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Motohiro Nakashima インタビュー

Monday, June 22nd 2009

interview

Motohiro Nakashima

新進気鋭のレーベル“schole”から満を持して、Motohiro Nakashimaの最新作がリリースです!これまでの作品で使われていた、電子音での音作りから一転、ギターやピアノをメインに、管楽器やその他のアコースティカルな生音を主体とし「家族」をテーマにした、暖かくて美しい極上のアンビエント・ミュージックに仕上がっております。その記念すべきschole records 10作目のアルバム『We Hum On The Way Home』の発売を記念してメール・インタビューを敢行。Motohiro Nakashima氏の「家族」に対する想い、そして音楽に対しての愛情がひしひしと伝わってきます。アルバムを聴くにあたって、より一層深みを与える貴重なインタビューとなりました!
(text by HMV銀座インズ/古屋 雄裕)

音楽を聴いてみなさんの家族のことを思ってもらえると嬉しいです



--- それではまずHMV ONLINE初登場という事で、簡単な自己紹介をお願い出来ますでしょうか?

中島基裕です。1980年広島で生まれ、現在は奈良に住んでいます。 主にアコースティックギターを使って即興的なアプローチでの作曲・音楽制作をしています。

--- 今作「We Hum On The Way Home」はAkira Kosemuraさん主宰のschole recordsからのリリースとなりました。 これまでのscholeに対しての印象や、お気に入りの作品などありましたら教えて下さい。

このリリースのお話を戴くまで、正直scholeのことは名前くらいしか知りませんでした。 scholeの音楽も聴いたことがなかったのですが、新しいレーベルということで新鮮な印象を受けました。 作品の中ではdaisuke miyatani君と仲良くしていて、以前は不定期でバンドを組んでライブをしていました。

--- それではアルバムについてですが、今作の制作期間はどのくらいかかりましたか? また、制作過程において苦労された点やエピソードがありましたら教えて下さい。

アルバムの製作期間は構想からミキシングを含めて1年くらいです。録音に入った段階で妻の妊娠がわかり、大きなおなかでクラリネットを演奏するのに苦労し、何度も録音し直しました。普段より力ない演奏ですが、子供がお腹にいる時の音なので気に入っています。また、「a few minutes before the dawn」では、終わりのフィールドレコーディングで夜明け前の音を録音するために、朝4時に起きて家の外の池の音を録音しました。夏だったので、日の出時間がかなり早かったのを覚えています。録音後、もう一度寝ました。

--- 前作「I Dreamt Constellation Sang」から比較すると、今作は電子的な音使いと言うより、むしろ有機的でオーガニックな音色が特徴的で、本当に暖かく美しい作品に仕上がっています。加えて、今作は「家族」がテーマだと伺いました。今、この音色、このテーマを選ばれたというのは、どういった理由からだったのでしょうか?

今作のテーマは、選んだというより自然にそうなったという方があっていると思います。一番大きなことは結婚したことです。結婚して初めて家族が増えるすばらしさを感じました。そして、子供を授かったことも大きく影響しています。子供が生まれるまでの間に制作した作品ですので、自然と生まれてくる子供を意識した作品になりました。音楽的に前作と変わったのは、現在は電子音よりアコースティックに魅力と可能性を感じるためで、4tr-MTRで録音していた頃の原点に帰ったような感じです。また、家族に聴いてもらいたい作品を作りたかったため、暖かいアコースティックにこだわって制作しました。

--- 今作には、バンド「たゆたう」のイガキアキコさんがバイオリンで参加されていますが、これはどういった経緯ででしょうか?実際にご一緒されての感想などありましたら、ぜひ教えて頂けますか?

