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Complete Symphonies, Overtures : Klemperer / Philharmonia, New Philharmonia (10CD)

Beethoven (1770-1827)

User Review :5.0

Item Details

Genre
:
Catalogue Number
:
4042752
Number of Discs
:
10
Format
:
CD
Other
:
Limited,Import

Product Description

ベートーヴェン:交響曲全集、序曲集(10CD)
クレンペラー&フィルハーモニア管


クレンペラー没後40年を記念したアニヴァーサリー・エディション。特別企画ということで、有名な交響曲全集と序曲集に加え、数々の別録音も収録したたいへん凝った仕様となっています。

【定評あるベートーヴェン全集】
ベートーヴェンの交響曲全集は、クレンペラーの代表作として知られるもので、序曲その他を含め、遅めのテンポで壮大な世界を構築したユニークな名演の数々を味わえます。クレンペラーのベートーヴェン演奏は、パート・バランスを常に適切に保つことで、情報量が非常に多いものになっているのが特徴であり、さらに目立った特質として、フレーズの形を完璧に維持し、拍も厳格に守ることで、独特の堅牢なスタイルを構築している点が挙げられます。
 クレンペラーは、当時の指揮者の常として、楽譜に隠し味的な変更を加えていることはインタビューでも言及していましたが、60年録音の第7番冒頭ではヴァイオリン・セクションをオクターヴ上げするなどかなり思い切ったこともしていました。
 また、これはクレンペラー録音全般に言えることですが、楽器配置がヴァイオリン両翼型ということで、木管楽器重視のクレンペラーの嗜好がさらに活かされることとなり、各パートが立体的に交差する情報量の多さが、独特な音響創出に繋がっています。交響曲第9番第2楽章など実に鋭くユニークです。

【数々の注目音源】
クレンペラーのベートーヴェン交響曲全集といえば、2000年に発売され長期に渡って人気を維持していたピアノ協奏曲全集と併せた9枚組セットが有名なので、それを基準と考えると、今回のセットで新たに追加されたものは下記のようになります。

・交響曲第3番/1955年モノラル録音
・交響曲第5番/1955年モノラル録音
・交響曲第7番/1960年ステレオ録音
・交響曲第7番/1968年ステレオ録音
・『献堂式』序曲/1956年ステレオ録音
・『献堂式』序曲/1959年ステレオ録音
・『シュテファン王』序曲/1959年ステレオ録音
・『フィデリオ』序曲/1954年モノラル録音
・『レオノーレ』序曲第1番/1954年モノラル録音
・『レオノーレ』序曲第2番/1954年モノラル録音
・『レオノーレ』序曲第3番/1954年モノラル録音
・『エグモント』抜粋/1957年ステレオ録音
・『プロメテウスの創造物』抜粋/1969年ステレオ録音

【クレンペラーのコンディション】
クレンペラーは1951年にオランダ音楽祭の快速な『復活』などで成功を収めた後、北米でも指揮活動をおこないますが、その際、モントリオール空港で転倒のため大怪我をして長期入院を余儀なくされ、さらに当時の法律によって1954年までヨーロッパに戻ることができなくなってしまいます。
 その怪我によりクレンペラーは椅子に座って指揮をするようになり、結果として、1954年からは以前のような快速アプローチは影を潜め、その芸風は冷静なコントロールの効いたバランスの良いスタイルに変化しています。そのため、軽さがなくなったことから力強さや緊張感のいっそうの向上が認められ、緻密なリズム処理や造形的な打ち出しの強さも比類が無いという、まさに精神面・体力面でベストと思われる状態に達することになります。
 しかし1958年9月には、寝タバコが原因で全身にやけどを負ってしまい、しばらくは指揮棒も持てなくなるという非常に困難な状況に追い込まれてしまうのです。
 つまり、1954年から1958年までの5年間は、クレンペラーの芸風がたいへんバランスのとれたものであり、上記の基本となるベートーヴェンの交響曲全集では、交響曲第3番以外の8曲はすべてその時期に収録されているのが特徴ともなっていました。
 寝タバコ事件後、ほどなく指揮に復帰したクレンペラーの芸風は、クールな印象のたいへん強いものとなり、1958年以降、周波数レンジが拡大したEMI録音の特性と合わせて、いわゆるクレンペラーの晩年様式が形成されてゆくこととなります。

【複数録音での比較】
当セットに収録された、交響曲第3番の1959年録音(Disc3)と、1955年録音(Disc7)を較べると、4年の違いながらその印象の違いは大きく、基本解釈は同じながらも、かたやクール、かたやマッシヴという具合に対照的な仕上がりとなっているのが面白いところで、同年度に録音された第5番の2種比較でもほぼ同じ事が言えます。
 3種比較できる交響曲第7番では、力強い1955年録音(Disc8)と、クールでスケール雄大な1960年録音(Disc4)、最晩年様式ともいうべき遅いテンポと澄んだサウンドによる1968年録音(Disc10)という違いが確認できるのも興味深いところです。

【序曲の注目音源】
『献堂式』の旧録音に、『プロメテウスの創造物』抜粋という目玉音源を筆頭に、『フィデリオ』と『レオノーレ』旧録音の復活も歓迎されるところです。得意だった『エグモント』での厳しい名演、『献堂式』再録音と『シュテファン王』での表情豊かな名演の復活も嬉しい限り。(HMV)

【収録情報】
Disc1
ベートーヴェン:
1. 交響曲第1番ハ長調 op.21
2. 交響曲第6番ヘ長調 op.68『田園』
 フィルハーモニア管弦楽団
 録音:1957年10月 ステレオ

Disc2
1. 交響曲第2番ニ長調 op.36
2. 交響曲第5番ハ短調 op.67『運命』
 フィルハーモニア管弦楽団
 録音:1957年10月(1)、1959年10月(2) ステレオ

