何を思ったかあの「Odessey And Oracle」のジャケットを描いた人を再び担ぎ出して来てジャケットを描かせている。
1965年の「I Want You Back Again」、Colin Blunstone、2009年のソロ作「Now I Know I’ll Never Get Over You」のリメイクを含む全10曲。
Blunstoneのソロ曲がBlunstone単独作である意外は全てRod Argent作(1曲のみCatherine Argentとの共作)だ。
2011年リリースの前作「Breathe Out,Breathe In」ほどではないかも知れないが、これも紛れもない傑作。
前作の時も感じたが、今の時代これほど良い曲を書ける人がいるのかと思う。
また、Colin Blunstoneは昔より声が出ているし、何しろRod Argentの上手さが尋常ではない。
前作からのギター、Tom Toomeyも馴染んで来た感じで、いい感じで目立っている。
もはや洒落としか思えないジャケットだけが残念な1枚。
37分。
コリン・ブランストーンをはじめとするオリジナルメンバーによって制作された再結成アルバム。時代を感じる音作りではあるものの、繊細な作風は昔と変わらない。
ただ、この再結成にはゾンビーズの名を騙る偽者に対する裁判の材料としての目的もあった。そのせいか、このアルバムには1990年にアナログで発表された「Return of the Zombies」と、翌年CDで発表され日本盤も出た拡充盤「New World」の二つの形態がある。本盤はそのうちの前者の形で出ている、恐らく唯一のCDである。
「New World」に比べて本盤は収録曲が2曲少なく、曲順も違う。そして、「ふたりのシーズン」のリメイクは「New World」に収録されたものとは全く別のアレンジになっている。しかも、「New World」版「ふたりのシーズン」に参加しているロッド・アージェントの名前はない。恐らく、本盤を持って裁判に挑んだものの結果が芳しくなかったので、ロッドを加えてリメイクをやり直したのではないだろうか。