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BEST OF 2009 selected by 須永辰緒

Saturday, February 20th 2010

須永辰緒

担当者便り

好評連載中の「moderno selected by 須永辰緒」。須永さんにはイベントご招待など本当にお世話になっており、皆様にも楽しんで頂けるコンテンツをご紹介できたように思います。2010年も早速、須永さんに甘えてしまおうかと。「moderno selected by 須永辰緒」番外編として須永さんから2009年のベスト10をご紹介頂きました!! レコード番長の須永さんだけにジャンルの幅広さは勿論のこと、CDをセレクトしながらも「アナログ」「レコードバック」というフレーズが随所に出てくるあたりにアナログへの愛情をヒシヒシと感じます。デジタル音源でのDJが当たり前の時代ですが、原点を知る巨匠が認めた良質の音楽を皆さんも感じて欲しいです! 担当者は買い漏らしていた「NILS PETTER MOLVAER/Hamada」をカートインしました。皆さんは如何でしょう?
<担当者より>  





須永辰緒が選ぶ2009年


去年のレコードバッグには必ず入ってたかな。見つけちゃ買う、といった具合で計5枚持ってます。


マイルスデイヴィスの不朽の名作をレゲエで丸ごとカバー。やりそうで誰もやってないしかもアナログのみのリリースといったファンキーさに鷲掴み。かと言って色物っぽさなんか全くなく、'81年の録音で高クオリティな録音にしてアルバムの世界観はきっちり再現してるという出色の出来。去年のレコードバッグには必ず入ってたかな。見つけちゃ買う、といった具合で計5枚持ってます。

3枚組のアナログって根性も最上級に尊敬できる。


Q-TIP以降のヒップホップで一番よく聴いたかも。これ、2000年以降の進行形としてのフュージョンなんだと思う。いいアーティストの作品は始めの一音だけでも買えるし、このアルバムも多分に漏れず最初の一音だけで作品を聴き通せる推進力を持っている。3枚組のアナログって根性も最上級に尊敬できる。

去年は自分にとってスペイン年だったけど、その中でも一番よく聴いた。


Live at the village banguard(BLUE NOTE)も最高だったけど2009年作品でいえばこちらが相当するのかな。ブイカという歌手との競演。彼女はもっとシャーデーのように評価されるべき歌い手だと思うし、フラメンコは勿論アフリカンなテイストの曲(たぶん、出自)さえ表現力豊かに聴かせる。去年は自分にとってスペイン年だったけど、その中でも一番よく聴いた。

有名レーベルだけにもう掘り尽くされた感があるけど、まだまだ知らない曲が沢山あるんだなあ


ヴァーヴやプレステッジ、リバーサイドあたりからのボーカル作品中心の選曲、有名レーベルだけにもう掘り尽くされた感があるけど、まだまだ知らない曲が沢山あるんだなあ。小川充さんが解説で触れてますが「ディープで黒い」スピリチュアルな世界観を選曲で見事に構成しているところがさすが。

2面構成という具体ばかりが強調されているけど、「ジャズはジャズ」という核心に注目して欲しいな、と


トリオ編成のオーセンティックなジャズと「エクスペリメント」の実験性溢れるタッチの2面構成という具体ばかりが強調されているけど、「ジャズはジャズ」という核心に注目して欲しいな、と。ここで展開されているのは紛れもなく今を生きる真っ当なジャズだと思うし実験性の部分は十二分にインプロビゼーションとしても評価されるべき。

このアルバムをジャズの正統なアルバムとして評価できるか否かで音楽に対する素養を量るリトマス試験紙のような作品かも知れない。


このアルバムをジャズの正統なアルバムとして評価できるか否かで音楽に対する素養を量るリトマス試験紙のような作品かも知れない。今年一番よく聴いた。スコットランドにはビル•ウェルズが、アメリカにはロバートマズレクがいる。ジャズシンガーのakikoがブッゲ•ヴェセルトフトとのデュオアルバムをリリースしましたが、いま静かに燃えているノルウェーのジャズ・シーンの象徴。

百花繚乱なリリースを続けるこのレーベルにも注目してます。
『Ecstatic』
Mos Def
(DOWNTOWN MUSIC)


いまを体現する数少ないアーティスト。バンダ•ブラック•リオ/カサ•フォルテという「その手があったか」という大ネタ使いも粋な『Casa bay』という白眉曲目当てながら結局一年間聴いてしまった。PVも洒落とメッセージが痛烈に効いています。頭のいいアーティストなんだろうな。百花繚乱なリリースを続けるこのレーベルにも注目してます。

「誰それと比べて2流」などと大上段に構えてレヴューするジャズ論者が沢山いるけど、それは逆に凄いなと思う。勿論皮肉です。


豪腕「ジャズマン•レーベル」からの2009年初頭のびっくりアイテム。アナログで買ったのですが片面3曲づつの2枚組という、音質的なものを狙ったのか、フロアでDJに機能させることを狙ったのか、いずれにしてもネイサン•ディヴィスをあらためて世に問うという仕掛けを成功させたんじゃないかなと思う。こういう演奏に対して「誰それと比べて2流」などと大上段に構えてレヴューするジャズ論者が沢山いるけど、それは逆に凄いなと思う。勿論皮肉です。

このレーベル、アナログイズムを貫いていてリリース数も気合いが入っている。応援し続けるぞ。


発売時に「Back 2 Basic。時代が一回りして音楽を満たす素養と基本のグルーヴこそが最先端なんだということを確認しました。温かく、そして獰猛」というコメントを寄稿させてもらいましたが、半年以上経っても普遍の香りが漂ってきているし、普通に聴いてる。フロアも暖め続けている。クアンティック=ウィル•ホランドの充実作。このレーベル、アナログイズムを貫いていてリリース数も気合いが入っている。応援し続けるぞ。

やりたいこと、欲しい音は全てこのアルバムでやりきった。


やりたいこと、欲しい音は全てこのアルバムでやりきった。いちリスナーとして「こういう音楽が聴きたかった」を実現できたと思う。超パーソナルな雰囲気で恐縮ですがでもそういうのって制作者特権だもんね。こうやってリスナー生活を続けていると誰かに聴かせる、商業に貢献する以前に具体的に「こんなアルバムが欲しい」という青写真ができるので、それを具体化しただけというか。CDを購入すると7インチアナログが付いてくる特典っていうのもちょっとした夢だったのでそれも実現できたし。


『moderno』selected by 須永辰緒も宜しくお願いします!!


いつもレコードのことばっかり言ってますがCDだって買いますよ。その中でもあまり雑誌などで紹介したことの無いものをピックアップしました。お店に足を運んで出会ったお気に入りの一枚なんていうのは、ちょっとした思い出になります。このコーナーが購入のきっかけになってもらえたら光栄です。
(須永辰緒)





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