CD 輸入盤

交響曲第3番 テンシュテット&ロンドン・フィル、W.マイアー(1986年ライヴ)(2CD)

マーラー(1860-1911)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
ICAC5033
組み枚数
:
2
レーベル
:
:
Europe
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明

マーラー:交響曲第3番(1986年ライヴ)
テンシュテット&ロンドン・フィル、マイアー
89年ライヴの『復活』を上回る高音質!


マーラー・イヤーということもあってか、最近、ノット、フェルツ、ヤンソンス、ホーネック、インバルと立て続けに話題盤がリリースされる交響曲第3番ですが、いよいよ今回は大御所クラウス・テンシュテット[1926-1998]のによるライヴ録音が登場します。

【好調期のテンシュテット】
今回の演奏は、スタジオ録音の7年後、1986年10月5日にロンドンのロイヤル・フェスティヴァル・ホールでおこなわれたコンサートをBBCがステレオ録音したものです。
 この頃のテンシュテットは体調も良く、同じフェスティヴァル・ホールで、4日前には『英雄の生涯』を、3日後と5日後には『千人の交響曲』を指揮しており、直後には渡米してマーラーやブルックナーをとりあげるという好調ぶりでした。

【長大な傑作、交響曲第3番】
マーラーが30代なかばで書き上げた交響曲第3番は、演奏時間が長大なことでも有名ですが、楽章の数も6つと多いため、指揮者には長丁場を飽かせず聴かせる表現意欲と、声楽陣を伴う4管編成の大オーケストラの集中力を維持するための人心掌握術・統率力が求められるところです。
 当初は各楽章に標題までついていたというこの作品は、いろいろな楽器や声に表情豊かな役割が与えられており、個々のアーティストの作品への共感・理解なしには良い演奏が難しいことでも知られています。また、トロンボーンやポスト・ホルンの難しいソロや、多彩な節まわしを要求される木管群、コンマスのソロから分厚い合奏まで幅広い領域をこなす弦楽など、約100分におよぶスコアとの格闘には、オケのヴィルトゥオジティだけでなく、指揮者とオケの深い信頼関係が求められるところです。

【テンシュテットとロンドン・フィル】
1977年のマーラー1番のレコーディング以来、良好な状態の続いていたテンシュテットとロンドン・フィルの関係は、1986年には9年目を迎えていました。このライヴの3年前にはロンドン・フィル音楽監督にも就任、楽員から全幅の信頼を寄せられていたテンシュテットとしても絶好調の時期ということになります。

【ヴァルトラウト・マイアーの独唱】
1983年バイロイト『パルジファル』のクンドリー役で成功を収めたドイツのメゾ・ソプラノ、ヴァルトラウト・マイアーは、1985年にコヴェントガーデンにもデビューして好評を博し、翌1986年にはこのマーラー3番への出演となっています。聴きどころはニーチェのツァラツゥストラによる第4楽章ですが、マイアーは10年後のシノーポリとの共演でも深々と神秘的な美しい歌唱を聴かせていたので、ここでの仕上がりにも期待の持てるところです。(HMV)

【収録情報】
・マーラー:交響曲第3番ニ短調

 ヴァルトラウト・マイアー(メゾ・ソプラノ)
 イートン・カレッジ少年合唱団
 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団&合唱団
 クラウス・テンシュテット(指揮)

 録音時期:1986年10月5日
 録音場所:ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
 録音方式:ステレオ(ライヴ)

・マイケル・オリバーによるテンシュテットへのインタビュー「テンシュテット、マーラーについて語る」
 収録:1987年BBCスタジオ

総合評価

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テンシュテットさんの貴重なライヴ。こうし...

投稿日:2012/09/08 (土)

テンシュテットさんの貴重なライヴ。こうしてリリースされたことはまことに慶賀の至りであります。さて、この第三番の演奏、結論を先に言えば、「名演」と称して持ち上げるほどの出来ではない、というのが正直なところ。問題は前半にあります。第1楽章は、何か落着きに欠け、特にオーケストラが前のめりになって美感を欠く個所が目立ちます。単純なミスも多く、テンシュテットの指揮も各部分の楽想(雰囲気)をしっかりと表現できていないんじゃないですかね。第2楽章もまだ落ち着かない。テンポの揺れが、表現上の故意ではなく、実演での不安定さ故にしか聴こえません。第3楽章から立て直しまして、やっと進行が落ち着いてきます。そして第4楽章以降は完全にペースをつかんで充実します。全曲は完全に満足感のうちに終結。巨大ホールのせいもあって、オケが必要以上に頑張ろうとしたのかなあ、そんな感じの変な力みが演奏上のキズとなってそこかしこに表れているように思いますね。ということで、第2番や第6番ほどの成果ではないなあ、というのが結論です。もちろん、テンシュテットさんの貴重なライヴとして価値は絶大なのですが、そこは割り引いておいた方がいいかも。録音は悪くない。もう少しマスをよくとらえて重心を保ちつつ拡がりがあるとよかったですけどね。基本良好で、この演奏を楽しむ分には問題なしです。

ほんず内閣総理大臣 さん | 北海道 | 不明

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第6楽章だけなら100点だ。こうあってほしい...

