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Mahler (1860-1911)

CD Sympnony No.9 : Rattle / Berlin Philharmonic

Sympnony No.9 : Rattle / Berlin Philharmonic

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  • ★★★★★ 

    宗仲 克己  |  東京都  |  不明  |  01/January/2022

     マーラーの交響曲第9番の録音史を振り返ると、現在までに最も多く録音しているオーケストラはベルリン・フィルで、その回数は11回である。続いて、ウィ−ン・フィル、ウィーン響、フィルハーモニア管(ニュー・フィルハーモニア)、バイエルン放送響がそれぞれ8回、ニューヨーク・フィルが6回、ロンドン響、南西ドイツ放送響、チェコ・フィル、イスラエル・フィルがそれぞれ5回、コンセルトヘボウとスウェーデン放送響がそれぞれ4回で続いている。シカゴ交響楽団は意外に少なく、ジュリーニ、ショルティ、ブーレーズの3回のみであるが、いずれもオーケストラの実力を遺憾なく発揮した超弩級の名演奏である。日本のオーケストラでは、都響、新日本フィル、大阪フィルがそれぞれ3回で並んでいる。  マーラーの交響曲第9番をベルリン・フィルと録音した指揮者は、バルビローリ、バーンスタイン、カラヤン(4回・非正規盤を含む)、シャイー、アバド(3回) 、ラトルである。ベルリン・フィルによる交響曲第9番の録音は、いずれも話題性に富んでいる。その中でも私が一番に推したいのはラトル盤である。2007年10月24日から27日にかけてのライヴ録音だが、本HMVのサイトでもレビュアー諸氏が賞賛しているとおり、瑕疵のない、まさに完璧な演奏である。ヴァイオリンを両翼に配置して臨んだベルリン・フィルとラトルの集中力が伝わってくる。演奏時間はすべての楽章で中庸であるが、ラトルらしいテンポの緩急のメリハリもある。ラトルとベルリン・フィルの演奏の音楽性は、凡庸さとは無縁である。  第1楽章の呈示部の終局の102小節以降は、総譜にAllegro と指示されているとおり、激しくテンポを速める。私個人としては、Allegro という指示にもかかわらず、あえてテンポを上げない演奏を好むが、ラトルのこの表現は正統であろう。ラトルとベルリン・フィルの凄さは、全編にわたって隙のない緻密な演奏を繰り広げながら、要所要所でマーラーの意図をきわめて的確に表現しているところである。例えば、第1楽章の148小節以降のヴァイオリン(p(p) aber ausdrucksvoll)、163小節以降(Allmahlich fliessender) 、267〜270小節のヴァイオリン(sehr zart, aber ausdrucksvoll hervortretend) 、347小節(molto espress.) 434小節以降(Wieder a tempo aber viel langsamer als zu Anfang 〜 Zogernd)、第3楽章の347小節以降のエピソード、第4楽章の冒頭の2小節(Sehr langsam und noch zuruckhaltend)、56小節(lang gezogen)、122小節のヴァイオリン(viel Bogen)、185小節(ersterbend)などをあげることができる。 (以上、表示の制約のため、Umlaut を省略。)  交響曲第9番は、マーラーが完成した最後の交響曲となった。マーラーが創作力の絶頂期を迎えつつある時に、極度の集中力をもって作曲した最高傑作である。この作品を貫く孤高の精神、圧倒的な強靭さと品格の高さを、ラトルとベルリン・フィルは、知性と感情のバランスをとって、深い共感をもって表現している。録音もディスクの音質も優秀である(SACD)。交響曲第9番を初めて聴く方にも、ある程度聴いている方にも、まちがいなくお勧めできる名盤である。  私が交響曲第9番の録音について本HMVのサイトでレビューさせていただくのは、ジュリーニ/シカゴ交響楽団、マゼール/フィルハーモニア管弦楽団に次いで、このラトル/ベルリン・フィルが3回目である。これらが私が選ぶベスト3だ。マーラーの交響曲第9番は傑作であるだけに、優れた演奏が非常に多い。私のライブラリーは、交響曲第9番だけですでに140種類を超えている。あれこれ引っ張り出しては、じっくり鑑賞するのが私の楽しみのひとつである。

