CD

Hikashu
User Review :5.0
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Item Details

Genre
:
Catalogue Number
:
EGDS42
Number of Discs
:
1
Label
:
Format
:
CD
Other
:
Paper Sleeve, Remaster

Product Description

'79年にシングル『20世紀の終りに』'80年2月にアルバム『ヒカシュー』でデビュー、に続き、話題を呼んでのセカンド・アルバム「夏」は'8O年4月からレコーディングに入り、7月にリリースされた。

現在、音楽雑誌や書籍の出版で知られる白夜書房はかつてセルフ出版という名前で、主に自販機本やアダルト雑誌を出していたのだが、その一つにウイークエンド・スーパー(以下WESと略す)があった。
名エディター末井昭の過激な編集の下に、荒木経惟、南伸坊、赤瀬川原平、平岡正明、上杉清文、その他ソウソウたる文化人が一堂に会して、それぞれメジャーヘのステップボードにしていったという、まあ[遊]や[HEAVEN]と並んで'70年代末期のサブ・カルチャーを代表する記念碑的な雑誌だったのだ。WESには巻上も「巻頭美少女インタビュー」「食欲さんコンニチワ」といった連載コラムを書いたりして深くかかわっていて、そのへんの人脈が後のハンジョー・オールスターズなどにつながることになる。'82年リリースのベスト盤「ヒカシュー・スーパー」のタイトル・ロゴもWESから取られたわけです。さてWES絶頂期の'78年9月号の特集ページは[愛情スイカ読本]というもので、南伸坊が脳天スイカ割り名人になったり、スイカに恋した男がスイカとSEXするとかいうデタラメなものでしたが、これにインスパイアされたヒカシューがこの『夏』のジャケットにおいて全員スイカを抱えることになったのでした。*1

*1 スイカの行進はオリジナルな発想でWESの [愛情スイカ読本]とはまったく関係ありません。できあがりつつあった戸辺の曲を寝ながら聴いていた巻上が、。「スイカが行進してるみたいだね」と言ったのがはじまり。

では、それぞれの曲について、当時のヒカシューのライヴの雰囲気なども混じえて触れておきましよう。

1.アルタネイティヴ・サン*1
1stに続いて近田プロデュースの本作で唯一、この曲だけ加藤和彦プロデュースになっております。近田=トノバンのコンビは同時期にベンチャーズの『カメレオン』というアルバムもプロデュースし、'80年8月13日には渋谷公会堂で、ヒカシューとベンチャーズのジョイントという信じられないコンサートも開かれた。'84年頃、ライヴのゲストに来るはずのトノバンか来なくて、しかたなしに巻上がフォーク・クルセイダーズの「コブのないラクダ」を歌ったこともあった。Alternativeはオルターナーティヴなどと発音する人もいるが「次にくるもの」といった意味で'80年代初頭にハヤった言葉。曲は1stにはなかったハードなサウンドで、間奏にはディーヴォの「モンゴロイド」のコード進行*2を引用している。

*1後に、スローで不気味な呪術的サウンドにアレンジし直し、巻上のソロアルバムに収録された。
*2 「モンゴロイド」のコード進行を引用していません。まったく違います。残念ながら。(巻上)

2.不思議のマーチ
デビュー前からライヴでも演奏され、その頃は「スタンド・アップ」というタイトルだった。後に、町田市民ホールのライヴで、最前列の車イスの人達に「スタンド・アップ」とけしかけて驚かせた。

3.パイク
山下は自分の曲では、これがベストと語っている。ジョージ・C・スコット出演のオカルト映画『チェンジリング』のイメーシ・ソングとなりシングル・カットされ、B面は英語バージョンが収められた。ベンチャーズも前述『カメレオン』で演奏している。モチーフは、ジョイスの巨編小説「ユリシーズ」から取られたらしい。ステージでも必ずクライマックスに演奏され、巻上のアクションも、垂直ぶったおれ率が最も高かった。

4.イルカは笑う
  歌詞も曲調もちょっとエロティックな印象。それに照れて1分半の小品にまとめてしまったのではないか。

5.モーニング・ウォーター
メンバー中、少女ファンに熱狂的人気を誇った戸辺が唯一リード・ボーカルを取った曲。

6.謎の呪文
'70年代なら確実にアングラになってたような、シュールな詞と実験的なサウンドをあくまで明るく楽しい音楽に仕立てあげるのがヒカシューの音楽史的功績だ。

7.オアシスの夢
この曲は『白いハイウェイ』に続いてクラリオンのCMソングとなり、オンエアでは別バージョンが使用されたが、結局シングルにはならなかった。ドラムのビートははスカっぽい。ちなみに本作では12曲中9曲と、ほぼ全面的にジューシー・フルーツのドラマー高木利夫が参加している。

8.マスク
実にブレイクの多い曲だが、ライヴではインプロビゼイションが入り、えんえん5分以上に及ぶ事もあった。

9.ふやけた■■
  海琳のボーカル。■■は中国では猿の物が珍味とされる頭骨内部にあるヤツだ。差別用語に当るかも、という自主規制により伏せ字にされたプレッシャーが逆に曲の面白さを引き立てている。

10.スイカの行進
本作のコンセプトを表したテーマ曲とも言えるナンバー。井上は「ぼくは行列や行進を見るだけでワクワクしてしまうという、高級な趣味を持ってます」と語っている。シンドラが効果的。

11.ビノ・パイク
山下得意の変拍子ミニマルものインスト。井上のストリングス系のシンセの音作りもセンス抜群。

12.瞳の歌
ブライアン・フェリイを思わせるラヴ・ソング。かつて巻上はロキシー・ミュージックのファンクラブ会長だったのだ。

ちなみに当時のヒカシューは、ライヴではほとんどドラマーを便わず、山下のリズム・ボックスでまかなっていたが、それによって、かえって自由で奇想天外なパフォーマンスを実現させていた。ステージの上にコタツを持ちこんだり、屋外ステージの最中、ワイヤレス・ギターを弾きながら、走ってどっかに行っちゃったり、とにかく既成のロックヘの批評を「遊び」によって表し、音楽性より精神性での「テクノっぽさ」を最も体現していたグループが、ヒカシューだったのだ。

'89・8/岸野雄一+加藤賢崇

Track List   

  • 01. アルタネイティヴ・サン
  • 02. 不思議のマーチ
  • 03. パイク
  • 04. イルカは笑う
  • 05. モーニング・ウォーター
  • 06. 謎の呪文
  • 07. オアシスの夢
  • 08. マスク
  • 09. ふやけた■■
  • 10. スイカの行進
  • 11. ビノ・パイク
  • 12. 瞳の歌

Customer Reviews

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'80年発表。プラスチックス、Pモデルとともに"テクノ御三...

投稿日:2009/07/12 (日)

'80年発表。プラスチックス、Pモデルとともに"テクノ御三家"と呼ばれていたころの2作目。前作に比べリズム・ボックスは減ったものの、アナログ・シーケンサーによるチープな"ピコピコ"シーケンスや、銘機ジュピター8の魅力を遺憾なく発揮した音色&フレーズなどが聴かれ、この時期がもっともテクノっぽかった。 ただし、全体の音楽性はどちらかというとニューウェイヴ的。哲学的でシュールな詞、実験的で奥が深いサウンド、演劇性あふれるパフォーマンスなどをサラリと陽気に仕立てる遊び心いっぱいのアイデア精神、という面でテクノ的だったといえる。また、彼ら特有のイナタサもあり、テクノ界の異端児として君臨することに!?

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