友人の劇団「子供鉅人」の公演を見に行った時に初めてイガキさんの演奏を拝見しました。とても力強くて繊細な演奏と感じました。その時ちょうどバイオリン奏者を探していたので、是非演奏していただきたいと思いお願いしました。アルバムの中では基本的に僕が書いた楽譜に従って演奏していただいているのですが、「a cat see the world spinning round」では即興演奏をお願いしました。そしてそのレコーディング時は衝撃的な感覚を覚えました。イガキさんの演奏の魅力は即興演奏にあります。ぜひ聴いてみて下さい。耳がとてもよく、個性的で、すばらしい演奏家だと思います。

--- ジャケットにとても美しい写真が使われていますが、これはどこで撮影されたのでしょうか?

このジャケット写真は家の近くで撮影したものです。ジャケット写真をどうするか悩んでいる時期に偶然通りがかった風景を見てこれにしようと思い、すぐに撮影しに行きました。それ以前は友人の写真家の写真を使いたいと考えていたのですが、思い入れのある作品でしたし、自分で撮影した奈良の風景を使いたいと思い、この写真にしました。アルバムタイトルを連想させる理想的なジャケットになったと思います。撮影した時期は秋で、この時期には近所の畑にコスモスがたくさん咲き、素敵な景色が広がります。そのほかの写真は、お腹の大きな妻と散歩しながら撮影したものを使いました。

アルバムジャケット

--- 中島さんご自身について少しお伺いします。これまでに、影響を受けてきたアーティストなどはいらっしゃいますか?

影響を受けたアーティストを挙げるときりがないと思うので、制作時に聴いていた音楽を挙げます。

Ralph Towner 「Ana」
Early Songs 「Wind Wound」
Nick Drake 「Five Leaves Left」
Arvo Part 「Alina」
Penguin Cafe Orchestra 「Broadcasting From Home」
Ljudbilden & Piloten 「One Hundred Fifty-Five」
…etc

--- 最近、ご自身が注目されている音楽ジャンルやシーンなどがあれば是非教えて下さい。可能でしたらその代表的な作品を幾つかあげて頂けますか?

現在興味があるのは、ECMの作品や、60〜70年代のフォーク・ロック、トロピカリズモなどです。

--- 今後のご自身の活動予定などありましたら、教えて下さい。

今年の秋ごろに写真集と音楽が一緒になった作品をリリースする予定です。それ以降は作品が出来そうになれば制作しようと思います。

--- 最後にファンの方々にメッセージをお願いします!

この作品は、個人的な思いの詰まった作品ですが、音楽を聴いてみなさんの家族のことを思ってもらえると嬉しいです。

--- ありがとうございました!

新譜 Motohiro Nakashima『We Hum On The Way Home』
ギターとピアノをメインに、バイオリン、トロンボーンなど、アコースティック楽器を用いて、家族を想う気持ちを表現した3rdアルバム。 過去2作のイメージを持ってこの作品を聴くと、アコースティック特有の自然で柔らかな音色に、気持ちの良い違和感を抱くかもしれません。 繊細で、温もりと優しさを帯びたメロディーが、家族という見えない絆を美しく描き出したサウンドトラック。 Nakashimaさんが微笑みながらギターを爪弾く姿が自然と目に浮に浮かびます。
(HMV/緑川 信宏)
profile

Motohiro Nakashima / 中島基裕

1980年広島県福山市生まれ。奈良県在住。 1998年頃から作曲活動を始め、2003年より演奏活動を始める。 2004年1stアルバム「and I went to sleep」をロンドンのLo Recordingsよりリリース。 自主レーベルNOVEMBERRECORDSを立ち上げ数枚の作品をCD-Rで発表する。この頃から、映画や舞台音楽なども手がける。 2007年2ndアルバム「I dreamt constellations sang」をLo Recordings傘下のLoAFよりリリースしロンドンでの演奏も行う。 2009年待望の3rdアルバム「We Hum On The Way Home」をScholeよりリリース。 瞬間の記憶をテーマに即興演奏を基盤とした作曲の可能性を独自に追求し、現在のスタイルにたどり着く。 一貫しているのは、親しみやすいメロディアスな旋律の優しさと、ゆるやかなミニマルが作り出す、浮遊感あるアンビエンスのゆらめく心地よさ。

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