからもSACDを買うことで都響を応援したいと思いました

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  • ★★★★★ 

    つよしくん  |  東京都  |  不明  |  12/February/2011

    インバルは、東京都交響楽団との間でマーラーチクルスを続行しているが、前作の第3番に続いて本盤も、この黄金コンビの好調さを表す素晴らしい名演だ。インバルは、かつてフランクフルト放送交響楽団と素晴らしい全集を作り上げた。当該全集では、インバルは劇的な要素をできるだけ抑制し、客観的な視点でマーラーがスコアに記した音符の数々を無理なく鳴らすというアプローチであった。インバル自身には、マーラーへの深い愛着に去来する有り余るパッションがあるのだが、インバルは演奏の際には、それをできるだけ抑制しようとする。それ故に、客観的なアプローチを取りつつも、いささかも無味乾燥な演奏に陥ることなく、内容の濃さにおいては人後に落ちることはない。しかも、抑制し切れずに零れ落ちてくるパッションの爆発が随所に聴かれ、それが聴き手の感動をより深いものにするのだ。ここに、インバルによるマーラーの魅力の秘密がある。東京都交響楽団との新チクルスにおけるアプローチも、基本的には旧全集と同様であるが、旧全集と比較すると、パッションの爆発の抑制を相当程度緩和しており(ライブ録音とスタジオ録音の違いもあるとは思うが)、これが新チクルスをして、旧全集よりもより一層感動的な名演に仕立てあげているのだと考える。かかる点は、近年のインバルの円熟ぶりを示す証左として高く評価したい。第1楽章は、冒頭のゆったりとしたテンポによる低弦による合奏の間の取り方が実に効果的。トゥッティに至る高揚は雄渾なスケールで、その後の高弦による旋律の歌い方は、思い入れたっぷりの情感に満ち溢れていて美しい。続く主部は、緩急自在の思い切ったテンポ設定、幅の広いダイナミックレンジを駆使して、実にドラマティックに曲想を抉り出していく。随所に聴かれる金管楽器の最強奏や雷鳴のようなティンパニは、圧巻の凄まじいド迫力だ。かつての自己抑制的なインバルとは段違いの円熟のインバルならではの成せる業だ。第2楽章は、オーソドックスな解釈であるが、弦楽器も木管楽器もこれ以上は求め得ないような情感の籠った流麗な音楽を紡ぎ出している。第3楽章は、冒頭のティンパニによる強打の効果的な間の取り方が、第1楽章冒頭の低弦と同様で実に巧み。その後も、ティンパニを始めとした打楽器群の活かした方は素晴らしく、打楽器を重要視したマーラーの本質を見事に衝いている。中間部の金管楽器のファンファーレにおける猛烈なアッチェレランドは凄まじい迫力であるし、その後に続く弱音のトランペットのパッセージのゆったりしたテンポによる歌わせ方は、正に天国的な至高・至純の美しさ。終結部のトゥッティのド迫力は、もはや言葉を失ってしまうほど圧倒的だ。第4楽章は、メゾソプラノのフェルミリオンの歌唱が実に美しい。それに合わせるかのように、東京都交響楽団も雰囲気満点の実に美しい音楽を奏でている。終楽章は、冒頭圧巻の迫力で開始される。その後は、ゲネラルパウゼや思い切った強弱の変化等を効果的に駆使しつつ主部に繋いでいく。主部への導入部のティンパニは凄まじい迫力。主部は風格豊かな堂々たる進軍だ。この部分は、下手な指揮者にかかると冗長さを感じさせてしまうのだが、インバルの場合は、緩急自在のテンポ設定、アッチェレランドの効果的活用、強弱の変化など、あらゆる至芸を駆使して実に濃密でドラマティックな音楽を構築しているのが素晴らしい。合唱が導入されて以降は、スケール雄大な壮麗さが支配しており、圧倒的な高揚と迫力のうちに、全曲を締めくくっている。独唱陣は、終楽章においても見事な歌唱を披露しており、二期会合唱団も大健闘と言える。何よりも素晴らしいのは東京都交響楽団であり、インバルの見事な統率の下、最高のパフォーマンスを示している。SACDによる極上の高音質録音も、本盤の価値を高めるのに大きく貢献しているのを忘れてはならない。

