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Willem Mengelberg The Concertgebouw Recordings (15CD)

User Review :4.5
(3)

Item Details

Genre
:
Catalogue Number
:
4807636
Number of Discs
:
15
Label
:
Format
:
CD
Other
:
Import

Product Description

メンゲルベルク/コンセルトヘボウ録音集(15CD)
バッハ、ベートーヴェン、ブラームス、ほか


往年の巨匠の中でも特にユニークな芸風の持ち主、ウィレム・メンゲルベルク[1871-1951]は、コンセルトヘボウ管弦楽団との活動で特に有名。
 今回、イタリア・ユニバーサルから登場するセットは、かつてPHILIPSからリリースされ人気のあった音源を集めたもので、有名なベートーヴェン交響曲全集やマタイ受難曲、ブラームスのドイツ・レクィエム、マーラーの交響曲第4番、フランクの交響曲二短調、シューベルトの未完成とグレート、そしてブラ1ほかという構成となっています。
 これらの音源は、戦中・戦前の録音としては状態の良いもので、メンゲルベルクならではの表現の面白さを十分に楽しむことができます。
 ブックレットはイタリア語・英語併記となります。

【バッハ:マタイ受難曲】
1939年の棕櫚の日曜日(4月2日、復活祭直前の日曜日)にオランダ放送によって収録されたライヴ録音。メンゲルベルクがアムステルダム・コンセルトヘボウ管の指揮者となった1899年以来、毎年この祝日に演奏されてきたマタイ受難曲ですが、録音が遺されたのはこの年のみとなります。
 昔のバッハの大作演奏で特徴的な、壮大で深刻な表現様式を代表するものといえ、深い感動や精神性、痛切さ、共感というキーワードを感じさせるスタイルは、当時のヨーロッパの不穏な空気を反映したものではないかとも言われています(オランダは1年後にはドイツによって空爆を受け蹂躙されることとなり、戦争が終わるまでに膨大な数の人々が犠牲となっています)。

【バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番】
1939年3月23日におこなわれた初演のライヴ録音。作曲依頼者で作品を献呈されてもいるハンガリーの名ヴァイオリニスト、ゾルターン・セーケイは、単一楽章を提案したバルトークに対し、伝統的3楽章構成による演奏効果の向上を主張した人物。ここではセーケイ自身がメンゲルベルクと組んだ熱気あふれる初演の様子を聴くことができます。

【ベートーヴェン:交響曲全集】
第3番以外は1940年におこなわれたベートーヴェン・チクルスのライヴ録音。第3番については、テレフンケン・レーベルによる同年11月のセッション録音が使用されています。
 第9番終楽章コーダ大詰めでの急ブレーキや、第4番と第7番第2楽章での濃密な演奏はつとに有名。といってもそういったエキセントリックな部分はごく一部で、全体的にはアグレッシヴな迫力に満ちた演奏に仕上がっています。

【ブラームス:ドイツ・レクィエム】
1940年11月7日ライヴ録音。マタイに連なるロマン的・悲劇的な没入型の演奏です。

【ブラ1、ロザムンデ】
1940年ライヴ録音。ブラームスはメリハリの効いた緩急自在な音楽で、有名な終楽章の主題部分での遅いテンポによる過剰なまでの演出は実におもしろく、第2楽章でのリリシズム演出と合わせてかなりの聴きものとなっています。『ロザムンデ』間奏曲ではポルタメントが効果満点です。

【フランク、ドン・ファン】
1940年ライヴ録音。変幻自在なテンポで濃厚な表現が追求されたフランクの交響曲は、独自の魅力を持つ味な演奏。組み合わせの『ドン・ファン』も濃厚ですが、作曲者のリヒャルト・シュトラウス本人はメンゲルベルクの指揮に大きな信頼を置いていたといいます。

【マーラー第4番】
1939年11月19日ライヴ録音。マーラー本人と親交のあったメンゲルベルクによる有名な演奏。第1楽章冒頭ではめまぐるしいテンポ変化で曲想を巧みに描き出し、第3楽章では濃厚きわまりない表現を聴かせます。

【未完成、グレート】
『未完成』は1939年11月27日のライヴ録音ですが、1940年12月19日とする説もあります。『グレート』は、その1940年12月19日のライヴ録音となります。どちらも初期ロマン派ということで推進力のある演奏となっていますが、部分的にはやはり濃厚な場面があって楽しめます。(HMV)

【収録情報】
Disc1-3
J.S.バッハ:マタイ受難曲 BWV.244
 カール・エルプ(テノール:福音史家)
 ウィレム・ラヴェリ(バス:イエス)
 ジョー・ヴィンセント(ソプラノ)
 イローナ・ドゥリゴ(アルト)
 ルイス・ヴァン・トゥルダー(テノール)
 ヘルマン・シャイ(バス)
 ツァングルスト少年合唱団
 アムステルダム・トーンクンスト合唱団
 録音時期:1939年4月2日

Disc4
バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番 Op.112
 ゾルターン・セーケイ(ヴァイオリン)
 録音時期:1939年3月23日

Disc5
ベートーヴェン:交響曲第1番ハ長調 Op.21
 録音時期:1940年4月14日

ベートーヴェン:交響曲第2番ニ長調 Op.36
 録音時期:1940年4月21日

Disc6
ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調 Op.55『英雄』
 録音時期:1940年11月11日

Disc7
ベートーヴェン:交響曲第4番変ロ長調 Op.60
 録音時期:1940年4月25日

ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調 Op.67『運命』
 録音時期:1940年4月18日

