日本のシンガーTOP30 -第28位
Tuesday, November 15th 2005

強烈無比な淑女...椎名林檎
現在は東京事変としてバンド活動に専念している椎名林檎が本日のお題目。
よもや彼女を知らない人もいないだろう。初期の過激な言動と、先の読めぬ活動展開、抜群に美しい容姿、そして何よりも音楽家としての凄まじいまでの才能と匂い立つ個性...これらを兼ね備えた強烈無比な才女、それが椎名林檎。
痛々しいほどのセンチメンタリズムとリアリティは、時に人を悲しくさせる。かつてない巻き舌歌唱法、エロティシズム観念を聴き手に妄想させる詩世界、正統派ロックとパンキッシュな洗練されたサウンドに大正〜昭和の歌謡曲の芳香漂うサウンド。そのコスプレまがいのヴィジュアルとしなやかさを秘めた女性性から創造された音楽という圧倒的な個人世界は、もはや圧倒的。
隙がない音楽的完成度と、隙間だらけの彼女。
その隙間が、その後の彼女の”ガソリンの揺れ方”のような音楽的人生を決めるといっても過言ではない。
確信犯的才女、登場。
椎名林檎は1978年、福岡市に生まれる。幼少時代からピアノとクラシックバレエを習うが挫折、中学3年からバンド活動を始める。思春期前の早熟でありながら、罪悪感と冷静な視点をもつ性質は、その後の彼女の活動にも当てはまる、基盤である。
そしてデビューをめざして上京、1998年5月、一発目シングル「幸福論」でデビュー。セールス的にも話題レベルでもあまり奮わなかった。そして9月、「歌舞伎町の女王」で一転、過剰な巻き舌と「新宿系」の振れ込みで一部話題になる。
そして1999年1月、アングラ的志向から一転して、当時の洋楽的ギターサウンドと奔放な歌詞のギャップが新鮮だった「ここでキスして」が大ブレイク。この曲で一気に女性の支持を得て、全国的シンガーとなる。この波が静まることはなく、同年2月1stアルバム『無罪モラトリアム』をリリース。当然の如く大ヒット、ロングセラーを記録。
彼女のおもしろいところは、その楽曲と連動して、いたるところで話題性が先行すること。例えば、3枚目のマキシシングル「本能」では、音楽面よりもむしろ看護婦姿のビデオクリップが強烈な印象を世の男性に与え、2枚同時リリ−スの「ギブス」と「罪と罰」は静と動ともいえるその2面性で話題となる。
または、ナンバーガールの田淵ひさ子等と結成し、秋の学園祭ツアー「学舎エクスタシー」で衝撃的にデビューした「天才プレパラート」や、「3枚目のアルバムで椎名林檎で表現することは終わりにする」といった言動。それらは彼女らしいといえば彼女らしく、裏を返せば何かに駆り立てられているかのような性急さだった。
椎名林檎から東京事変へ。
2001年以降、しばらく活動休止となるが、カバーアルバム『唄ひ手冥利-其ノ壱』に続く、傑作『加爾基精液栗ノ花 』で見事復活。しかしながら、数々の作品で“何処か”へ向かっていることを示唆していた椎名林檎。
その“何処か”とはツアー“雙六エクスタシー”限定と誰もが思っていたはずの5人組バンド・東京事変(トウキョウジヘン)での本格的な活動でした。自作自演家として一世を風靡した椎名林檎が葬られ、首謀者を得た彼女はいよいよバンドヴォーカリストとして新しく歩み出し...その後はご存知の活躍。現在もメンバーが入れ替わりながらも第2期東京事変として活躍中。
果たして椎名林檎とは?
それは誰もが計り知れない才能の塊。彼女の醸し出す世界は最初からそこに存在していて、私たちはただその世界に毎回足を踏み入れているだけ。ただその世界は圧倒的で、時に切なく、時に甘い夢を見させてくれる。そして彼女の声を聴くと、なぜだか無性に悲しくなる。
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Muzaimoratoriamu
Ringo Shiina
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Issued:24/February/1999
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