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宇宙戦艦ヤマトをつくった男西崎義展の生涯

牧村康正

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062196741
ISBN 10 : 4062196743
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「ヤマトがあったから僕はアニメを見続けることができた」――庵野秀明(監督・プロデューサー、2008年・西崎義展との対談より)

日本アニメの金字塔「宇宙戦艦ヤマト」が誕生してから40年以上になる。生みの親であるプロデューサー西崎義展(1934ー2010)はすべてにおいて「特異な男」だった。交流をもった者は誰もが彼を「悪党」と評しながらも、そこには深い愛憎が見てとれる。いまや世界の文化である日本アニメを語るうえで無視することができない西崎義展の存在を、その大いなる成功と挫折から綿密に描く初の本格的ノンフィクション

「宇宙戦艦ヤマト」のプロデューサー・西崎義展が、遊泳のため訪れていた小笠原・父島で船上から海へ転落。午後二時五八分、死亡が確認された―。
 平成二二(二〇一〇)年一一月七日、その夜半にもたらされた一報に首をかしげる関係者は少なくなかった。
「もしや西崎は消されたのではないか。あの男はそれだけの恨みを買っている」
 またたく間に、本気ともブラックジョークともつかぬ他殺説が世間に流布されていった。(「序章」より)

序章◎いつ消されてもおかしくない男

第一章◎アニメ村の一匹狼
図々しい奴/神様・手塚治虫の苦境/虫プロ再建のキーマン/「鉄腕アトム」が残したもの/カレンダービジネスの相棒/神様が激怒した理由/アニメプロデューサー・デビュー/気風の良さと抜け目のなさ/軍資金の蓄え方

第二章◎芝居とジャズと歌謡ショー
「親父が大嫌い」/軌道定まらず/ショービジネスに馴染む/創価学会と第一期オフィス・アカデミー/命がけの舞台公演/ヨーロッパ逃亡

第三章◎ヤマトは一日にして成らず
戦艦大和、宇宙へ/テレビ局攻防戦/常識破りの製作指揮/「たっぷり引きで見せろ」/苦戦の処女航海/角川春樹登場

第四章◎栄光は我にあり
賽は投げられた/ファンクラブが湧き出てきた/8・6歓喜の公開/「さらば宇宙戦艦ヤマト」で東映動画へ/バンダイの救世主/白熱の製作現場/「特攻」は最初に決めていた/歴史的ヒットの果実/広がりゆく波紋

第五章◎勝利者のジレンマ
生きるべきか死ぬべきか/長者番付と脱税/「ガンダム」の影/「宇宙空母ブルーノア」/「永遠に」とシーホース事件/ウエスト・ケープ・コーポレーション/背水の陣で臨んだ「完結編」/「オーディーン」の誤算

第六章◎砂上のビッグ・カンパニー
JAVN設立/カンヌの王様/銀座豪遊伝説/経営者の素顔/プライベート秘書/欲望の巣窟/愛人とアダルト商法/無駄遣いの才能

第七章◎破滅へのカウントダウン
七七億円の負債/海外資産と愛人・和子/JAVN倒産/権利トラブル/不意打ちの破産宣告

第八章◎獄中戦記
覚せい剤所持事件/海賊と銃火器/尖閣上陸の不手際/松本零士が提訴/ホームページと嘆願書/著作権裁判の背景/「復活篇」への道筋/刑務所暮らし

第九章◎復活する魂
戦闘準備/「復活篇」製作始動/「SPACE BATTLESHIPヤマト」/父・義展、息子・彰司/甦るヒーロー/小笠原に死す/ラスト・ステージ

終章◎さらば、ニシザキ

著:牧村康正(マキムラヤスマサ)
1953年、東京都生まれ。立教大学法学部卒業。竹書房入社後、漫画誌、実話誌、書籍編集、映像制作などを担当。映像作品では立川談志の初の落語映像作品を制作。また実話誌編集者として山口組などの裏社会を20年にわたり取材した。同社代表取締役社長を経て、現在フリージャーナリスト。

著:山田哲久(ヤマダテツヒサ)
1949年、東京都生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒業。1972年、東映生田スタジオに助監督として入社。1977年、オフィス・アカデミーに移り、西崎義展のアシスタントプロデューサーをつとめる。その後、サンライズを経て、1995年に独立しアストロビジョン設立、同社代表取締役。

