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HMV ONLINE > NEWS > Music > Rock & Pop > Britpop / Indie > Pinback インタビュー!!

Pinback インタビュー!!

Wednesday, September 5th 2007

  インタビュー
  USインディー好きには絶大な支持を得るPinbackのZachにインタビュー!
ニュー・アルバム『Autumn Of The Seraphs 』をリリースしたPinback。今回はZachことArmistead Burwell Smithに直撃インタビュー!ニュー・アルバムについての制作秘話や10周年を迎えたPinbackの今後についてなどを語ってくれました!ファンの方は必読です!ではどうぞ!!

『Pinback』

―― 今回の新作の準備はいつごろからスタートしていましたか? 


終わったのが6月。始めたのが去年の8月。それぞれの別のバンドで中抜けする時期もあったけどね。




―― それは曲作りを含めて、ということ?Mother Head's 〜』はあなたのキャリアを代表する名盤だと思います。ファンからも人気の高い作品ですが、あなた自身はどのような作品と捉えていますか?


うん。


―― お互いがそれまでにアイディアを温めておいて、それで顔をあわせるの?それとも会った時点から書き始める?


前のアルバムではうまく行かなかったのでとってあったアイディアをもう一度試してみて、うまく行けば使うこともあるよ。たとえば今作だと2曲目の「Barnes」がそう。もともとは『Summer In Abaddon』の時に書いた曲だったんだ。でもそれ以外は、二人で会ってから取り掛かり始めるよ、たいてい。


―― 3年ブランクが空いたのは、二人がそれぞれのプロジェクトで忙しかったから?


それもあるけど、一番の理由は『Summer In Abaddon』が出たあと1年半近くツアーをしてたからなんだ。それに、アルバムを作り終えた直後、一番したくないこと。それはまた曲を書き始めること。書くことは出来るよ。今すぐ、次のアルバム用の曲を書きたいと思うよ。でも世界に出ていって、時間を経過させたあとに、どんな新しいクリエイティヴなアイディアやコンセプトが浮かぶかを見たほうが面白いじゃないか。すぐにまた書き始めるよりは。それにプラスしてツアーと他のバンドがあるから、たいていアルバム間には3年のギャップが生まれてしまう。間にEPをリリースしたり、ツアーごとにツアーEPを作って手売りしたりもするけど、それが僕らのペースなんだよ。


―― 世界を見たあとに浮かぶクリエイティヴなアイディアやコンセプト、と今おっしゃいましたが、今回、ヴィジョンや方向性のようなものはどういうところに置いていましたか?


僕の頭の中では、前よりもjagged(ギザギザした感じ)でシャープで、ヘヴィなものにしたかったんだ。ロック、と言ってもいいのかも。トラディショナルなロックンロールではなくて、よりヘヴィな生のドラムをベースにしたもの。これまでの僕らのアルバムはドラムマシン中心だったが、ライヴではいつもドラマーを入れ、生ドラムを使っていた。今回はアルバムでも本物のドラムを入れて、エネルギーがあるものにしたかったのさ。いつもソフトでばかりいちゃいけない、って!きれいでソフトでスローな曲は、僕らにとっては楽に出来るんでね。


―― なぜそういう方向に行きたいと思ったんでしょう?なにかきっかけはあったんですか?


その頃はよくRUSHを聴いてたんだけど・・・(笑)。ロブは僕なんかよりももっと聴いてるから、たくさんのバンドの名前を挙げられると思うよ。僕は自分の小さな世界の中にこもってることが多くて(笑)、音楽を聴きたい時は自分で音楽を作るタイプだ。別に「いい音楽がないから自分で作る」と言っているわけじゃないよ。ただ、僕はそういうほうが好きだというだけ。「音楽が聴きたいな」と思ってもCDはかけない。どんなバンドが今いるのかもあまり知らない。そうではなく、ピアノの前に座るのさ。


―― タイトルの『Autumn Of The Seraphs』の意味は?


陰陽みたいな関係にあるんだ、前作の『Summer Of Abaddon』と。つまりは『地獄の夏』というような意味だからね(笑)。その逆で『Autumn Of the Seraphs』は『天使の秋』という意味だから、ちょうど逆になるのさ。


―― ジャケットはそれを表しているの?