投稿日:2011/10/09 (日)

第6楽章だけなら100点だ。こうあってほしい、というツボを悉く押さえてくれるような。指揮者・楽団一体の名演だと思った。他の楽章、特に第1楽章ではライヴならではの細かい傷が私は気になる。しかし、最後まで聴き通すと最高の感情の高まりを感じることができた。もう一度繰り返すが、本当に、第6楽章の高まりは素晴らしい。心を揺さぶられる。音に心がこもっている。

としちゃん さん | 宮城県 | 不明

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凄い超名演だ。これほどまでに心が揺さぶら...

投稿日:2011/09/21 (水)

凄い超名演だ。これほどまでに心が揺さぶられる演奏は、他にもほとんど例がないと言っても過言ではあるまい。テンシュテットは、1985年に咽頭がんを患った後は、健康状態を確認しながら一つ一つのコンサートにそれこそ命がけで臨んでいたと言える。もっとも、本演奏が行われた1986年は、いまだ病状が深刻化しておらず、コンサートの数も比較的多かったとのことであるが、それでも演奏にかける渾身の情熱には尋常ならざるものがあったと言えるのではないか。本盤の演奏についても、楽曲の性格からして第2番や第5番、第6番の豪演ほどの壮絶さはないものの、それでも凄まじいまでの迫力を誇っているというのは、正にそれをあらわしていると言えるだろう。第1楽章冒頭の8本のホルンによる壮麗な咆哮からして、とてつもないエネルギーが充満していると言える。その後は、第1楽章及び第2楽章ともに、迫りくる死に追い立てられているような焦燥感さえ感じさせるやや早めのテンポを基調としつつ、変幻自在のテンポの振幅、そして思い切った強弱の変化、猛烈なアッチェレランドやディミネンド、そしてゲネラルパウゼなどを大胆に駆使して、ドラマティックの極みとも言うべき劇的な豪演を展開している。そして、演奏のどこをとっても切れば血が噴き出てくるような圧倒的な生命力と強靭な気迫に満ち溢れており、加えて、すべての音に尋常ならざる熱き情感が込められるなど、その凄みのある表現は我々聴き手の肺腑を打つのに十分な圧巻の迫力を誇っていると言えるところだ。第3楽章や第4楽章において、中庸のテンポによって楽想を徹底して心を込めて歌い上げていくのも感動的であると言えるし、第5楽章の合唱も清澄にして崇高な美しさを誇っていると言える。また、終楽章の奥行きの深い表現は出色のものがあり、正にマーラーの全交響曲を貫くテーマの一つである生への憧憬と妄執を見事に音化し尽くしたものとも言えるだろう。テンシュテットは、交響曲第3番を本演奏の7年前の1979年にもスタジオ録音しており、それも素晴らしい名演であったが、強靭な気迫や渾身の生命力、そして、迫りくる自らの死を予見していたが故に演奏全体に漲っているとも言える心を込め抜いた熱き情感において、本演奏には到底及ばないものと考える。また、必ずしも一流とは言い難いロンドン・フィルも、テンシュテットの命がけの渾身の指揮に必死になって喰らいつき、おそらくは持ち得る実力以上のものを発揮した大熱演を繰り広げたことも、本超名演に大きく貢献しているのを忘れてはならない。第4楽章のメゾ・ソプラノのヴァルトラウト・マイアーによる独唱や、第5楽章のイートン・カレッジ少年合唱団やロンドン・フィルハーモニー合唱団による合唱も、その実力を十二分に発揮した最高のパフォーマンスを発揮していると言っても過言ではあるまい。いずれにしても、マーラーの交響曲第3番の名演としては、同じくライヴ録音でもあるバーンスタイン&ニューヨーク・フィルによる至高の超名演(1988年)が存在しているが、本演奏もそれに肉薄する圧倒的な超名演と高く評価したい。音質も、1986年のライヴ録音としては、ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホールの残響を活かした十分に満足できるものであり、テンシュテットによる超名演を良好な音質で味わうことができることを大いに喜びたい。なお、テンシュテットによるマーラーの交響曲のライヴ録音は、本盤の第3番の登場によって、第1番から第8番の8曲と第10番(アダージョのみ)が揃うことになった。本演奏を含め、そのいずれもが圧倒的な超名演であるが、今後は残る第9番、「大地の歌」のライヴ録音の発掘、そしてCD化をこの場を借りて切望しておきたいと考える。

つよしくん さん | 東京都 | 不明

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人物・団体紹介

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マーラー(1860-1911)

1860年:オーストリア領ボヘミア、イーグラウ近郊のカリシュト村で、グスタフ・マーラー誕生。 1875年:ウィーン楽友協会音楽院に入学。 1877年:ウィーン大学にてアントン・ブルックナーの対位法の講義を受講。 1883年:カッセル王立劇場の副指揮者に就任。 1885年:『さすらう若人の歌』を完成。プラハのドイツ劇場の

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