今や、日本の中で屈指の指揮者に成られた広上さんの、33歳の時の録音です。アイネ・クライネ・ナハトムジークでのチャーミングな演奏と、交響曲第７番「リズムの爆演」が楽しめます。ティンパニの皮を破らんばかりにぶっ叩かせる広上さんに、ティンパニ奏者の方はたじろがれたのでしょう。

ほぼ全般的に音はデッドでかなりオンマイク気味です。生々しい音とも言えます。個人的にオケはちょっとうるさくて邪魔な印象です。ベトソナはアマデオ盤より勢いがある演奏です。小綺麗にまとまり過ぎないとてもバランスの良い演奏だと思います。私には判りませんが、他の方が指摘されている「運指」の影響でしょうか？アマデオ盤をお持ちの方も是非聴いて頂きたい演奏です。価格も激安ですし曲数も多いので是非購入して頂きたいお薦めの作品です。

まず音のよさにびっくり。53年とは思えない。カザルスのバックは2人のソリストを力強く盛りたてます。カザルスのオーラの下にいるからこそ、グリュミオーもホルショフスキもさらに生き生きと、輝かしく聞こえるような気がします。感興にのって、グリュミオーのモーツァルトは伸縮自在。美音の上に、はば立つような感情が加わり、聴衆は幸福に浸ります。…こんな、きれいごとでない音楽会に出会いたいなあ…と、ひしひしと感じます。