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  • ★★★★★ 

    てつ  |  東京都  |  不明  |  21/May/2016

    この「演奏」は本当に凄い。集中力と技術の勝利である。冒頭から消え入る最後まで一つとして「しまった」がない。考えてもみて欲しい。この曲が持つ意味、長さ、演奏の困難さ、それらを全て分かった上でラトルは、この楽団に厳しく要求し、楽団もそれに応えた。いくらリーダーが一人いきり立ってもメンバーが応じないと成果にはならない。メンバーが良くてもリーダーの方向性がダメなら成果は程遠い。自分の仕事に置き換えて考えたら、この演奏の凄さはわかるはずだ。クラシック音楽としてここまでの精度の演奏をしたのは全盛期のムラヴィンスキーとチェリビダッケだけと思っていたがラトルはここまで成し遂げた。あのブラームスの演奏を思い起こせば、とても同一人物とは思えない。賛辞に賛辞を重ねたい。しかし、しかしである。小生は5年前にダルビッシュのもの凄い投球を見た。9回になってなおかつ156kmのストレートと116kmのカーブを投げ分け、打者は手も足も出なかった。完璧だった。この演奏も最後の最後まで完璧である。その時のダルビッシュもこの演奏も本当に凄いのだが、感動したかというとちょっと違う。ここまで細部に拘ると、往年の巨匠のようなフレージングはできない。物理的に無理である。おそらくこれだけ凄いこの演奏に対して、満足できないという声がこのレヴューでも散見されるのはそのせいでああろう。この「演奏」は完璧の先がまだあるかもしれないと知らしめた意味でも、間違いなく演奏史上に残る。

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  • ★★★★★ 

    音楽ばか。  |  北海道  |  不明  |  13/February/2013

    どうして今までラトルを始めとした現代の演奏家達の演奏を避けてしまっていたのか?世の中(日本が特殊?)に蔓延る巨匠崇拝や現代の指揮者は小粒だとか否定的な論調を見聞きしすぎた為なのだろうが、本当に勿体無いことだったと思う。 確かにBPhの常任指揮者だったカラヤンやフルトヴェングラーの演奏は素晴らしい(アバドは…うーん。)し、とりわけカラヤンはかなり好きな演奏家ではあるけれども、カラヤンを始めとしたいわゆる巨匠指揮者達の演奏が今では決して望むことの出来ないものであろうことと同様にこのラトルとBPhの演奏は昔の演奏家では決して実現できなかった類の演奏だ。 大体、技術的に非常に困難なマーラーの九番を少しは編集はあるだろうが、ライブでこれほどまでに完璧に演奏することがカラヤンの時代にできたのだろうか?技術的完成度が非常に高いカラヤン盤ですら凌駕している。技術に関しては確実に進歩し続けているのが現状。音楽とは決して技術のみで測れはしないにせよ、音の裏側にある人を感動させる何か…はまず第一に確固たる演奏技術をもったうえで論議される話であるのだが、傷がない演奏をすぐに冷めているだの、空疎だのと反射的に思ってしまうことが自分にも、そして他のリスナーにもいると思う。しかし私達がCD等で聴くオーケストラは基本的にプロフェッショナル。技術的な完璧さと内容の充実を両立させる必要があり、少なくともここでのラトルとBPhはプロフェッショナルとしての仕事を完璧にこなしていると言える。 それに今の演奏は過去の巨匠達が模索してきたマーラーの演奏様式の数々の上に立って演奏することができることも大きく、リスナーに過去の名盤と自分達の作品が比べられるデメリットがあるにせよ、演奏する側にも参考になる部分が多い。 この演奏も過去の演奏のいいとこ取りをしたように感じる(この点は旧盤が顕著だが)。 ラトル独自の表現にも事欠かず、特に2楽章の”極めて粗野に”の指示をここまで忠実に守っていると感じたのはこの演奏が始めてである。技術的に完璧なのにダサく演奏できるなんて実は物凄いことなのでは? しかし、ラトルが個性的な昔の巨匠と決定的に違う所は、演奏に個性的な表現は多々あるのだが、それに一貫性が無く(元々一貫性のないマーラーはホントにラトルにピッタリ)、ラトルその人の個性と感じられない所で、それこそがラトルが器用貧乏とか小細工野郎とか呼ばれる原因だろうが、この演奏以外にいくつかの演奏を聴いて感じたのは、「ラトルはすべての曲一つ一つに明確な個性を持たせている」ことで、すべての曲を自分の色に染めていた過去の巨匠達と違ってラトルはすべての曲一つ一つが全く違う。これこそがラトルの個性であり、彼の作品全てがどんな演奏か予測がつかない為、これからの録音が楽しみである。 この演奏は彼の代表盤に相応しい、僕にとっても最高の演奏の一つになった。ラトルとBPhに感謝。

