Libertad

世界的人気を誇るセファルディー歌手ヤスミン・レヴィ
トルコのオーケストラをフィーチャーした意欲作を発表！

　イスラエル出身の女性歌手ヤスミン・レヴィが2009年の前作『センティール』（HMR-5115）以来となる新作を発表、これがまた何とも素晴らしい内容となりました。
　ヤスミン・レヴィは1975年にイェルサレムで生まれたシンガー／ソングライター。亡き父イサアク・レヴィは、かつてスペインで暮らしていたユダヤ教徒たちの文化を継承した歌を採取したり作曲／自演するアーティストとして活躍。その影響で彼女もラディノ語（スペイン系ユダヤ人が使っていた言語）をベースにアラブ／トルコなどの音楽の要素が加わった“セファルディー音楽”を歌うようになりました。
　彼女はそんなセファルディー音楽の歌手として2000年にデビュー。その後イギリスのワールド・ミュージック誌“fROOTS”が主催するアワードの新人賞や、“ＢＢＣラジオ３ ワールド・ミュージック・アワード”などにノミネートされるなど、ヨーロッパを中心に人気を高めてゆきました。また日本でもキング・レコードより『ロマンス＆ヤスミン』（KICP-8082）が2007年に発売されワールド・ミュージック・ファンの間で話題になり、さらに前作『センティール』でその人気を確実のものとしました。
　そして３年の歳月を経てリリースされたのが本作。ラディノ語による伝承曲および彼女のオリジナル曲を交えたレパートリはこれまでと同様で、アクースティック・ギターにダブル・ベース、各種パーカッションといったアクースティック編成のバンドをベースに、フラメンコやタンゴ、ファドなどのアレンジを取り入れた独自のミクスチャー・サウンドを展開しています。さらに今回は彼女の父方の故郷でもあるトルコのイスタンブールを拠点としているストリング・オーケストラ“ザ・ストリングス・オーケストラ・イスタンブール”をフィーチャー。そんな大胆なアイディアは今回のプロデューサー、ベン・マンデルソン（３ムスタファズ３）によるところが大きいといえるでしょう。またゲストには前作に引き続きマヨルカ出身のフラメンコ歌手コンチャ・ブイカが参加し、ヤスミンとのデュエットを楽しませます。
　伝統を裏打ちされた彼女の歌声はさらに妖艶さが増し、本当に素晴らしい歌手へと成長しました。新年早々ですが、間違いなく2013年を代表するヴォーカル・アルバムのひとつと言えるでしょう。　
　ワールド・ミュージック・ファンなら心して聞いて欲しい１枚です。 （メーカー資料より）