The Orb

The Orb (ジ・オーブ) プロフィール

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The Orb

OrbはAlex Patersonを中心とするプロジェクトで、88年にKLFのジミー・コーティと共に結成。その後数名の正式メンバーと数々のアーティストとにコラボレーションによって活動を続けている。

Orb結成以前、Alexはブライアン・イーノのレーベルE&GにてA&R(80年中〜後)として活躍し、当時全く注目されていなかったデトロイト・テクノを世界で一番最初に紹介した。また並行してDJ活動も行っており、Paul Oakenfoldとはこの時期に出会う。Alexは、PaulのクラブLond Of Ozのチル・アウト・ミュージック専門の場所にてレジデントDJを勤めていた。

Orb結成後は、89年にリリースされた記念すべきデビュー・シングルがいきなり全英シングル・チャートにて1となる。これはテクノ系のナンバーとして初のナショナル・チャート1位の獲得であり、80年代後半の世界の音楽シーンを塗り替えたアシッド・ムーヴメントの中から商業的成功を収めたナンバーであった。またこのシングルは、Minnie Ripertonの"Loving You"をサンプリングし、原題が"A Huge Evergrouwing Pulsating Brain That Rules From The Centre Of The Ultraworld"と長いため、通称"Loving You"として親しまれている。この1stシングルを収録したデビューアルバム「Adventures Beyond The Ultra World」(91年)は、ポップでありながらクラブ・ユースであり、さらに実験的でもある3つの要素を共に成立させた奇跡のアルバムである。

Alex PatersonはOrbの活動と並行して、ダンス・ミュージックで今尚燦然と輝くKLFの歴史的名盤「Chill Out」(90年)のプロデュースをしている。Pink Floyd「原子心母」のジャケットをパロった印象的なジャケットのアイディアはAlexによるものだ。

リミックスやプロデュース活動も積極的にこなすAlexは、特にPrimal Screamの傑作アルバム「Screamadelica」(91年)の"Higher Than The Sun"をプロデュース、リミックスを手がけアシッド・カルチャーのアンセムになった。またブレイクビートのパイオニア、Coldcutを一早く抜擢し、自身の曲のリミックスをオファーすることもあった。

Orbがリミックスを手がけたアーティストは次の通り。YMO細野晴臣Nine Inch NailsColdcutCan、KLF、Mike OldfieldLisa StansfieldRobbie Williams等。

また、ダブ・マスターのMad ProfessorをOrbの2ndアルバム「U.F.Orb」に収録されている"Tower Of Dub"のリミキサーに抜擢。エレクトリック系アーティストとして彼を初めて起用したのもAlexであった。その後、Massive Attack「No Protection: Massive Attack」でMad Professoreを起用し、彼はダブ・シーン以外でも、世界的に名前が知られるようになった。

92年の2ndアルバムは見事全英アルバム・チャート1位を記録した。これもエレクトリック系としては初の全英アルバムチャート1であった。またシングル"Blue Moon"は39分58秒もの長さでギネス・ブックに「最も長いシングル曲」と認定されたものの、こちらもシングル・チャート8に輝く。同年、初の来日公演も実現した。

93年、グランストンバリーフェスティヴァルの2日目のトリを飾ったOrbのライヴ・パフォーマンスは、後に何度となく語られ、Alex自身も「数あるライヴの中でも最高のものだった」と認めるほどだった。月明かりの中、グランストンバリーフェスティヴァルのOrbは、この世のどこでもない場所に大量の人気を運ぶことができる一台のマジック・バスのようであった。 その後、YMO再結成ライブ(東京ドーム)にてサポート・アクトを務め、さらに"東風"のリミックスも手がけいる。

デビューから2ndアルバムまでの大成功を経て、3rdアルバム以降はポップ・ミュージックの枠組みを遥かに越えた独自の歩みをもって、より自身のアイデンティティを深化させていく方向へ向かっていった。

3rdアルバム「Pomme Fritz」(94年)はサイケデリック度がアップし、Alex本人もOrbの最高傑作に挙げている作品だ。アルバム・リリース後、エイフェックス・ツイン、オービタル、ディー・ライトをサポート・アクトに迎え、全米ツアーを実施。4thアルバム「Orbus Terrarum」(95年)は最もアンビエントが色濃く、ローリング・ストーン誌のAlbum Of The Monthを獲得した。この年の伝説のフェスティヴァルRainbow 2000のヘッド・ライナーとして来日。5thアルバム「Orblivion」(97年)は前作から一転、ブレイクビーツ、ドラムンベースのスタイルを導入した最もビートの強い作品となった。2001年の6thアルバム「Cydonia」はギターにRobert Philipが参加。 またFuji Rock Festival 99とSummer Sonic 2001のSonic ManiaにてGorillazとともにダブル・ヘッドライナーとして来日するなど精力的に活動している。

移り変わりの激しいダンス・ミュージック・シーンにおいて、アシッド・ムーヴメントで最初にブレイクを果たし、その後のダンス・シーン、エレクトリック・ミュージック・シーンを牽引してきたOrbの歩みそのものが、シーンの軌跡でもある。3rdアルバム以降の作品はよりアグレッシヴに実験的な作品を発表し続けてきたが、7thアルバムとなる「Bicycles & Tricycles」は、ポップでクラブ・ユースで実験的な3つのトライアングルが均等に保たれた初期のOrbに近い作品となった。リード・シングル"From A Distance"のポップ性が何よりもそれを如実に物語っている。

セカンド・サマー・オヴ・ラヴ、テクノ・ムーヴメントの夜明けから常に最前線で活躍を続け、エレクトリック・ミュージックの可能性を拡張させたパイオニア、Alex Paterson=Orb。充実したキャリアに頼らず、新たな挑戦を恐れないポジティヴな姿勢は、ジャンルを超越した全てのミュージック・ファンに愛されてやまない。

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