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Ivo Pogorelich Complete DG Recordings (14CD)

User Review :4.5
(5)

Item Details

Genre
:
Catalogue Number
:
4794350
Number of Discs
:
14
Format
:
CD
Other
:
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Product Description


ポゴレリチ/DG録音全集(14CD)

異端のピアニスト、ポゴレリチが22歳から36歳にかけてドイツ・グラモフォンで制作した14枚のアルバムを全部集めたお買得ボックス。それぞれのディスクはオリジナル通りの曲目でオリジナル・デザインの紙ジャケットに封入されています。
 巨大な『展覧会の絵』や、怒涛のようなショパンのスケルツォなど、当時のポゴレリチの演奏は唯一無二の解釈で彩られたものが多く、今聴いてもその衝撃力には凄いものがあります。
 クロアチア人の父とセルビア人の母の間に生まれたポゴレリチは、1980年のショパン・コンクールでの賛否両論により、アルゲリッチが抗議して審査員を辞任するという騒ぎがありましたが、そのせいでかえって注目を集め、4ヶ月後にはドイツ・グラモフォンへのレコーディングを開始し、ほどなくカーネギー・ホールでデビュー・リサイタルもおこなうという華やかなキャリアをスタートすることになります。
 ポゴレリチの音楽に決定的な影響を与えたのは、18歳から教えを受けたグルジア人ピアニストのアリザ・ケゼラーゼ(ケジェラッゼ)でした。ケゼラーゼからの影響は音楽だけにとどまらず、ポゴレリチはショパン・コンクールの年に熱烈に求婚して21歳年上の彼女と結婚、大胆な解釈をさらに深め、精力的でユニークな演奏活動を展開します。しかし彼女が1996年に癌で亡くなってしまうと、ポゴレリチはレコーディングをやめてしまい、さらに4年後に父親も失うと重度の鬱病のために演奏活動から一時退くこととなってしまうのです。
 現在は再びユニークな演奏活動を展開しているポゴレリチですが、彼がドイツ・グラモフォンでつくりあげた素晴らしいアルバムの数々は、今後もその輝きを失うことはないでしょう。ちなみに1995年に録音されたショパンのスケルツォは、亡くなったアリザ・ケゼラーゼに捧げられています。(HMV)

【収録情報】

Disc1
ショパン:
● ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調 Op.35『葬送行進曲付』
● 前奏曲 嬰ハ短調 Op.45
● スケルツォ第3番嬰ハ短調 Op.39
● 夜想曲 変ホ長調 Op.55-2
● 練習曲 ヘ長調 Op.10-8
● 練習曲 変イ長調 Op.10-10
● 練習曲 嬰ト短調 Op.25-6

 イーヴォ・ポゴレリチ(ピアノ)

 録音時期:1981年2月
 録音場所:ミュンヘン、ヘルクレスザール
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
Disc2
● ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番ハ短調 Op.111
● シューマン:交響的練習曲 Op.13
● シューマン:トッカータ ハ長調 Op.7

 イーヴォ・ポゴレリチ(ピアノ)

 録音時期:1981年9月
 録音場所:ミュンヘン、ヘルクレスザール
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
Disc3
ショパン:
● ピアノ協奏曲第2番ヘ短調 Op.21
● ポロネーズ第5番嬰ヘ短調 Op.44

 イーヴォ・ポゴレリチ(ピアノ)
 シカゴ交響楽団
 クラウディオ・アバド(指揮)

 録音時期:1983年2月
 録音場所:シカゴ、オーケストラ・ホール
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
Disc4
● ラヴェル:夜のガスパール
● プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第6番イ長調 Op.82『戦争ソナタ』

 イーヴォ・ポゴレリチ(ピアノ)

 録音時期:1982年10月
 録音場所:ミュンヘン音楽大学
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
Disc5
● チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 Op.23

 イーヴォ・ポゴレリチ(ピアノ)
 ロンドン交響楽団
 クラウディオ・アバド(指揮)

 録音時期:1985年6月
 録音場所:ロンドン、ワトフォード・タウン・ホール
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
Disc6
J.S.バッハ:
● イギリス組曲第2番イ短調 BWV.807
● イギリス組曲第3番ト短調 BWV.808

 イーヴォ・ポゴレリチ(ピアノ)

 録音時期:1985年10月
 録音場所:スイス、ラ・ショー・ド・フォン
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

遅いテンポ設定に驚かされるバッハ。同様に遅い演奏のグールドが、各曲の関連性やその性格の多様性を提示するスキルに長けていたとすれば、このポゴレリチはより自由な演奏スタイルで、現代ピアノの多様な響きと機能性、そして作品の和声構造と立体性を追求したものと言えるかもしれません。
Disc7
● ショパン:24の前奏曲 Op.28(全曲)

 イーヴォ・ポゴレリチ(ピアノ)

 録音時期:1989年10月
 録音場所:ハンブルク、フリードリヒ・エーベルト・ハレ
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

