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菅野よう子さんにインタビュー!(後編)

Tuesday, July 13th 2010

interview
映画『シュアリー・サムデイ』菅野よう子インタビュー


俳優としての活躍はあまりも有名な小栗旬が、長年の夢だった映画監督に初挑戦!2010年7月17日より公開となる、小栗旬初監督作品『シュアリー・サムデイ』。その劇伴音楽をつとめるのは、小栗監督自身が大ファンだと語り、熱烈オファーが実現した菅野よう子女史!2010年7月11日に東京国際フォーラムにて行われた『シュアリー・サムデイ』イベントに出演直後の菅野よう子さんに、映画のサントラから近況、音楽やライブついて貴重なお話を伺ってまいりました。

ここで思いっきり言っておきます。ミュージカルやりたいです!

---これまで膨大な曲を作ってきた菅野さんですが、今後チャレンジしてみたい楽曲・ジャンルはありますか?

…何かインディーズな風情のやつをやりたいですね。売れなさそうなやつ(笑)。そうですね、未完成だったり、実験的だったり、プロっぽくないって言うか。今回のサントラで共演した方々って初めての方ばっかりで、スタジオにくるまで実際どんな歌歌うかわかんなかったんです。勿論デモは聴かせていただいてたんですけど。でも実際スタジオでのセッションだと何が起こるかわからない。そういう「先の読めない」仕事をするのが凄く楽しかったんです。ですから、もっと「読めない」、プロっぽくない、コントロールできない、けど予想の斜め上を行く相手とやってみたいです。「こういう歌を求めてたんじゃないけど、こっちのほうがいいから変えちゃおう」みたいなのが楽しいんです。

--- ご自身の作った曲や、プライベートで聴いている音楽で最近のオススメはありますか?

まず自分の曲を全然聴かない…(笑)。あと一曲通して音楽を聴けないんですよ。何か。あのちっちゃい時からそうなんです。他人の曲を一曲通して聴くのが苦痛なんですよね。苦しい…んですよ。「もたない」感じ。実は映画とかもそうなんですけど、コンサート行っても最後まで観ることってあんまりできなくて。 「これ観てるんなら家帰ってご飯食べてるほうがいいや」って思ってしまう。音楽にどっぷり浸って聴く、とかテレビとか映画をずっと見続けるってことがないんです。

--- では音楽以外ではいかがでしょう?

私ずっとミュージカルがすっごい好きで、ニューヨークのブロードウェイのミュージカルは観に行きます。途中で寝ちゃったりもするんですけど(笑)。それも「もたない」っていう。でも雰囲気が凄い好きで、いくつかの作品は本当にスゴイなっていうのもあって。ミュージカルとは違うけど歌舞伎もけっこう好き。ライブで時間内に強引なところへ落とし込むための、さまざまな工夫、踊り、装置の転換、圧倒的な演技力や歌唱力、人に見せる為のきれいな肉体、カタルシス、そういうのが好きなんだとおもいます。

--- ミュージカルを作ってみたいですか?

はい、すっごく作ってみたいんですよ!でも誰からも来ないんで、ここで思いっきり言っておきます。ミュージカルやりたいです!!(笑)やるとなったら 音楽はもちろん、歌詞も踊りも作りたい。結構普段曲作ってても振り付け付きで曲が出てきちゃうんです。自分の頭の中では勝手にもう振りが付いているんです、作った時点で。これが皆でワッとなったらどうなって欲しいか…みたいなのを考えるだけでも楽しい。

菅野よう子


--- 近況の話になりますが、先日LAで開催された「アニメエキスポ」に出演されていましたが、いかがでしたか?

たまたまLAを通りがかったので、呼ばれてないのに参加しちゃいまして(笑)。中島愛ちゃんとMay'nちゃんと当日現地で合流するという強行スケジュールでした。印象は…アメリカの人たちって…放映もしてない作品で何でこんなに人が集まるのだろう?って思いました。曲も知ってるし、日本語で歌ってるし。大きいホールに6000人?くらい集まってたのかな…しかも、『ニンジーンLoves you yeah!』っていう曲でめちゃめちゃ盛り上がってた。みんなで歌うんですよ。数多ある曲の中で、あの20秒くらいしかない曲をアメリカ人が大合唱。予想外の反応(笑)。

--- 昨年の『超時空七夕ソニック』から丁度一年が経過しました。またああいった大規模ライブのご予定はありますか?

