1970年〜1980年代のサブカル雑誌といえば「宝島」。その雑誌のなかで、「オールタイムベストアルバム」的なもののランキングが発表されて、その中で本作がベスト5内にランクインしていたのをよく覚えている。その他、ベスト5に入っていたのはY.M.O.の「Solid State Survivor」、RCサクセッションの多分「BEAT POPS」、そして、戸川純の「玉姫様」だと思う。このアルバム自体は元々のポストパンク的なバンドだったZELDAがメンバーの入れ替えを経て、かのソニーさんにも移籍して、ニューウェイブバンドとしての円熟期を迎えた傑作ともいえる。アルバム全体がバンドメンバーそれぞれの個性やテイストが有機的にミックスされて作られているのが、とても評価できる。ポストパンクの流れからのエスニックムード(リーダー&Ba.の小嶋さちほ)テクノ・ニューウェーブ的なリズムセクション(Dr.の小澤亜子)、ハードロックなポップさ(Gt.の石原富紀江)ゴスでメルヘンな世界観(Vo.の高橋佐代子)…これが融合した珠玉の1枚だ。Kate BushやSiouxsie And The Bansheesが好きな人でも、その線の日本版だと思って聴いていただきたいアルバム。