「24の前奏曲」の代表的名盤とされるポリーニ盤のトータル・タイムが37分、アルゲリッチ盤が33分なのに対し、このポゴレリチ盤は実に45分を要しています。といってもピリス盤(41分)のように全体が遅めなのではなく、速い部分は速く、遅い部分はより遅くという流儀が徹底されているためなのですが、中でも圧巻なのは、曲集の白眉でもある『雨だれ』でしょう。ポゴレリチはここで7分22秒もかけ、なおかつ圧倒的な重みを持った打鍵により、作品に内蔵される深い情感をえぐりだしているのです。通常のマジョルカ島の雨といったようなイメージではなく、雨がもたらす人間のさまざまな思いを描いたとしか思えないすごい演奏です。その他の曲も、ポゴレリチならではの克明な性格づけが印象的な仕上がりとなっており、曲によってはアルゲリッチよりも速いテンポで弾かれるなど、その表現レンジの広大さは驚くばかりです。
Disc8
● リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調
● スクリャービン:ピアノ・ソナタ第2番嬰ト短調 Op.19『幻想ソナタ』

 イーヴォ・ポゴレリチ(ピアノ)

 録音時期:1990年12月
 録音場所:ハノーファー、ベートーヴェンザール
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
Disc9
ハイドン:
● ピアノ・ソナタ第46番(31番)変イ長調 Hob.XVI:46
● ピアノ・ソナタ第19番(30番)ニ長調 Hob.XVI:19

 イーヴォ・ポゴレリチ(ピアノ)

 録音時期:1991年8月
 録音場所:ハノーファー、ベートーヴェンザール
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
Disc10
D.スカルラッティ:
● ソナタ ホ長調 K.20/ L.375
● ソナタ ホ長調 K.135/ L.224
● ソナタ ニ短調 K.9/ L.413
● ソナタ ニ長調 K.119/ L.415
● ソナタ ニ短調 K.1/ L.366
● ソナタ ロ短調 K.87/ L.33
● ソナタ ホ短調 K.98/ L.325
● ソナタ ト長調 K.13/ L.486
● ソナタ ト短調 K.8/ L.488
● ソナタ ハ短調 K.11/ L.352
● ソナタ ト短調 K.450/ L.338
● ソナタ ハ長調 K.159/ L.104
● ソナタ ハ長調 K.487/ L.205
● ソナタ 変ロ長調 K.529/ L.327
● ソナタ ホ長調 K.380/ L.23

 イーヴォ・ポゴレリチ(ピアノ)

 録音時期:1991年9月
 録音場所:ハノーファー、ベートーヴェンザール
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
Disc11
ブラームス:
● カプリッチョ 嬰ヘ短調 Op.76-1
● 間奏曲 イ長調 Op.118-2
● 2つのラプソディ Op.79
● 3つの間奏曲 Op.117

 イーヴォ・ポゴレリチ(ピアノ)

 録音時期:1991年7月
 録音場所:ハノーファー、ベートーヴェンザール
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

遅いテンポで作品にじっくり取り組んだ演奏ながら、弛緩の表情を一切見せず一貫したテンションを持続することに成功しています。いずれの曲も、1音1音克明かつ丹念に弾きこみながら決して情緒過多にならず、知と情のバランスを拮抗させる手腕がさすがです。
Disc12
● ムソルグスキー:展覧会の絵
● ラヴェル:高雅で感傷的なワルツ

 イーヴォ・ポゴレリチ(ピアノ)

 録音時期:1995年8月
 録音場所:ロンドン、ヘンリー・ウッド・ホール
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

42分を超える『展覧会の絵』、20分近いラヴェルと、ほとんど異常とも思えるテンポ設定。しかもそのテンポならではのエグイばかりの細部強調と音色操作によって、作品から新たな可能性を引き出してしまうポゴレリチの大傑作。

Disc13
モーツァルト:
● 幻想曲 ニ短調 K.397
● ピアノ・ソナタ第5番ト長調 K.283
● ピアノ・ソナタ第11番イ長調 K.331『トルコ行進曲付き』

 イーヴォ・ポゴレリチ(ピアノ)

 録音時期:1992年6月
 録音場所:ハンブルク、フリードリヒ・エーベルト・ハレ
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
Disc14
ショパン:
● スケルツォ第1番ロ短調 Op.20
● スケルツォ第2番変ロ短調 Op.31
● スケルツォ第3番嬰ハ短調 Op.39
● スケルツォ第4番ホ長調 Op.54

 イーヴォ・ポゴレリチ(ピアノ)

 録音時期:1995年9月
 録音場所:ワトフォード、コロッセウム
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

その攻撃的なまでの情熱の激しさと、めくるめく転調によってもたらされる数多くの優美な楽想の交錯が、ショパン作品の中でも、随一と言って良い強烈なロマンを発散する《スケルツォ》。
 ポゴレリッチのアプローチは、これまでのどの演奏よりも表情づけが濃く、大胆なピアニズムには圧倒されるばかり。冴えわたる音質も特筆ものです。アレグロ部分など早い箇所は疾走するかのようなスピードで、反対に中間部では非常にゆっくりした速度に変えて旋律や内声部を紡ぎ出すという、大胆ともいえるテンポの緩急の対比が衝撃的です。
 音色面でも一種ドスを利かせた激しい音色と、軽妙で叙情豊かな瑞々しい音色など柔と剛を対比させることで、ショパンの音楽から面白いほどドラマの起伏と多面性を引き出しています。

