国産紙ジャケのクールなhi-fi調よりレパトワ盤のアナログ録音の良さを活かした中域重視の柔らかくふくよかなリマスターが良い。流石に欧州人はわかっている。このレコードの良さを思い知らされた。国産LPはどこまでオリジナル盤に迫れるか期待しましょう。

心やさしくなりたいとき風が運んで来るようなこのサウンドを聴くべし。耳を傾けるほどに郷愁に包み込まれてしまう。あまりにいとおしい...。

アクースティック・ギターを爪弾きながら澄んだ男女ハーモニーが朗らかに流れ、管楽器はふわり軽やかに舞う...空に向かってどこまでも伸びてゆく生命のときめきの響き。これは魂の旅路へと誘う噂どおりの名盤。本作もそうだがフォークの名盤といわれるその多くが受け手によって味気無くもまた心の拠りどころとしても響く、がんらいフォークとはそういうものらしい。

オリジナルLPはSWIRL VERTIGOの特殊ジャケで10万円超。紙ジャケCDまでメロウキャンドル同様プレミア付。それ程素晴らしいかは疑問なのだが、かといって決して放ってはおけない魅力を持っているのも事実。

Lyndon Green(guitar),Ann Suuart(guitar piano flute),John Stannard(guitar)と、それぞれ３人がsingerといったﾌﾟﾛｸﾞﾚ・ﾌｫｰｸ・ﾊﾞﾝﾄﾞ。牧歌的すぎるほどの静かな調べはｻｲｹなどの前衛を極めたﾌｫｰｸ・ﾊﾞﾝﾄﾞとはほど遠い叙情。私は英国ﾌｫｰｸ・ﾌｧﾝではないので９点。