妻の反対を押し切ってリﾕﾂｹﾙﾄの感傷詩に拠り作曲したマーラーは後自分の娘を亡くす宿命的な「亡き子を偲ぶ歌」と同じくマーラー若き頃の失恋を機に作曲した「さすらう若者の歌」を如何にもノルウェー顔の容貌であるドラマチック・ソプラノのフラグスタートが幾分両曲主題の為にも抑え気味に珍しいボールト指揮VPO伴奏で名演に仕上げています。前者はそのほんの旋律一部を第5,6交響曲に、そして後者第2,4曲は第1交響曲に転用され殊に後者は馴染み易くよく聴きます。ワグナー、グリーク歌手のフラグスタートの数少ないマーラーで貴重な盤と思います。