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"Sym, 2, 4, 7, 9, Das Lied Von Der Erde, Etc: Klemperer / Po Npo Etc"

Mahler (1860-1911)

User Review :5.0

Item Details

Genre
:
Catalogue Number
:
2483982
Number of Discs
:
6
Format
:
CD
Other
:
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Product Description

クレンペラー/マーラー交響曲集(6CD)
交響曲第2番、第4番、第7番、第9番、大地の歌、歌曲
クレンペラー&フィルハーモニア管弦楽団、他
新リマスターで登場!


オットー・クレンペラー[1885-1973]がEMIにステレオ録音した定評あるマーラーをまとめた6枚組ボックス。2011年に発売され、当サイトでは4300本以上というベストセラーとなったフランスEMIのボックスと同じ選曲ですが、今回のボックスでは、その後イギリスで、日本のSACDのために制作されたリマスター音源と同等のものを各交響曲に使用しているため、クレンペラー好きには音の仕上がりが気になるところでもあります。

【クレンペラーのマーラー】
1905年、クレンペラーがまだかけだしだった頃、『復活』の初演指揮者でもあるオスカー・フリート[1871-1941]の演奏会の際、舞台裏アンサンブルの指揮をまかされたことがあります。リハーサルに現われたマーラー本人に、クレンペラーは自分が受け持った部分に満足しているか尋ねにいきました。ところが「まったく最低だ。あまりにうるさすぎる!」との答え。「しかし楽譜には“非常に高らかに”とある」とのクレンペラーの反論に対し、マーラーはこう答えました。「その通りだ。しかし、遠くかなたからだ。」クレンペラーはこの言葉を心に刻み、実際の演奏会では非常に柔らかく聴こえるよう努力しました。演奏会後、楽屋にやってきたマーラーは、クレンペラーを見つけて手を握り「素晴らしかった」と褒め称えました。クレンペラーいわく「それがどんなに嬉しかったか!」。それを機にマーラーとの親交が始まったクレンペラーは、ほどなくマーラーの推薦状を得てプラハのドイツ歌劇場の指揮者に就任、以後、実力を発揮する大きなきっかけを与えられることとなりました。
 そんな具合にマーラーに大恩あるクレンペラーですが、20世紀作品の紹介に熱心だったこともあってか、同じくマーラーの弟子だったブルーノ・ワルターとは、師の作品への好みや解釈もずいぶん違ったものになっていました。
 クレンペラーもワルターも、マーラー自身のリハーサルや本番を見ていたせいか、楽譜上の執拗なまでの但し書きにはあまりこだわらなかった点では共通していますが、クレンペラーはワルターほど情感表現には重きを置かず、きわめてシンフォニックなスタイルで一貫していたのが特徴的。
 フレーズに過剰な気持ちを込めることなく、あくまでも全体構成の一部として機能させながら、独特のパースペクティヴと細部情報の実在感を生み出すクレンペラーのマーラーからは、最期まで交響曲という伝統的な表現様式にこだわったマーラーの本音が見えてくるようでもあります。

【交響曲第2番】
マーラーとの出会いのきっかけともなったこの作品をクレンペラーは大切にし、戦後、各地で何度もとりあげていました。それらの多くは評判となり、これまでに計8種類もの音源がリリースされていますが、中でもこのEMIへのセッション録音は、充実した内容もあってすでに名盤として高い評価を得ています。
 第1楽章は冒頭から気迫に満ち、執拗なまでのコントラバスへのこだわりが有無を言わせぬ迫力を生み出す第1主題部を形成、第2主題部では無用な感傷を排して透明な美感を表出し、それらの明確なコントラストとリズム処理により、推進力に富む力強い音楽を展開。一方、第2楽章では、後半、ピツィカートに導かれる叙情的な部分でのあたたかな音楽にクレンペラーの作品への愛情が感じられるほか、錯綜としがちな長大な第5楽章では、骨太な表現で一貫、シンフォニックなまとまりの良さで作品を見事に仕上げています。

【交響曲第4番】
同じく弟子だったワルターは、第4番でも情緒纏綿とした表情を湛えた美演を聴かせていましたが、クレンペラーの場合は、第1楽章はどこまでも巨大で立体的で奥深く、第2楽章はまるで抽象化された戯画のようにグロテスクだったりユーモラスだったり懐かしかったり。続く第3楽章ではしっかりとした足取りで歩む人の覚醒した意識を示すかのようで、自然や世界の脅威描写も確実に受けとめられます。第4楽章ではシュワルツコップが雄弁に天上の生活を歌い上げており、その表情の過剰さがシニカルな作品の視点にふさわしく、「地上には天上の音楽と比較できるものは何もない...」と歌われるコーダでの陶然とするばかりの美しさとのコントラストも強烈です。

