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震災後の自然とどうつきあうか 叢書震災と社会

鷲谷いづみ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784000285261
ISBN 10 : 4000285262
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2012
Japan

Content Description

東日本大震災は、土木技術の粋を集めた大きく堅固な構造物による対策が、必ずしも地域の安全を保障するとは限らないことを明らかにした。安全を確保するための別の方法が強く求められている。本書では、土地利用の面では「グリーンインフラストラクチャー」を基本とすることを主張する。生物多様性の保全にも寄与する自然性の高い「空間」―たとえば広大な干潟、砂浜‐砂丘‐後背湿地システム、河川の氾濫原など―を、社会を自然災害から守る「緩衝地帯」として保全する方策である。地震・津波、風水害から生命と財産を守るための「自然に逆らわない」政策や、日本の国土の特性を生かしたエネルギーとしてのバイオマス活用を提案する。

目次 : 第1章 地震・津波は生態系に何をもたらすか―生態系にとっての大規模撹乱と人間にとっての災害(大津波がもたらした影響と回復/ 自然災害と大規模撹乱 ほか)/ 第2章 生態系回復への影響―人間活動の負の遺産(人間活動の負の遺産としての分断孤立化/ 孤立した生息場所からの絶滅 ほか)/ 第3章 防災・減災のための戦略と土地利用―日本型さとやまグリーンインフラストラクチャーのすすめ(堤防の高さに集中した議論/ 防災・減災に生物多様性・生態系の視点 ほか)/ 第4章 バイオマスを次代のエネルギーに―持続的な生態系サービス供給システム(持続可能性とすみやかな原発からの脱却/ 多様なエネルギーの選択肢とバイオマス ほか)

【著者紹介】
鷲谷いづみ : 1950年東京生まれ。東京大学大学院農学生命科学研究科教授。日本学術会議会員(第20‐22期)。専門は生態学・保全生態学。現在は、生物多様性保全に関する幅広い研究をおこなっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 壱萬弐仟縁

    国民の不信感。 正しく怖がる(68頁)。 科学的妥当性があるのか、 と疑義を呈されている。 矛盾もいいところか。 チェルノブイリでも、 フクシマでも、 人びとの幸福・福利 のための条件・要素として、 行動・選択の自由、安全、 衣食住、健康、良好な社会。 すべてが悪化し、幸せに 暮らす条件が損なわれた(95頁)。 現状回復してほしいが、 すべては回復できないのが もどかしい。 せめて、憲法25条の生存権 は死守しなければなるまい。    

  • ぐうぐう

    東日本大震災後、その津波の力の大きさに人々は、堤防の高さを競うような、高度な土木技術による防災という考えに固執していく。そんな流れに、著者は疑問を呈する。そもそも、コンクリートによる堅固な人工物への過信が、自然災害に対する社会の脆弱性を高めていると説く。自然そのものを守ることこそが、防災・減災に役立つというグリーンインフラストラクチャーの手法を著者は提案する。防災の意識を根底から覆すその発想は、まさに目から鱗であるが、これまでの歴史が証明しているのだ。

  • Hiroki Okada

    めっちゃおもしろかった。少し先の話になるかもしれないが、壮大な自然の中の社会にしていきたいなーと思えた本。ぜひもう一度手に取り、購入しておきたい本。

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