SACD

Symphonies Nos.12, 15 : Eliahu Inbal / Tokyo Metropolitan Symphony Orchestra (Hybrid)

Shostakovich, Dmitri (1906-1975)

User Review :5.0
(1)

Item Details

Genre
:
Catalogue Number
:
OVCL00605
Number of Discs
:
1
Label
:
Format
:
SACD
Other
:
Hybrid Disc

Product Description


ショスタコーヴィチ交響曲第12、15番
エリアフ・インバル&東京都交響楽団


インバル&都響によるショスタコーヴィチ・シリーズは、交響曲第5番が「並み居る名盤の中でもその最高峰の演奏である」として高い評価を得たほか、交響曲第4番が2012年度レコード・アカデミー賞交響楽部門を受賞するなど、高い評価を受けてきました。
 シリーズ第4弾となる今回は、交響曲第12番『1917年』と交響曲第15番を収録。引用の多い作品としても知られるこれら2曲は、ソロイスティックな面白さやトゥッティの迫力あるサウンドなどオーディオ的な魅力を備えた聴きどころも多数。インバル&都響の情報量の多いサウンドがふさわしい作品ともいえそうです。

【交響曲第12番『1917年』】
1961年に完成した交響曲第12番は『1917年』というタイトルを持つ作品。共産党大会の祝賀行事の一環として初演されたこの『1917年』は、1917年10月のロシア革命とレーニンに関するものとされています。作曲当時のソ連は、フルシチョフ書記長のスターリン批判のもたらした「雪解け」ムードの中、領空侵犯してきたアメリカ軍のU2偵察機の撃墜&パイロットの裁判により、米ソ関係が緊張を迎えることになった時期でもあります。
交響曲第2番『十月革命に捧げる』と共通の素材も用いられるこの作品は、レーニンにより実現した、ロマノフ王朝の圧政に対する蜂起と革命理念を描いたもので、その後、レーニンの死により、スターリンに踏みにじられることとなった実際のソ連を考えれば皮肉な作品とも言えますが、楽曲中には革命歌の引用などもおこなわれており、革命当初の姿を歴史的視点から捉えるという意味合いでは、真実味の感じられる音楽でもあります。


【交響曲第15番】
ショスタコーヴィチ最後の交響曲で死の前年に書かれています。晩年のショスタコーヴィチは、勲章授与などさまざまな栄誉に浴し、なおかつ要職にも任ぜられるなど社会的には厚遇の中にありましたが、一方で右足の骨折や、二度の心筋梗塞などによる健康面での不安に苛まれてもいました。交響曲第15番では、ロッシーニ、ワーグナー、ハイドンの作品のほか、自作の交響曲第1番、第2番、第4番、第7番からの引用がおこなわれ、パロディ作品としての側面が強くなっている一方、第2楽章アダージョでは、晩年ならではの独特の暗い美しさを示しているのが印象的。(HMV)

【収録情報】
ショスタコーヴィチ:
● 交響曲第12番二短調 op.112『1917年』
● 交響曲第15番イ長調 op.141

 東京都交響楽団
 エリアフ・インバル(指揮)

 録音時期:2011年12月20日(第12番) 2016年3月29日(第15番)
 録音場所:東京、サントリーホール(第12番) 東京文化会館((第15番)
 録音方式:ステレオ(DSD/ライヴ)
 SACD Hybrid
 2ch HQ (CD STEREO/ SACD STEREO)

Track List   

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

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インバルと都響のショスタコーヴィチ・ツィ...

投稿日:2016/11/11 (金)

インバルと都響のショスタコーヴィチ・ツィクルス、12番・15番というやや珍しいカップリングの登場だ。演奏時間の比較的短い2曲を組み合わせるのは英断。両曲ともこのコンビらしい硬軟併せ持つスタイルが発揮されており、弦・管ともに都響らしい正確性としなやかなフレージングが堪能できる。インバルのアプローチの根本はデンオンに録音したウィーン響との全集と変わっていないが、甘さを切り捨てるような旧盤に比べ、より膨らみのある音楽への志向・自然なテンポ変化などがこの新盤では感じられる。ウィーン響というやや不器用ながらアクの強い音色を保つ楽団に対して、正確無比ながら音色の個性はまずまずな都響というオーケストラの違いも加味せねばなるまい。最後に蛇足ながら、両曲の実演を聴いた筆者の印象を少々記しておきたい。第12番は強烈な推進力を持った熱演、第15番は速めのテンポの中に多くの要素を凝縮した佳演といった印象だった。しかし面白いことに、録音を聴く限りではこの2曲にさほど差はないのだ。インバルという指揮者のショスタコーヴィチ観の堅牢さを改めて感じるとともに、優秀な(音量は小さいが!)録音でそれらを細部まで反芻できる喜びに感謝したい。

たくぽん さん | Tokyo | 不明

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