【交響曲第7番】
マニアには有名な問題演奏(?)で、第1楽章冒頭と第5楽章冒頭のトレモロが克明に聴こえる点に象徴されるように、とにかくどこまでも“見える(聴こえる)”演奏になっているのがポイント。
 良心的な指揮者たちがあれほど追いかけるのに必死になる執拗なまでの表情指定もおおむねオミットしてしまう図々しさは、マーラー自身のリハーサルに立ち会ったという自信の表明なのでしょうか?
 賛否両論まっぷたつの問題演奏ではありますが、第7交響曲に興味を持つ聴き手にとっては避けて通れない刺激に富んだ内容を持っていることは間違いなく、感情重視のマーラー指揮者の演奏からは絶対に聴き取れないユニークなフォルムの美学が、初演時のシェーンベルクの感想に思いを馳せさせてくれます。
 なお、この年のクレンペラーは精力的に活動しており、2月と3月にはワーグナーの『さまよえるオランダ人』全曲をセッション・レコーディングして演奏会形式でも上演、5月と6月にはウィーン・フィルの連続演奏会に出演して数多くの作品を指揮、8月の終わりにはエジンバラ音楽祭でマーラーの9番を指揮、10月にはシューマンの2番ベートーヴェンの7番ほかをレコーディングと、意欲にあふれた年でもあったようです。

【交響曲第9番】
クレンペラー自身がマーラー随一の傑作と讃える作品の非常に優れた演奏で、マニア筋からは叙事詩的名盤として長く絶賛されてきました。
 感情に流されることなく巨大な構造を次々に明らかにしてゆく第1楽章のアプローチには実にみごとなものがあり、第2楽章のパロディ表現、第3楽章の皮肉な感触、第4楽章アダージョでの深い静けさをたたえた気品ある表現が、忘れ難い感銘を与えてくれます。第2ヴァイオリン右側の「対向配置」も実に効果的です。

【大地の歌】
クレンペラーのマーラーを代表する素晴らしい演奏。交響曲でありながら歌曲的性格も濃厚というこの複合的作品に対し、きわめてシンフォニックなアプローチがおこなわれた見事な演奏であり、その荒々しいまでの厳しさは伝説的名演の名にふさわしいもの。
 フリッツ・ヴンダーリヒとクリスタ・ルートヴィヒの歌唱も最高です。無用な感情移入をおこなわず、あくまでも明晰に高いテンションで歌われる彼らの歌唱パートは、その克明さゆえにオーケストラとの絡み具合も完璧であり、弱音部分ではまるで室内アンサンブルのような緊密な連携ぶりを聴かせています。
 同じく弟子であったワルターの退廃的で甘美な演奏に対し、荒涼・殺伐といった精神風景に向き合った感すらあるクレンペラーの解釈は、その情報量の多さと立体感ゆえ、作品の複合的性格の浮き彫り具合でも異彩を放っています。

【歌曲】
『子供の不思議な角笛』から2曲と、『リュッケルト歌曲集』から3曲を収録。この5つの歌曲セッションの直後には名高い『大地の歌』の女声楽章が収録されており、そこでの歌唱と同じく、クリスタ・ルートヴィヒの歌唱は実に素晴らしいもので、ほの暗い声が作品それぞれの世界を美しく描きあげているのが印象的。クレンペラーによる伴奏も情報量の多い立派なもので、歌と一体になった表現力がさすがです。(HMV)

【収録情報】
Disc1
マーラー
・交響曲第2番ハ短調『復活』
 エリーザベト・シュヴァルツコップ(ソプラノ)
 ヒルデ・レッセル=マイダン(アルト)
 フィルハーモニア合唱団
 録音時期:1961年11月、1962年3月
 2012年デジタル・リマスター

Disc2
・交響曲第4番ト長調
 エリーザベト・シュヴァルツコップ(ソプラノ)
 録音時期:1961年4月
 2012年デジタル・リマスター

・『リュッケルト歌曲集』〜「私はこの世に忘れられ」
・『リュッケルト歌曲集』〜「真夜中に」
・『子供の不思議な角笛』〜「浮き世の暮らし」
・『リュッケルト歌曲集』〜「私は快い香りを吸いこんだ」
・『子供の不思議な角笛』〜「トランペットが美しく鳴り響くところ」
 クリスタ・ルートヴィヒ(メゾ・ソプラノ)
 録音時期:1964年2月
 1999年デジタル・リマスター

Disc3
・交響曲第7番ホ短調『夜の歌』第1〜4楽章
 録音時期:1968年9月
 2011年デジタル・リマスター

Disc4
・交響曲第7番ホ短調『夜の歌』第5楽章
 録音時期:1968年9月
 2011年デジタル・リマスター

・交響曲第9番ニ長調 第1楽章
 録音時期:1967年2月
 2012年デジタル・リマスター

Disc5
・交響曲第9番ニ長調 第2〜4楽章
 録音時期:1967年2月
 2012年デジタル・リマスター

Disc6
・『大地の歌』
 クリスタ・ルートヴィヒ(メゾ・ソプラノ)
 フリッツ・ヴンダーリヒ(テノール)
 録音時期:1964年、1966年
 2011年デジタル・リマスター

 フィルハーモニア管弦楽団(ニュー・フィルハーモニア管弦楽団)
 オットー・クレンペラー(指揮)

 録音場所:ロンドン、キングズウェイ・ホール
 録音方式:ステレオ(セッション)