ああ。これまでのアートワークはすべて自分達でやってきた。僕らはミュージシャンだから音楽に関しては自信あったけど、アートに関しては誰かに頼むのもいいんじゃないかと思ったんだ。全部自分達で手探りでやるのも楽しいけど。親しい友人であるマイク・サッチェンスは素晴らしいアーティストで、言えばなんでも絵に描いてくれる。「天使を描いてくれ」といえば100通りの天使を描いてくれるんで、それから選んだんだ。ああいう才能があるっていうのは羨ましいよ。僕にはないんで。


―― 前作『Summer In Abaddon』を振り返ってみて、あのアルバムがもたらした、次のステップに進めるにあたって最も大きなポイントはどこにあったと思いますか?


具体的にこれ、ということはないんだけど・・・僕達にとっても、同じことを繰り返すんじゃつまらないんだ。人によっては「あのアルバムの方がよかった。スタイルが変わった・・・なぜあれみたいにしなかったんだ?!」と言ってくる者もいる(笑)。当然、前作に対して何の後悔も不満もない。でも重要なのは音楽に垣根やルールを設けない、ってことだと思う。たとえば「Fortress」のような曲をまた書くことも出来たかもしれないけど、それはもうやってしまったと感じたから、その先に進んだんだ。音楽の何が楽しいってそこさ。基本的には同じ要素を使いつつも、常に新しいものを作り出そうとしているんだ。


―― 「Fortress」がヒットした、ということも次のステップに進むポイントになった?


でももともと僕とロブが音楽を作り始めたのも、自分たちのためなんだ。一人の人がアルバムを買ってくれたら・・・上等じゃないか!誰も買ってくれなくても・・・それも上等だ!ってね。自己中心的にそう言ってるわけじゃない。これが僕らのやり方だ、というだけ。誰に気に入ってもらえなくても構わない。気に入ってもらえれば、すごく嬉しいけど。少しでも人気が出始めると「これを気に入ってもらえるかな?」といった邪心が少し入ってくるものだ。それは横に除けて、「俺がこれを好きだからいいんだ。みんなに嫌われたって構うもんか!」と思うようにするのさ(笑)。


―― 具体的なレコーディング作業での話をうかがいたいんですが、前作の時にすでに書いていたという「Barnes」以外、最初に書いた曲はどれでした?


4曲目の「How We Breathe」。


―― その曲が出来たことで、アルバムの全体像が見えてきた、と言う感じ?


ううん、あの曲はさっき僕が言っていた「僕らにとっては簡単に書けちゃう、きれいでソフトな曲」の一つなんだ(笑)。「Devil You Know」も時期としては「How We Breathe」と同時期、アルバムに取り掛かり始めてかなり早い段階で書けた曲だけど、今の僕らを言い表す曲、ということであれば、むしろこちらが当てはまるんだと思うよ。ヘヴィでドライヴ感がある曲だ、という意味で。


―― そうやってレコーディング作業が進んでいく過程で何かおもしろいこと、それまでと違っていたこととかあったなら教えてください。


僕らは単なるミュージシャンだけど、いつも自分達でレコーディングをする。他人に録ってもらったことはない。それは毎回が学習過程だということでもあるんだ。自分達でもわけがわからないまま、とりあえず真っ只中に飛び込んでみるところからスタートしたんだ。最近ではそういうミュージシャンも多いけど、僕らがやり始めた10年前は自宅のコンピューターでレコーディングするバンドはそう多くはなかった。僕らは試行錯誤しながら、それをやっていたんだ。今回でいえば、ドラムを録音するというのが大きな試練だったよ。いいドラムの音を録るのは、想像する以上に至難の業なんだ。チャレンジではあったが、結果にはとても満足しているよ。ま、それは抜きにしても、レコーディングっていうのはいつも楽しいよ。全部手作り。僕の自宅にあるスタジオもすべて自分達で作ったんだ。今、そこで君と話しているんだけどね。


―― アルバムを終わらせるにあたってはどうでした?自然とこれでアルバムができた、と思えたのですか?