Disc8
ベートーヴェン:交響曲第6番ヘ長調 Op.68『田園』
 録音時期:1940年4月21日

ベートーヴェン:歌劇『フィデリオ』序曲
 録音時期:1940年4月28日

Disc9
ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調 Op.92
 録音時期:1940年4月25日

ベートーヴェン:交響曲第8番へ長調 Op.93
 録音時期:1940年4月18日

Disc10
ベートーヴェン:交響曲第9番二短調 Op.125『合唱』
 トー・ファン・デル・スルイス(ソプラノ)
 スーゼ・ルーヘル(アルト)
 ルイ・ファン・トゥルダー(テノール)
 ウィレム・ラヴェッリ(バス)
 アムステルダム・トーンクンスト合唱団
 オランダ王立オラトリオ協会合唱団
 録音時期:1940年5月2日

Disc11
ブラームス:ドイツ・レクィエム Op.45
 ジョー・ヴィンセント(ソプラノ)
 マックス・クロース(バリトン)
 アムステルダム・トーンクンスト合唱団
 録音時期:1940年11月7日

Disc12
ブラームス:交響曲第1番ハ短調 Op.68
 録音時期:1940年10月13日

シューベルト:劇音楽『ロザムンデ』から(序曲/間奏曲第3番/バレエ音楽第2番)
 録音時期:1940年12月19日

Disc13
フランク:交響曲二短調
 録音時期:1940年10月3日

R.シュトラウス:交響詩『ドン・ファン』 Op.20
 録音時期:1940年12月12日

Disc14
マーラー:交響曲第4番ト長調
 ジョー・ヴィンセント(ソプラノ)
 録音時期:1939年11月19日

Disc15
シューベルト:交響曲第8番ロ短調 D.759『未完成』
 録音時期:1939年11月27日

シューベルト:交響曲第9番ハ長調 D.944『グレート』
 録音時期:1940年12月19日

 アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
 ウィレム・メンゲルベルク(指揮)

 録音方式:モノラル

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

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このセットは極めて価値の高い逸品だと思う...

投稿日:2015/04/29 (水)

このセットは極めて価値の高い逸品だと思う。メンゲルベルグの芸術の最も優れた演奏会がほぼ理想的な形で全集になっている。これだけ強力なベートーベンの演奏を残せる人は、フルトベングラーとクレンペラーの新発見の録音以外、最早望みえない。特に5番の終楽章の力動感は、他に求めることができない。6番も非常に優れた演奏で、第2楽章の美しさは比類がない。最も価値が高いのは第9だ。ベートーベンのオリジナルのメトロノーム指定ぱ非常に早かったらしいが、この演奏はベートーベンその人の演奏にかなり似ているのではないかと思う。特に第1楽章は、ワーグナーの演奏を起源とするフルトベングラーの解釈が規範となった感が強いが、むしろメンゲルベルグの演奏の気迫、速いテンポと力点の入れ方、圧倒的な推進力、これがベートーベンその人が心に描いた姿ではと思いたくなるような、素晴らしい実況の録音。有名なバッハの受難曲は、54年のフルトベングラーVPOと双璧の演奏で、途中、ご婦人か、その慟哭がオンマイクで聞こえてくる壮絶な内容、涙なくしては聞けない非常に感動的な演奏会であったことが判る。ブラームスのレクリエムも、最初の出だしからして異常に美しい響きで、この曲の持っている何か特異な輪廻の世界を表したような超自然的な力を感じる。録音は確かアセテート盤かガラス盤でありながら、演奏内容は実にフレッシュで、真の音楽芸術とはこういうものかと思う。その後、今日まで、長い間語り草になったヨーロッパ・オランダの伝説的演奏会。

黒熊怪 さん | 千葉県 | 不明

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もしこのセットの録音が優れていれば間違い...

投稿日:2014/08/15 (金)

もしこのセットの録音が優れていれば間違いなく評価は5となるところ,歴史的録音による劣る音質のために☆一つ引きました。しかし,メンゲルベルクのつくりだす音楽は,緩急自在で叙情的にドラマを築き上げており,現代には接することのできない,間違いなく瞠目すべき存在です。よくメンゲルベルクは「時代を感じさせる」と言われましたが,もし録音が優れていればもっと違った評価を得るはず。音質にこだわらない人にとっては,このセットは間違いなくかけがえのない貴重な一つとなるでしょう。どの曲も演奏は完璧,ユニークで綿密な表現が施されていて深い感銘を受けます。このセットは確か世界初CD化であろう「ロザムンデ」間奏曲第3番とバレエ音楽第2番が含まれるところが購入を考える要因の一つとなると思います。この2曲は特に他に類例のない,濃密な表現が行われており,演奏の力を思い知らされる録音です。演奏時間は8:25,7:10と,フルトヴェングラーの4:57,4:57に比べておよそ1.5倍の時間がかかっています。メンゲルベルクはゆったりとしたテンポの中でアーティキュレーションを駆使してスーパーロマンティックな表現を繰り広げ,聴き手を空前の叙情的で陶酔的な世界へと誘います。フルトヴェングラーのSACDのように,メンゲルベルクの演奏も,適切なリマスタリングの下ハイレゾ音源として手にすることのできる時が来ることを願わずにはいられません。

広島のパヴァンヌ さん | 広島県 | 不明

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現代にこんな演奏をしたら、批判はなはだし...

投稿日:2014/04/20 (日)

現代にこんな演奏をしたら、批判はなはだしいであろうが、非常な精神性を感じる。逆に言えば現代の演奏が薄っぺらということか?感動的な演奏である。

segovia さん | 愛知県 | 不明

4

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