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  • ★★★★★ 

    eroicka  |  不明  |  不明  |  30/January/2013

    以前、発売前に書き込んで、買って聴いてみてだいぶ経つ。表現の大枠はウィーンフィルとの録音と違わず、遅めのテンポをベースに大きくテンポの振幅させる演奏で、クールさの中に秘めた熱を感じさせるものだ。このCDではベルリンフィルの巧さにまず目がいき、純化した響きの中に表現の彫り深さや洗練が感じられるが、ウィーンフィル盤の方が人間らしい感情や感情がもっと素直に伝わり、甲乙つけがたい。

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  • ★★★★☆ 

    爺さん  |  千葉県  |  不明  |  07/December/2012

    なんとも上手い演奏ではある。文句の付けどころもなく素晴らしい。ただ、SPから復刻された音質であるワルター以上の感銘がないのは何故だろう?テンポとか聞かせどころとか自分のフィーリングにしっかりはまっているのにである。こればかりは言葉では言い表すことができない不思議な思いである。ずいぶん前に14型のモノラルテレビでマラ1を振っている姿を(オケはバーミンガム)見たとき、衝撃と高い共感で満たしてくれたことから、ラトルには過大な期待を持っている為かもしれない。ただ、これからも期待していきたい。

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  • ★★★★★ 

    直ちゃん  |  東京都  |  不明  |  20/June/2012

    2楽章の「レントラー(粗野に)」に、ラトルの才能を再認識した。要するに「テンポを変える」ことによって、この2楽章全体から「粗野」な印象を聴き取ることができるようにしたのだ!また、改めてこのオケの「表現力」の物凄さを感じ取ることができた。このオケは今後益々進化していくであろうし、我々が驚くような名演奏を披露してくれるに違いないと確信している。 マーラーの心の奥底に眠っていた「葛藤、死への恐怖」といった精神を見事に表現しているこの演奏の右に出る演奏が果たして何年後に出現するのだろうか?

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  • ★★★★★ 

    淳メーカー  |  愛知県  |  不明  |  04/February/2012

    この演奏、言葉を失います。過去の巨匠たちとは違ったステージでの名演であると思います。が、ラトル&BPOは進化(深化)の真っただ中。定期演奏会であるにもかかわらず、聴衆の熱狂的スタンディング・オウヴェイションを受けた「復活」に始まるチクルスでの第9は、この演奏を遥かに凌ぎます。チクルス最後を飾った「大地の歌」がアルトというのも貴重。確かに非常に完成度の高いマーラー全集をラトルはすでに世に問うていますが、EMIは断固として、アニヴァーサリー・イヤー・チクルスの全公演をSACD化、BD化し、一人でも多くのリスナーに現在のラトルBPOの凄さを知らしめるべきです(アンチ派の方々にも)。