確かに終わるほうが難しいよね。いつまでもダラダラと続けるのは楽だから。でもそこで「締め切りがあるからここらへんでやめないと」と思えるのが、レーベルにいることの利点の一つだね(笑)。だからこそ、アルバムが一定期間のカプセルになる。じゃないと、だらだらと続け、あら捜しをし、どんどん足し続けることになる。最後に書けた曲は、実際、アルバムのラストに入っている「Off By 50」なんだけど、これはそれまでの僕らの曲とは全然違う曲だ。この曲に至る頃には、パズルの最後の1ピースがみつかった、という気がしたんだ。「これで完成」というか。10〜12曲くらいで収めたかった、というのもある。アルバムに曲を詰め込みすぎてしまうと、リスナーは1時間近く聴くことになる。今の音楽は使い捨てで、1曲単位でしか聴いてくれない。残念なことだよ。僕らはアルバムは最初から最後まで、一貫したものとして作っている。A地点からB地点まで、リスナーを連れていきたいんだ。


―― でも日本盤だとそのあとにボーナス曲がありますけど。


(笑)あれはベースとドラムだけの曲で、「似た曲調が他にもあるから」という理由で終わらせることなかった曲なんだ。ロブの歌ももう入っていたからね。あれは、おそまつながらもDUBミュージックを狙ってみた、という感じの1曲(笑)。逆にプレッシャーがなく、短い時間で気軽に出来たから、すごく楽しかったよ。


―― あなたとロブで自宅でレコーディングを始めてから10年だそうですが、10年という節目を前に、どういう感想を自分たちの活動に対して、今、思っていますか?


疲れるよ(笑)。なんてね。今、ようやく軌道に乗ってきた、という気がしてるんだ。レコーディングのノウハウに関しても自信が持てるようになったし、すごく先が楽しみに思える方向に向かっているような気がする。この先10年が楽しみさ。


―― 何か10年を記念してやるつもり?


日本に行く!なんてことができたらいいな。前回、来日がキャンセルになっちゃったのは僕のせいなんだ。僕が悪かった・・・(笑)日本には行ったことないので、何があるのかもわからないけど、とにかく行ってみたいんだ。東京のど真ん中に立つ、という経験をしてみたい! パリとかそういうところに行くより、僕にとっていい意味でのカルチャーショックになると思うよ。眠ってる自分を揺り起こしてくれるんじゃないかと思う。日本人の振る舞いとか、美的センスには尊敬に値するものがあるよ。バンドメンバーで日本に行ったことのある連中からも、あんな楽しい国はなかったと聞かされているからね。


―― 自分たちが音楽シーンの中で果たしてきた最も大きな役割はどういうところにあったと思っていますか?


役割?ウ〜〜〜〜ン・・・泥道を、静かに、穏やかに、歩いているような、そんなのだといいな(笑)。そうであってほしいよ。息を吸い込んで、ゆっくりとね。


―― 例えば、ダイナソーJr.のJは「ダイナソーはニール・ヤングのようなオールド・スタイルのロックと、ハードコア・パンクとのかけはしになった」と話しています。あなたがたは自分たちの音楽を「何」と「何」のブリッジになったと思っていますか? 


難しい質問だな。ロブはすごく多くの音楽から影響を受けているから・・・でも、もしあえて言うなら、何かと何かのかけはしというよりは、自分達だけの小さな孤島だと思いたいよ。僕にも好きな音楽はたくさんあるよ。でも作っているのは自分達だけの音楽。残してきた足跡は自分達だけのもの。自分達だけのスタイルなんだと思いたいんだ。


―― 海の中にぽっかり浮いている島、ということですね?


うん(笑)。


―― Emoという言葉に対してはどうです?いまだにそう呼ばれるとうんざり、と言う感じ?


ああ、もうそう呼ばれることもないけどね。いわゆるEmoって呼ばれているバンドの音楽を頭に描くとき、僕らのやってることとは全然かけ離れていると思うんだ。Emoというよりは、むしろprog(プログレ)になってるんじゃないかと思うよ。


―― あなたがたの音を聞いているとギターロックで何ができるのかについての可能性を追求しているように思います。そういう意見に対してはどうですか?