ライブは凄い好きなんで、いつもやりたいんですけど、とにかくお願いしているミュージシャンの皆が忙しくてなかなか集まれないのと、私がライブを企画すると尋常じゃなくお金が掛かるんで…あと私、ファンクラブ的な団体をもっていないんで、実際どれくらいのお客さんが集まるか読めない。そういった諸々状況を考えると非常に勝負性が高い(笑)、リスキーで、やりたいのはやまやまなんですけど実行に移すのが難しいところがあるんです。『タナソニ』も準備期間はかなり大変でした。…でもやりたいですよね。

--- 菅野さんの作るライブは妥協無く作り込まれている印象があります。そのこだわりの源はなんでしょうか?

そうですね…例えば『マクロスF』の武道館ライブだと、私の中ではああでしかないんです。あれ以外での形が頭の中にないから…ここがスタッフの苦労するところだと思うのですが、「この辺にしておこう」っていうのがなくて、あの形がベースで、こだわってるっていう意識もなかったです。それで、May'nちゃんと愛ちゃんっていう子たちは、しがみついてでもあの世界の住人になってやろうって凄く努力してくる子たちで。あの世界の中で乗ってくれて、演じきってくれたんで、あそこまでの形にすることができました。凄くいいライブでしたよね。

--- 菅野さんのライブはエンタテイメント性が凄いですよね。『マクロスF』のライブだったらフロンティアの住人なった気分に浸れるというか。

何て言うか、現実を離れたものを作りたいんですよね。お客さんはお金を払って「物語」を楽しみに来るのだと思ってます。アニメ作品のイベントだと、出演者のプライベートな部分が出てきちゃうものもあるんでしょうけど、 自分が関わるライブではそういうものは極力無くして、世界観にどっぷり浸かった空間を作りたいんです。曲を作るとき私の頭の中ではそうなっているんですけど…その世界の中にすっかり入り込んでしまっていて。『フロンティア』だったら空気も人工空気をまるで吸ってるかの如く…春っぽい陽気だったらモワっとした人工空気を自分で感じながら書いていたりするんです。

--- 様々な仕掛けや演出を凝らした菅野さんのライブですが、「ライブでこれをやってみたい」ということはありますか?

居ない人に歌って欲しいな、と思って。亡くなった人とか、もう居ない人とかが、そこに居ないのに時空を超えて歌っているとか。技術的にまだ全然難しいらしいんですけど。次元の違う存在が、そこにこう浮かぶ瞬間が欲しいんですよね…あとパフォーマンス的なところで言う と、ピアノが上から落ちてくるとか(笑)これはこの間言って却下されたんですけど。あとはピアノを弾きながら上空に上がっていって天井を超えていくとか。そういうくだらないバカバカしいこともやりたいです(笑)。

--- では最後に、ファンの皆様へメッセージをよろしくお願いします。

とっても真摯にものを作っている方の、初監督の映画『シュアリー・サムデイ』を応援してあげてください。今回だけじゃなくて、きっと長く続けてエンターテイメントやっていかれる監督だと思うので、追っかけてみてください。実は「第2回作品はこんなの作りたい」みたいな話はもうしていて。まだ実現レベルじゃないんですけど。その中身がすっごい面白そうなんです。だから、私も応援していきたいと思います。

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    作曲家/編曲家/プロデューサー
    早稲田大学在学中「てつ100%」のメンバーとしてデビュー。解散後、作曲、編曲、プロデュースワークを中心に活動。
    SMAP、今井美樹、坂本真綾、小泉今日子、Crystal Kay、T.M Revolution、湯川潮音、元ちとせ、ORIGAといったアーティスト達への楽曲提供/プロデュースワークをも手がけ、CM音楽の分野では98年「ビタミンウォーター」でCM音楽賞の最高峰とも言える三木鶏郎広告音楽賞を受賞。他にもJAM金賞、JAM広告音楽 競技会最優秀 賞、ACC音楽ディレクション賞、ACC優秀賞など数々の賞を受けている。
    第13回日本ゴールドディスク大賞を受賞した「COWBOY BEBOP」をはじめ、「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」「創聖の アクエリオン」「マクロスF」 などのアニメーションから、「下妻物語」「ハチミツとクローバー」などの実写映画まで活動の場は多岐にわたり、国内外問わず世界的に熱狂的なファンを得ている。
    また自身のプロデュースするライブはそのエンタテイメント性の高さにおいて他に類をみず、2007年には韓国世宋文化会館で「ラグナロクオンライン2」、2008年には、「マクロスF」名義で日本武道館でのライブをプロデュース。音楽的なクオリティの高さと数々の仕掛けで、超満員の観客を沸かせた。

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