【著者紹介】
牧村康正 : 1953年、東京都生まれ。立教大学法学部卒業。竹書房入社後、漫画誌、実話誌、書籍編集、映像制作などを担当。映像作品では立川談志の初の落語映像作品を制作。また実話誌編集者として山口組などの裏社会を二〇年にわたり取材した。同社代表取締役社長を経て、現在フリージャーナリスト

山田哲久 : 1949年、東京都生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒業。1972年、東映生田スタジオに助監督として入社。1977年、オフィス・アカデミーに移り、西崎義展のアシスタントプロデューサーをつとめる。その後、サンライズを経て、1995年に独立しアストロビジョン設立、同社代表取締役(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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これはすごい。 人生をギャンブルのように...

投稿日:2021/04/15 (木)

これはすごい。 人生をギャンブルのようにして生きた、強烈なはったり人生が語られる。 ヤマト抜きにしても面白い人物。 しかし、仕事を一緒にするのは、非常にはばかられる。 こういう山師が、大きな仕事をしてきたのだと思う。 文庫化までされているので、是非読んでほしい。 巻き込まれたメディア関係者の名前が多く出ていておもしろい。

ダム さん | 千葉県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • KAZOO

    最初にテレビでこのアニメを見たときは、ファンになってしまいました。松本零士さんの作品はかなり昔のころのを読んでいたのですが、この宇宙戦艦ヤマトが西崎さんのプロデュースということはしりませんでした。そもそも西崎さんというのをこの本で読んで初めて知った次第です。このような人物というのは昭和の初めのころのようなイメージを思い起こさせます。まるで小説を読んでいるかのような気持ちでした。やはり天才肌なのでしょうね。この人の生涯を生きていたら松田優作で映画化してもらいたい気がしました。

  • 青乃108号

    個人的には西崎義展には良い印象がない。「さらば宇宙戦艦ヤマト」はリアルタイムで劇場で観て、ああこれで二度とヤマトは観れないのね、とちょっぴり感傷的になってジュリーのあの曲にはウルウルきた記憶がある。ところが。その後も出るわ出るわ、一々観ていないしすっかり興味がなかったヤマトの数々。あの時のさらば、はなんやったのか。この嘘つき。いやしかし西崎がこんな破天荒な人物だとは知らなかった。読み物としては面白かったがやはり人物としては好きになれない。人間真面目に地道に生きるのが一番いい、と改めて思いました。

  • なる

    『宇宙戦艦ヤマト』、現在まで続いているアニメの二次創作同人誌文化のきっかけとなった作品だという。その「ヤマト」のブームを生み出したのがこの西崎義展。過去の人物を描くドキュメンタリーというのに触れる機会が少なかったので、その詳細な取材力にまず驚かされる。歴史に残るような実績をつくりながら、手塚治虫、富野由悠季、松本零士らに嫌われた男。芸能界の興行というドロドロの世界に身を置いていただけあって、まさに怪物である。逆にこういう人間でなければ(時代性もあるだろうけれど)生き残って行けない世界なのだと身がすくむ。

  • harass

    Kindle unlimited。宇宙戦艦ヤマトの原作者・プロデューサー西崎の評伝。山師であり、私財を賭け、人脈と口八丁手八丁で資金を集め作品を作り大成功を収める。ただし、強烈な自我の持ち主であり、「散財する才能」は様々な逸話を生んだ。薬物と銃器所持で逮捕、服役するが復活するも、ヨットで事故死。毀誉褒貶もあるが、日本のアニメ史、映画史を変えるにはこれくらいのスケールの大きな狂人といえるような熱意と欲望が必要か。おすすめ。

  • 姉勤

    天上天下唯我独尊。日本アニメのエポックメイキングとなった「宇宙戦艦ヤマト」を創り遺した男の一代記。作品に流れる愛や正義のテーマとは真逆な殺人以外はなんでもありな、西崎氏のキャラクターはピカレスクの主人公然としている。氏の人脈は、欲望と熱望により食指を伸ばし、有能な業界人から、著名人、有力者、ヤクザ、そして政治家と利があれば強引に引き込み、うま味が尽きれば斟酌なく切り捨てる。よく殺されなかったというほど多数の愛人も巨額な借金も、重火器の所有、覚醒剤、懲役。悪党と切り捨てるには簡単だが、いやはや贅沢な人生よ。

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