これは意外といい。音は全体的にいまいちだが、他では聴けない演奏がほとんど。悲愴は第一楽章の振幅がこの直後の公式録音より大きい部分があり、解釈が少し異なっている。マンフレッドＳｙはトスカニーニによる大改訂版だが、他の彼による同曲の録音と同じく見事な演奏。展覧会の絵はキエフの大門の頭でティンパニが盛大に鳴るなど、実験的な試みをしている。でもこれまた大変な名演奏。展覧会の絵で感動するなど、久しぶりの経験でした。

初ＣＤ化が多いと言うので期待しましたが、残念ながらこれまでのトスカニーニの同曲盤を揺るがすようなものではありませんでした。気まぐれか、不機嫌だったのか、速すぎる古典交響曲、セカセカした展覧会…　少しがっかりでした。