ユニークなトロンボーンのための作品集
ノルウェー作曲家協会の新しいアルバム「キッチンにスナークが」は、ノルウェー放送管弦楽団のスヴェッレ・リースの演奏するトロンボーンにスポットライトを当てた「トロンボーンの参加するグループ写真」として制作され、ノルウェーの作曲家たち、アルネ・ヌールハイム[1931-2010]、オルヤン・マトレ[1979-]、ヨン・オイヴィン・ネス[1968-]の書いたソロ作品、室内楽作品、シンフォニエッタ共演の作品が6曲収められています。
スナークは、「不思議の国のアリス」のルイス・キャロルが書いたナンセンス詩「スナーク狩り」に現れる伝説の怪生物。ヌールハイムの『スナーク狩り』とその素材を再加工した『スナークの帰還』は、この詩に基づく作品。マトレのトロンボーンとピアノのための『・・・なぜなら、わたしが今、そう言うから』は、イギリスのプレーヤー、ゲアリー・マクフィーの委嘱で作曲。トロンボーンの特殊奏法も使われ、マトレの作品の特色のひとつ「音」の使い方の際立ったセンスの良さが発揮された小品。ネスは「いろいろなところ」からインスピレーションと作品のヒントを見つけてきては「ユーモア」を底流とする作品に創り上げることで知られます。
スヴェッレ・リースはノルウェー音楽アカデミーでインゲマル・ロースに学び、卒業後、ノルウェー歌劇場管弦楽団に採用されました。マレーシア・フィルハーモニック管弦楽団で演奏、現在、ノルウェー放送のオーケストラのソロ・トロンボーン奏者を務めています。このアルバムの曲は、ネスの作品集『ダンディなガラクタ』(ACD5012)に収録されていた音源を使った『危険な子猫』をのぞき、ノルウェー放送局のスタジオでセッション録音されました。(キングインターナショナル)
【収録情報】
ヌールハイム:
● スナーク狩り(トロンボーン・ソロ)
● タペストリー(トロンボーン、チェロとエレクトロニクス)
● スナークの帰還(トロンボーンとテープ)
マトレ:
● 『・・・なぜなら、わたしが今、そう言うから』 (2010) (トロンボーンとピアノ)
ネス:
● ウツボ(かつてフェックス・ピフトルフとして知られた小品)(トロンボーン、チェロとピアノ)
● 危険な子猫(トロンボーンと室内オーケストラ)
スヴェッレ・リース(トロンボーン)
エメリー・カルダス(チェロ)
アスビョルン・ブロックム・フルー(エレクトロニクス)
シーグスタイン・フォルゲルー(ピアノ)
オスロ・シンフォニエッタ
クリスチャン・エッゲン(指揮)
録音時期:2014年1月13-15日、3月17-18日、1999年(危険な子猫)
録音場所:オスロ、ノルウェー放送(NRK)大スタジオ
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)