Track List   

Disc   1

  • 01. I. Allegro Maestoso - Otto Klemperer/Philharmonia Orchestra/Elisabeth Schwarzkopf
  • 02. II. Andante Moderato - Otto Klemperer/Philharmonia Orchestra/Elisabeth Schwarzkopf
  • 03. III. in Ruhig Fliessender Bewegung - Otto Klemperer/Philharmonia Orchestra/Elisabeth Schwarzkopf
  • 04. IV. Urlicht. Sehr Feierlich, Aber Schlicht - Otto Klemperer/Philharmonia Orchestra/Elisabeth Schwarzkopf
  • 05. V. Im Tempo Des Scherzos. Wild Herausfahrend - Otto Klemperer/Philharmonia Orchestra/Elisabeth Schwarzkopf
  • 06. Wieder Sehr Breit - Otto Klemperer/Philharmonia Orchestra/Elisabeth Schwarzkopf
  • 07. Ritardando... Maestoso - Otto Klemperer/Philharmonia Orchestra/Elisabeth Schwarzkopf
  • 08. Wieder Zurckaltend - Otto Klemperer/Philharmonia Orchestra/Elisabeth Schwarzkopf
  • 09. Langsam. Misterioso - Otto Klemperer/Philharmonia Orchestra/Elisabeth Schwarzkopf
  • 10. Etwas Bewegter - Otto Klemperer/Philharmonia Orchestra/Elisabeth Schwarzkopf
  • 11. Mit Aufschwung Aber Nicht Eilen - Otto Klemperer/Philharmonia Orchestra/Elisabeth Schwarzkopf

Disc   2

  • 01. I. Heiter, Bedchtig. Nicht Eilen - Otto Klemperer/Philharmonia Orchestra
  • 02. II. in Gemchlicher Bewegung. Ohne Hast - Otto Klemperer/Philharmonia Orchestra
  • 03. III. Ruhevoll - Otto Klemperer/Philharmonia Orchestra
  • 04. IV. Sehr Behaglich [With Soprano Solo] - Otto Klemperer/Philharmonia Orchestra
  • 05. Ich Bin Der WLT Abhanden Gekommen (Rckert) - Christa Ludwig/Otto Klemperer/Philharmonia Orchestra
  • 06. Um Mitternacht (Rckert) - Christa Ludwig/Otto Klemperer/Philharmonia Orchestra
  • 07. Das Irdische Leben (From "Des Knaben Wunderhorn") - Christa Ludwig/Otto Klemperer/Philharmonia Orchestra
  • 08. Ich Atmet' Einen Linden Duft (Rckert) - Christa Ludwig/Otto Klemperer/Philharmonia Orchestra
  • 09. Wo Die Schnen Trompeten Blasen (From "Des Knaben Wunderhorn") - Christa Ludwig/Otto Klemperer/Philharmonia Orchestra

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ワルターとクレンペラーはマーラーの愛弟子...

投稿日:2021/03/20 (土)

ワルターとクレンペラーはマーラーの愛弟子ということで何かと比較されるが、クレンペラーの大地の歌はマーラーの楽曲の中でも最高!! 2番と4番の演奏に関してもマーラーの作品中5本の指に入る名演。 クレンペラーに関しては安心して聴ける巨匠。

ハッチ さん | 愛知県 | 不明

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ご存じのとおり、クレンペラーとワルターは...

投稿日:2021/03/16 (火)

ご存じのとおり、クレンペラーとワルターはマーラーの直弟子であるが、ベートーヴェンのように世代の違う神ではなく、人としてのマーラーと接している分、マーラー本人と直接コンタクトのない世代の違う指揮者と比べむしろマーラーの音楽の本質を美化せず客観的に捉えているのではないかと思う。 マーラーの全集・選集はワルター(選集)、クレンペラー(選集)、バーンスタイン(SONY・DG 全集)、クーベリック(全集)、シノーポリ(全集)、アバド(全集)を所有しているが、特にクレンペラーは師であるマーラーの作品を冷静に分析し、変な思い入れや演出なしで客観的に演奏しているが、認めていない曲は演奏すらしていない。 逆に言えば、「認めた曲」については一分の隙もない完成度の高い演奏を残している。 つまり、ある意味この選集は贅肉のない筋肉質な演奏の集大成と云えるかもしれない。 ファースト・チョイスとしては個人的にバーンスタイン(SONY)、アバドあたりが取っ付きやすいと思うが、こちらも是非、手に入るうちに入手しておいて、気力が充実した時に聴いていただきたい。

I.O.U さん | 北海道 | 不明

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フランスEMI制作のマーラー交響曲集である...

投稿日:2021/03/08 (月)

フランスEMI制作のマーラー交響曲集である。音質は非常に良い。私はクレンペラーの演奏から、マーラーの交響曲を聴くようになり、クレンペラーが録音しなかった交響曲は、比較的取り組みが遅くなった。1,3、5、6、8は録音がなく、復活の録音は多数存在する。クレンペラーの取り上げた曲はやはり何か訴えるものを感じる。

LFA さん | 千葉県 | 不明

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