'09年発表｡ｿﾛ活動が間に挟まれようと必ず2年ごとに新作を届けてくれる彼らの､3月ﾃﾞｼﾞﾀﾙ･ﾘﾘｰｽ済み9作目｡例によって､難解になる一歩手前の謎が各楽曲に用意されており､楽しいことこの上ない｡9分を超える最終曲は映画でも観ている感覚で長さを感じさせない｡

SFAは現在英国で最高のメロディを紡ぐバンドだ。”最高のメロディバンド”というと、およそXTCをはじめとしたBeatles直系のバンドが思い出されるが、彼らにはもっとオリジナリティがあり、器用で多彩、しかも常に遊び心に溢れていて、変にシリアスぶらない。おもしろいのはP=マッカートニーやB=ウイルソンはXTC等のBeatles直系バンドをあまり評価しないのに、SFAは結構好きらしいこと。

'05年発表｡ﾌﾛﾝﾄのｸﾞﾘﾌ･ﾘｰｽのｿﾛ･ﾜｰｸを経て到着した7枚目のｵﾘｼﾞﾅﾙ･ｱﾙﾊﾞﾑ｡ﾋﾞｰﾁ･ﾎﾞｰｲｽﾞに端を発するｿﾌﾄ･ﾛｯｸ的なﾊｰﾓﾆｰ感覚を､ｻｲｹﾃﾞﾘｯｸに際立たせているが､全編に漂うｱﾅﾛｸﾞなﾑｰﾄﾞと意表を突いたｱﾚﾝｼﾞは､『原子心母』期のﾋﾟﾝｸ･ﾌﾛｲﾄﾞにも通じる奔放な魅力を放つ｡