Real Life

ザヴィヌル･シンジケートのドラマー/パーカッショニストとして、マニアックにも、大きく注目を浴びたパコ･セリー、実に12 年振り、待望のリーダー作の登場。言うまでもなく、ザヴィヌル･シンジケートとは、世界の才能を引き入れ、多国籍なクロス･オーヴァー･ミュージックを展開したことで有名。一世を風靡したリチャード･ボナもザヴィヌル･シンジケートでブレイクしたことも説明不要の事実ながら、実は、そのボナとの共演や、一説では、ボナを引き入れたのこそ、パコ･セリーとも言われるのだから、その存在力の大きさは想像するに余りあると言えるでしょう。

しかし、ザヴヌル云々の前にもあまりにもたくさんのドラマを持っているのが、このセリー。58 年コートジボアール生まれのセリーは79 年エディ･ルイスの目に止まってフランスへ。その後たくさんのアメリカ人ミュージシャンと知り合った中でモンティ･アレキサンダーと出会い、そのモンティ･アレキサンダーの紹介で、ジャコ･パストリアスとの共演へ。85年29歳の時にケニー･カークランド、ジャコ、セリーでトリオ･セッション。その後ジャコとは2 年のコラボ。その後、フランスの人気Fusion グループSixun のメンバーとして活躍した、というエピソードの数々は、クロス･オーバー･ファンの心を揺さぶってやまないものでしょう。

しかし、意外にもこれでリーダー作は第二作目。第一作目はBlue Note からで、もはや入手も難しくなっているだけに、本作はその才能を感じられる何と言っても貴重な作品で、パコ･セリーの魅力に溢れる作品！一言で言って、カラフルなサウンド、エネルギッシュでグルーヴしまくるリズム！そして、9 年に及ぶザヴィヌル･シンジケートでの活動から得た、POPなコンポジション。組みするアーティストにはセネガルが生んだ才能Alune Wadeの顔もあり、アフリカン･グルーヴと、フランスでの活動から得たソフィスティケートされたサウンドのブレンド具合は絶妙に・・・

また、見逃せないのが、アドリアン･フェロウの参加！！アドリアンといえば、ジョン･マクラフリンやジョン･スコフィールドのグループに抜擢された若き才能。フランスDreyfusからリーダー作をリリースした際には、ジャコの再来と言わしめたベーシスト。しかも、参加曲はズバリ、ジャコへのトリビュート曲。この超絶のベース･プレイはやっぱりぶっ飛びものなのです。パコ･セリーとのグルーヴ最高！です。他、エリック･レニーニも一曲参加。グルーヴにこだわるこの所のレニーニらしく、切れの良いソロも聴かせてくれます。兎にも角にも、国境をまたぎジャンルを軽々股ぐセリーの作品は自由でクリエイティヴ。作品は4歳の娘に捧げたのだとか。父として、自らの音楽を出し切った作品を捧げるというのも素敵。注目のリリースです！

Paco Sery (drums, percussions, lead vocal, backing vocals, keyboards, vocoder, guitar, acoustic guitar, slide guitar, rhythm guitar. Electric bass on 8) Eric Mouquet (keyboards), Haken Continum (Fingerboard) Olivier Ajavon (rhythm guitar, wawa guitar, backing vocals 2, 3, 6, 7, 10, 11) , Yvon Rosillette (rhythm guitar 2, 3), Antonin Fresson (guitar 12). Alune Wade (electric bass 2, 3, 6, 10), Hadrien Feraud( electric bass 4, 7, 9, 11) Cedric Duchemann Rhodes(keyboards 3, 9, 10, 11, 12) Fred Dupont (organ B3, Moog 3), Eric Lenigni (piano solo 7)

Horns:
Emile Parisien (alto and soprano saxophones), Nicolas Zitte(tenor saxophone) Francois Sabin(baritone and tenor saxophones) ,Manu Gablain (trumpet 2, 3, 7, 10 ,11), Serigne Diagne(muted trumpet 3) Jowee Omicil(soprano and alto saxophones 6) Eric “Rico“ Gaultier (alto and soprano saxophones 8, 9, 10, 11) Thomas Henning (trombone) , Antoine Berjeaut(trumpet 8, 9, 10) Nicolas Genest(trumpet 11)

Guest :
Alain Debiossat (3, 11 alto and tenor saxophone) Ze Luis Nacimento (percussions 7, 9, 11) Tony Freebird (percussions 13, 14) , Isabel Gonzalez and Marie-Line Marolany (backing vocals 2, 10, 12) , Sophia Nelson(voice 7, 10) , Yuki Mouquet (voice 5) , Les Toure Kunda (voice 12) Demi Evans (lead voice 3, 10), Julie Fuchs(lead voice 9 and backing vocals) , Spellz aka Louis Katerz (rap 3) , Sixu Daby Toure aka Kory( rap 12)