Track List   

Disc   1

  • 01. 1. Grave - Doppio Movimento
  • 02. 2. Scherzo - Pi Lento - Tempo I
  • 03. 3. Marche Funbre (Lento)
  • 04. 4. Finale (Presto)
  • 05. Sostenuto
  • 06. Scherzo No.3 in C Sharp minor, Op.39
  • 07. Nocturne No.16 in E Flat, Op.55 No.2
  • 08. No. 8. in F
  • 09. No. 10. in a Flat
  • 10. No. 6 in G Sharp minor

Disc   2

  • 01. 1. Maestoso - Allegro Con Brio Ed Appassionato
  • 02. 2. Arietta (Adagio Molto Semplice E Cantabile)
  • 03. Theme. Andante
  • 04. Etude I
  • 05. Etude II
  • 06. Etude III
  • 07. Etude IV
  • 08. Etude V
  • 09. Etude VI
  • 10. Etude VII
  • 11. Etude VIII
  • 12. Etude IX
  • 13. Etude X
  • 14. Etude XI
  • 15. Etude XII (Finale)
  • 16. Toccata in C, Op.7

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Comprehensive Evaluation

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ショパンコンクールの時は異端視されていま...

投稿日:2021/03/13 (土)

ショパンコンクールの時は異端視されていましたが、現在聞くと違和感は感じられません。ただ解釈の一つとして感じられます。

aguri さん | 不明 | 不明

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非常に切れ味鋭く、それでいて繊細かつユニ...

投稿日:2016/08/10 (水)

非常に切れ味鋭く、それでいて繊細かつユニークな演奏が多いと思います。テクニックと表現力は見事というより外にありません。しかし、彼への世間一般の評価同様、このボックスに収められたCDで演奏されている「音楽」も、最上級に素晴らしいものと、「あれれ?」と思うものが混在しています。白眉はラヴェルの「ガスパール」とプロコフィエフ6番、これは今後これを超える演奏が出るのかな、と思えるほど。意外に(?)スカルラッティやバッハ、あるいはハイドンなどが聴きごたえがありおもしろい。チェンバロを意識せず、あくまでピアノとして弾こうとしているのが素晴らしいと思います。しかし、モーツアルトは幻想曲以外は「?」。極めつけの問題作がブラームス。Op.76-1を選んだのはいかにも彼らしい選曲で、これは遅いテンポが見事にはまった、彼がこの曲に求めたものが見える名演ですが、次のOp.118-2は何だろう。アファナシェフ以上の遅いテンポで、しかもそれが何の必然性も持たないため、完全に音楽が空中分解しています。協奏曲がこれまた問題作。もっともこれはアバドの責任によるところが大きすぎます。ショパン2番は最高の名演でしょう。自在な弾きまわしのポゴレリッチをアバドがよく支えています。正直言って、アバドの演奏、特に協奏曲のサポートは、私の聴く限りダメなものが多く(ペライアとのシューマンは特にひどい!)、正直まったく期待していなかったのですが、これは大番狂わせ。ショパンの協奏曲は、意外にオケが重要で、オケがひどいと全部台無しになります(典型がルービンシュタイン/ウォーレンシュタイン盤)。きっちり充実した響きで、それでいてピアノを十分に立てなければならないという、なかなかの難物だと思うのですが、その点アバドの演奏は完璧です。しかし、チャイコフスキー1番は予想通りの(?)アバドの凡演にひきずられ、せっかくのピアノも台無し。この14枚の中で、これが一番ダメかな。その他も、ショパンのスケルツォ1番や4番のような超ド級の名演奏から、ラヴェルのワルツのような空中分解したものまで玉石混交(?)。とにかく凡演はひとつもありません。素晴らしいか、「あれれ」かのどちらかしかありません(要は聴き手の好みに合うか合わないか、ということかもしれませんが)。一人の演奏家のボックスで、こんなものも珍しい。というわけで、ボックス全体とすれば、中をとって☆3つにするしかないな、というところです。しかし、勝手気ままに弾いているピアノでは決してない、計算しつくされた、それでいて自由奔放で豊かな表現のできる稀有のピアニストだ、ということは声を大にして言いたいと思います。

Papachan さん | 北海道 | 不明

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スカルラッティ/ソナタ集、バッハ/イギリス...

投稿日:2015/10/26 (月)

スカルラッティ/ソナタ集、バッハ/イギリス組曲が絶品。その他は、一部の作品において聴き慣れないトリッキーさに違和感を感じるものもありますが、彼にとっての熟慮の結果であることは理解できる。一見派手に感じるが、実は内面には非常にデリケートな心を持った演奏家なのでは?と感じさせられる部分が多くあった。

segovia さん | 愛知県 | 不明

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