Disc3
1. 交響曲第3番変ホ長調 op.55『英雄』
2. 大フーガ op.133
 フィルハーモニア管弦楽団
 録音:1959年10,11月(1)、1956年3月(2) ステレオ

Disc4
1. 交響曲第4番ロ短調 op.60
2. 交響曲第7番イ長調 op.92
 フィルハーモニア管弦楽団
 録音:1957年10月(1)、1960年10月(2) ステレオ

Disc5
1. 交響曲第8番ヘ長調 op.93
2. 『レオノーレ』序曲第1番 op.138
3. 『レオノーレ』序曲第2番 op.72
4. 『レオノーレ』序曲第3番 op.72a
5. 序曲『コリオラン』 op.62
 フィルハーモニア管弦楽団
 録音:1957年10月(1,5)、1963年11月(2-4) ステレオ

Disc6
・交響曲第9番二短調 op.125『合唱』
 オーセ・ノルドモ・レーヴベリ(ソプラノ)
 クリスタ・ルートヴィヒ(メゾ・ソプラノ)
 ヴァルデマール・クメント(テノール)
 ハンス・ホッター(バス・バリトン)
 フィルハーモニア管弦楽団&合唱団
 録音:1957年10,11月 ステレオ

Disc7
1. 交響曲第3番変ホ長調 op.55『英雄』
2. 『レオノーレ』序曲第1番 op.138
3. 『レオノーレ』序曲第2番 op.72
 フィルハーモニア管弦楽団
 録音:1955年12月(1)、1954年11月(2,3) モノラル

Disc8
1. 交響曲第5番ハ短調 op.67『運命』
2. 交響曲第7番イ長調 op.92
 フィルハーモニア管弦楽団
 録音:1955年10月、12月 モノラル:1、ステレオ:2

Disc9
1. 『レオノーレ』序曲第3番 op.72a (録音:1954年11月 モノラル)
2. 『フィデリオ』序曲 op.72b(録音:1954年11月 モノラル)
3. 序曲『献堂式』 op.124 (録音:1956年7月 ステレオ)
4. 『プロメテウスの創造物』序曲(録音:1957年11月 ステレオ)
5. 『エグモント』序曲(録音:1957年11月 ステレオ)
6. 『エグモント』〜クレールヒェンの歌(録音:1957年11月 ステレオ)
7. 『エグモント』〜クレールヒェンの死(録音:1957年11月 ステレオ)
8. 『エグモント』〜太鼓は響く(録音:1957年11月 ステレオ)
9. 『シュテファン王』序曲(録音:1959年10月 ステレオ)
10. 序曲『献堂式』 op.124(録音:1959年10月 ステレオ)
 ビルギット・ニルソン(ソプラノ:6,8)
 フィルハーモニア管弦楽団

Disc10
1. 『フィデリオ』序曲 op.72b(録音:1962年2月 ステレオ)
2. 交響曲第7番イ長調 op.92(録音:1968年10月 ステレオ)
3. 『プロメテウスの創造物』序曲(録音:1969年10月 ステレオ)
4. 『プロメテウスの創造物』〜アダージョ−アンダンテ(録音:1969年10月 ステレオ)
5. 『プロメテウスの創造物』〜フィナーレ(録音:1969年10月 ステレオ)
 フィルハーモニア管弦楽団(1)
 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団(2-5)

 オットー・クレンペラー(指揮)

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古楽器が主流の今だからこそ聴いていただき...

投稿日:2021/03/16 (火)

古楽器が主流の今だからこそ聴いていただきたいクレンペラーのベートーヴェン! ベートーヴェンのシンフォニー(全集)はワルター、セル、ベーム、カラヤン(2セット)、バーンスタイン、クーヴェリック、チェリビダッケ、カルロス・クライバー(選集)を聴いているが、ブラームスのところでも書いたが、クレンペラーの指揮が他の巨匠と大きく違うのは意識が聴き手ではなく、音楽そのものに向いている点であろう。 だから、音楽の純度は高いがこちらから聴きにいかないと拒絶される。 ただし、こちらからクレンペラーの世界に入り込むことができると他では味わうことのできないカタルシスを体感できる。 が・・・そこに至るまでは非常に疲れるので、「凄いけどつまらない演奏」として途中で投げ出してしまう人がほとんどなのではないだろうか・・・ 気力が充実している時に是非、クレンペラーの世界に足を踏み込んでいただきたい。 クレンペラーでしか味わうことのできない純度の高い音楽がきっと見えてくるはず・・・

I.O.U さん | 北海道 | 不明

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投稿日:2021/03/04 (木)

CD初期にクレンペラーのスタジオ録音のベートーベン交響曲全集を購入しました。当時はライブ録音は簡単には入手できなかったので、長く愛聴してきました。リマスター版の全集を購入したり、モノラルの英雄、運命、3種類の第七番を購入したりしましたが、とうとうすべてがそろった全集が出てしまいました。感動ものです。2セット購入し一つは永久保存版とします。

LFA さん | 千葉県 | 不明

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じっくり踏みしめるようなリズムで進め、こ...

投稿日:2021/02/28 (日)

じっくり踏みしめるようなリズムで進め、ここぞというところのティンパニの炸裂はこうでなきゃと思わせます。録音もキンキンするところがあるが、満足のできるレベルです。 最近の録音は中庸で誰の演奏を聴いても同じに聞こえてしまうが、クレンペラーはじめ巨匠たち(フルトヴェングラー、ワルター、クナッパーツブッシュ、シューリヒト)の演奏は個性があり、どれを聞いても大変面白い。

浜っ子 さん | 愛媛県 | 不明

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