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  • ★★★★★ 

    norry  |  東京都  |  不明  |  12/February/2011

    インバルの「復活」は、私にマーラーを初めて理解させてくれた演奏である。もちろん、1985年のFRSOとの録音である。それまで、私はマーラーに疎かった。というより、他のどの指揮者のどの曲の演奏を聴いても、さっぱり理解できなかった。しかし、当時番号順に確か2か月に1度くらいの頻度で発売されていた(それ自体今でも他に例がない驚異的なことである)FRSOとのチクルスを、大学の友人から薦められ、最初に買ってみたのが「復活」であった。1楽章開始の弦のトレモロの音を聴いた瞬間、何かそれまで耳にした演奏とは全く次元の違うものを感じた。脳髄のすべての神経細胞に電流が走ったかのようであった。聴き進んでいくにつれ、あたかも、それまで全く聴き取れず、意味の分からなかった外国語の意味が手に取るように分かるような、そんな体験の中に自分がいるのを感じた。それは私に「啓示」としてマーラーの言葉が訪れた時であった。私は、音楽そのものが、比喩ではなく存在として「言葉」そのものであるという、マーラーの音楽の革命的にして比類なき性格を、他の誰でもなく、インバルから教わったのである。それ以後、マーラーを筆頭とするインバルの演奏、録音は、私にとって常に導きであり続けた。そして四半世紀を経て、今度は都響によるこれまた比類のない録音が出た。この実演を妻子とともに聴くことができたのも、誠に感慨深い。「復活」という曲は、私の理解では、犯行を行わなかったラスコーリニコフの曲である。つまりこの曲の主人公である自意識過剰の青年は、現実の犯行に手を染める代わりに、音楽の中で、自らを滅ぼし、そしてその再生を希求したのだ。インバルの「復活」の1楽章は、そんな自意識過剰の青年の危険極まりない自意識の刃そのものである(ハンス・フォン・ビューローはその刃を感じ、拒否したのだろう)。2楽章は自意識の夢想であり、3楽章は自分を受け入れてくれない日常性への呪詛であり、4楽章は祈りであり、5楽章は自意識が自らの刃で滅ぶとともに、自己の全エネルギーを再生への希求として放出するドラマだ。人によってはこの5楽章の力みかえった、「こけおどし」的な性格を嫌う人もいるが、インバルの、徒な描写的表現に走らない、極めてストレートでかつ精密な演奏では、そうすることで自己の自意識からの救済を企図せざるを得なかったマーラーの内的必然性が感じられ、極めて説得的である。ただ、今回の都響との演奏では、FRSO当時より年月を経てインバル自身がラスコーリニコフから遠くなっていることで、表現に余裕と、何よりも絶対的な自信が感じられる。あたかも、青春の「危機」から脱する道がここにある、と、慈父のように指し示してくれているかのようである。多少演奏論らしい話をすれば、とにかくインバルの演奏は、スコアに忠実である。もちろんそれは盲目的な墨守とは次元の違う話である。御存知のとおりマーラーのスコアには、強弱やテンポの指定のみならず、コル・レーニョ、グリッサンド等の特殊奏法、別働のバンダ等細かい指示がゴマンとあるのだが、インバルは、スコアのどの部分を縦に切っても、その瞬間における音響の全体像を押さえた上で、それぞれの楽器に対する指示が具体的にどのような意味を持つのかが徹底的に考え抜かれ、かつ正確に実践されている。残念なことにほぼ同時期にリリースされたラトル・BPOの演奏も例に漏れず、部分的に特異な響きを強調したり、特異なテンポを取ることがマーラー解釈であると誤解している指揮者が多いが、インバルはいかなる演奏をするときにもそのような愚かなミスを犯すことはない。なぜなら、どんな指示に基づく音響も、スコアの縦の線の中での位置づけを明確に認識した上でなければ音にしないし、また、前後(横の線)との関係でテンポも考え抜かれているからである。そうでなければ、マーラーがスコアに徹底して意識的に刻み込んだ「言葉」が伝わるはずがないのである。アドルノの碩学を待つまでもなく、マーラーの音楽は「書かれたもの」なのである。私は、ときどきインバルの演奏が一つの巨大な「文字」に感じられることさえある。それは恐らくユダヤ教の精神世界とも通じるものなのであろう。本演奏では、声楽の素晴らしさも讃えなければならない。ナーデルマンは本当に清らかな乙女のような声であるし、フェルミリオンの深く優しい声は、マグダラのマリアを連想させる。二期会合唱団の精密な声のコントロールも見事である。そしてまた最後になってしまったが、都響の精密極まりない、しかしエネルギーに満ち溢れた白熱の演奏は、(何度も引き合いに出して申し訳ないが)ラトルの振るBPOを明らかに凌いでいる。インバルが振るときの、合唱を伴う大オーケストラのクライマックスでは、あたかも超新星爆発のような膨大なエネルギーの放出を素粒子レベルで見通せるような、極端な規模の大きさと極端な精密さが同時に実現される(特にFRSOとのシェーンベルク「グレの歌」の終結部!)のであるが、今回の都響の演奏も全くそのとおりの成果を実現している。実は、この演奏の終演後、会場のサントリーホールの前のアークヒルズのレストランで家族で食事をしていたら、演奏を終えた都響の方々がやってきて、ちょうどその日にやっていたワールドカップの日本・オランダ戦をテレビ観戦して大いに盛り上がっていた。私にもしもう少し財力があったら、彼らにこの演奏への感謝を込めてビールを一杯ずつ奢りたかったところである(あるいはブルックナーがVPOにしたように揚げパンか?)。彼らの充実感に満ちた笑顔は忘れられない思い出でもある。いずれにしても、今後もインバル・都響の快進撃はまだまだ続くようだ。この幸福は何にも代えがたい。