ああ、ベースとギターは僕らの基本だ。僕とロブで楽器を持って座って、気軽に、時間もかけず、アイディアを出し合い、交換したり、それがもつれ合い、絡み合い、その中に迷い・・・そうやって一つのものになっていく。それがベースとギターであり、ピンバックの背骨と心臓だ。ベースとギターの間の対話がなければ、いくらドラムがあっても、本末転倒になっちゃうよ。


―― そもそも影響されたアーティストは誰なのでしょうか?


トーキング・ヘッズ、ディーヴォ、ポリスといった80年代のバンド、それからデッド・ケネディーズみたいな、みんながよく知ってるようなパンク・・・僕らの音楽から彼らの音楽的影響は感じないはずだけど、バンドとしての姿勢という部分で似ているのかもしれない。「僕らはバンドだ!神だ!」といったロックスター願望じゃなくて、「ただ音楽を作ってるっていうだけで普通の人間だよ」っていうのかな。僕らの音楽に関するモラルは、若い頃、僕もロブもパンクシーンに関わっていたことから形成されているんじゃないかと思うんだ。


―― 近年の若いバンドであなたがたが共感を得られるものをいくつかおしえてください。


いいな、と思うものは必ず耳に入ってくるんだけど、大抵誰かわからないままで終わっちゃうんだ(笑)。ロブがすごく気に入ってるのはGhengis Tron。確かロブは「テクノ・ハードコアだ」って説明してたよ。僕はいまだに尋ねられれば「エリック・サティを聴けば?」と勧めてる。いかにも僕ららしいミックスぶりじゃないかな。Ghengis Tronとエリック・サティって!


―― TOUCH&GO移籍第二弾となりますが、移籍前と後で変わったことはありますか?


彼らは有言実行するレーベルだ。それは移籍前と比べ、大きな変化だったね。ゲフィンみたいなメジャーなレーベルにもいたことがあるけど、彼らが約束することは単なる企業人の口先だけのトークさ。逆に小さなレーベルにいたこともあるが、彼らはやると口で言っても、人材が足りないからなのか、単に怠けているのかわからないけど、言ったことをやらない。TOUCH & GOみたいに「こういうことをやろう!」という話をしたら、すぐにそれが実行されるレーベルにいられるのは、本当に貴重だと思うよ。「本当にやってくれるだろうか?」と疑心暗鬼になることもないんだ。


―― 25周年を迎えたTOUCH&GOの300枚目のリリースなんだそうですね?


ああ、聞いたよ。なんだか重要な感じがしていいな!って思った(笑)。TOUCH & GOの素晴らしいところは、みんなと心を割って、普通の会話が出来るっていう点さ。音楽を売ることが目的なんじゃなくて、本当に音楽のためのレーベルだと感じられる。どうすれば、素晴らしいアルバムを一緒に作っていけるか、と親身になって考えてくれる。


―― アルバムが9.11にアメリカで出ますが・・・


ああ、それを聞いた時には一瞬「え?」って思ったけど、永遠に9.11を僕らの人生の中から取り除いて「無いものにする」わけにもいかないからね。そんなのは関係なく、人をハッピーにできるアルバムを出せばいいじゃないか、って思ったよ。


―― そのあとはツアーですか?


うん。リリースのタイミングでインストアをいくつかやり、1週間後からは全米ツアーに出るよ。そのあとはヨーロッパツアー、アメリカに戻って西海岸ツアーをやる。日本に来年の2月に行く、という話もある。


―― 日本でも最近、ファンが増えています。彼らへのメッセージを。


もうちょっと待ってて。行動が遅くてごめんね、僕達(笑)。でも行けるのを楽しみにしてるからさ。  


(協力:TRAFFIC / DIS)
 
 
  Touch & Go移籍し約3年振りとなる新作!!  
 
Autumn Of The Seraphs

CD Pinback
Autumn Of The Seraphs

最新作はこれまで通り、ほぼすべての録音をRobとZachの2人で行っており、ドラムにRocket From The CryptのMario RubalcabaとNo KnifeのChris Prescottの2人が参加しているようです!さすがエモ/ポストハードコア・シーンの聖地であるサンディエゴ、繋がってます! 新作についてZachは「俺達の最高傑作になった」とコメントしており、Pinbackの透明感溢れるインディー・サウンドにダイナミズムも感じられるような内容になっています!!
 
 

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