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  • ★★★★★ 

    I amSterdam  |  東京都  |  不明  |  11/October/2010

    絶品。言葉もないほどです。ここでのマーラーは、感情の発露がむしろ内へ内へと向けられ抑えた表情に凝縮されて、最後には明鏡止水とも言うべき静謐な世界のもとへと音楽が収斂してゆくといった趣。感情を声高に叫ぶこともなければ、大仰な身振りもない。読譜の視座に「新しい眼差し」を感じ、マーラー演奏の在り方が新しい時代にふさわしいものへと変わったと痛感します。深く彫り込まれ美しく磨き上げられたディテールが全体の自然な流れと融合する構築性も見事な音楽には、フレージングやアーティキュレーション、そしてテクスチュアへの配慮をゆるがせにしないラトルの基本に忠実な姿を見る思いです。この彫琢も念入りな、しかし穏やかで静かな自然の流れに身を委ねているとやがて穏やかで清澄な心持ちになる。音楽を聴くこれ以上の悦びがありましょうか。音楽には音楽でなければ表せない何ものかがある。それを心得た音楽家の演奏はいたって基本に忠実なのではないか。そんな感慨を抱かずにはおれません。ラトルとベルリン・フィルの蜜月を思わせるこの演奏には、少なくともこの音楽が内包するひとつの実相が投影されていることだけは確かでありましょう。

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  • ★★★★★ 

    Mr.Johnson  |  北海道  |  不明  |  03/January/2010

    凄いの一言です。世界最高の演奏テクニックを兼ね備えてるベルリン・フィルの素晴らしいオーケストラ・サウンドがぎっしり詰まったこのCDは、最近購入した中ではベスト。音の情報量が多いためか、聞くたびに新しい発見があり全然飽きない。EMIの音質向上も素晴らしく、4,5年前とは別会社の様な音楽を聴かせてくれます。これからますます楽しみな ラトル、ベルリン・フィル and EMI です。私は大いに期待したいです。

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  • ★★★★★ 

    pauker  |  東京都  |  不明  |  17/October/2009

    久しぶりにベルリンフィルを聴きましたが 相変わらず上手いと感じました。彫りが深く精密で表情が豊か。指揮はアバドのカンタービレと正反対の方向で野太く抉ったロシア音楽でありながら、でも精緻さを失わない演奏。EMIの録音も東芝傘下のときより良くなったと思います。グラモフォンやデッカのような耳元で沢山聴こえることを求める人には不満でしょうが、この位が実際のホールトーンに近いです。

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  • ★★★★★ 

    ERINA  |  不明  |  不明  |  10/July/2009

    鋭く尖ったアイスピックで氷を砕くようなそんな感じを受けた。この曲を同じベルリンフィルを振ったバルビローリやカラヤン、バーンスタイン、アバドとは全然感覚が違う。これが最前線のマーラーなのだ。やはりラトルは才人、面白い。

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  • ★★★★★ 

    秋本潤一郎  |  東京都  |  不明  |  02/June/2009

    この曲のあまたの名盤の中でもこのCDはかなりの高水準ではないか。特に演奏技術は秀逸である。最後のersterbendでここまで完璧なアンサンブルはあまり聞いたことがない。 ラトルの”イジリ”を気にする方もいらっしゃるだろうが、私は彼の創意に軍配を上げたい。ただ聴後感としてバーンスタインのような感銘は受けなかった。

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  • ★★★★★ 

    つよしくん  |  東京都  |  不明  |  28/May/2009

    ラトルの大逆転ホームランだ。最近のラトルは没個性的な演奏、凡打の連続であったが、久々に彼の類いまれなる才能を思い知らされる名演が登場した。ベルリンフィルは、バルビローリ、カラヤン、バーンスタイン、アバドと第9の名演を残してきたが、ラトルのこの名演は、これら過去の綺羅星のような名演の列に連なる十分な資格があると思われる。それにしても、ベルリンフィルが現在でもこれほどまでの重厚な響きを奏でることができるとは思わなかっが、これはラトルの力によるもの。今後のラトルに大いなる期待をしたい。

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  • ★★★★★ 

    ほしな  |  大阪  |  不明  |  15/February/2009

    凄い演奏。感動した。100点満点です。

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  • ★★★★★ 

    筑前守  |  福岡  |  不明  |  17/December/2008

    不思議と私の心には沁み入る演奏です。この曲が好きになりました。ラトルの顔も好きです笑

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