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  • ★★★★★ 

    七海耀  |  埼玉県  |  不明  |  10/February/2011

    インバルと都響のマーラーサイクルの録音は6番から始まったと記憶しているが、あの時フォンテックからリリースされたディスクは、録音が妙に冴えず、8番が出た時はエクストンに変わっていた。この「復活」だけれど、第一楽章からルバートを多用し、インバルなりの自己主張がある。2人の歌手が今一つという気もしないではないが、合唱は充実している。終楽章のマーチも、弦の刻みが克明で、かなり微に入り細をうがった表現となっているが、全体像を見失うようなことはない。バーンスタインやテンシュテットのような巨大な表現ではないが、最後は、当たり前に盛り上がる。およそ、復活の演奏で、あそこで「盛り下がる」のでは話にならない(そういう演奏が稀にある)。録音は、サントリーホールということもあり、ややマスで捉えた感じだが、オフ気味ということはなく、インパクトは十分ある。ライブ録音だが、都響の技術は万全であり、ライブでこれだけのマーラーを聴かせるとは、流石日本を代表するマーラーオケである。拍手入り。

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  • ★★★★★ 

    たくぽん  |  東京都  |  不明  |  07/February/2011

    自分が聴いた演奏会のライヴCDのレヴューを書くとき、いつも考えるのは「一リスナー」と「当日の演奏を聴いた人間」、どちらの立場から書けば良いのかということなのだが、今回は特に悩ましかった。6/19、サントリーホールで聴いた演奏と、CDの印象があまりに異なっているからだ。どちらが良い悪いということではないのだが、CDの方がかなり熱演風なのである。インバル/都響の演奏では、前にもこういったことはあったのだが、今回ほどこの差が顕著なのは初めてであり、その充実度と熱気に吹き飛ばされそうになりつつも、「ここまでだったか?」と自問している自分がいる(ちなみに前作の「3番」では、オンマイク気味の録音のせいだろうと決めつけることができたが、この「2番」は残響音もよく録られており、なかなか結論に達することが出来ない)。さて、肝心の演奏内容については、リスナーの皆様の期待通り、演奏最高・録音最高・ライヴ感満点と三拍子揃った、比類ないものだ。特にこのシリーズにおいて、声楽付きの作品では、これまでオケ側は最高の演奏をしているのに、合唱・独唱の発音の問題や声量の乏しさが演奏の魅力を減退させていることがあったので、独唱にドイツ語圏の名手を迎え、よく鍛えられたプロ合唱団を迎えた今回の演奏は、総合的な観点から見て「完全無欠の大名演」と称して何の躊躇いもない。特に、第1楽章第1主題が回帰する箇所で、あざとさの一歩手前のスローテンポのコントラバスから始まり、ホルンのコラール風旋律などが織り交ぜられるにつれてテンポを上げ、自然に音楽を高潮させていく手腕は、流石はスペシャリストと言えよう。また、終楽章行進曲部にてテンポを落として奏される弦楽の、他を圧するような厳然とした響きも本当に見事だ。しかしこの演奏の真骨頂は、やはり圧倒的なクライマックスである。合唱とオーケストラが一体となって同じ旋律を繰り返しながら頂点へ向かっていくが、都響は疲れを見せるどころかますます音色の輝かしさとパワーを増していき、遂に感動的に示される「復活」動機では、インバルは金管群にベルアップをさせ、脳天に直接音を刻み付けられるかのような衝撃を与えてくれる。 威風堂々と終結音がホールに響き渡った後、間を置いて放たれる凄まじいテンションのブラヴォーは、日本のオケで聴かれる最大級のものではないだろうか? 在京オケを愛する一ファンとして、このディスクを出来る限り多くの方に、特に海外団体至上主義者の方に聴いて欲しい。水準の高さに目から鱗が落ちること請け合いだ。

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  • ★★★★★ 

    giresse82  |  徳島県  |  不明  |  29/January/2011

    噂に違わぬ名演でした。本当に素晴らしい。 繊細さ、鳴り方ともに申し分ありません。パーヴォヤルヴィのも素晴らしいけどそれ以上に思いました。

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  • ★★★★★ 

    ケロヨン  |  東京都  |  不明  |  09/January/2011

    インバル指揮、都響で演奏されたマーラーの交響曲の中では本演奏が最高だと思います。インバル氏は80年代にフランクフルト響を指揮したマーラー交響曲全集を残していますが、これまでの都響との演奏では残念ながらこれを超えるものはありませんでした。先日発売された2010年6月のマーラー3番もそれなりに良い演奏ですが、フランクフルト響との差は否めません。しかし、本演奏では冒頭から(失礼ながら)「本当に都響?」と思わせる迫力と緊張感そして流麗さを持ち併せた素晴らしい演奏でフランク〜に優るとも劣らない名演でした(但し、合唱陣は除きます)。インバル氏と都響の信頼関係の構築が名演の礎になっていること感じられ、大変嬉しく感じると同時に今後が楽しみです。演奏後の聴衆の喝采の大きさが演奏の素晴らしさを証明しています。都響公演でこれ程大きな喝采は記憶にありません。お薦めです。

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