かなり濃いフリージャズを26時間。聞いただけで気が遠くなりそうなものだけど、実際ふたを開けてみると、いくつかのジャズスタンダードがちらほら。 そして何よりも、意外とメロディを奏でているSun Raのシンセも、一見の価値アリ。 音質はそれほど良くないが、かなり珍しい物なのでご愛敬。

�Dの妖しげなサン・ラ・ジャズに脱帽。

技術的にどうこうとかよくわからないんですけど､喜怒哀楽の向こう側に立って音を出している｡出しながらそれをまた自分の力に還元している｡音が鳴っている空間そのもの全てがｻﾝ・ﾗに見られている｡

一聴するや瞠目、たちまち感電する音。

ｻﾝ・ﾗｰの持つ太陽はとてつもなく黒い｡音の中にｱﾌﾘｶからｱﾒﾘｶのﾄﾞ田舎までを持っている｡ﾌﾘｰｼﾞｬｽﾞはわかりづらいが､ｻﾝ・ﾗｰの根底にあるのは音楽を音楽として慣れる事ではなく鳴らす事｡土星からの使者と本人は言っているがそれなら私は土星のわっかになりたい｡

特別変わった事はしてないんだが､音自体に音楽をやっている喜びを感じた｡ｻﾝ・ﾗｰというと宇宙からの使者とか言ってしかもﾌﾘｰｼﾞｬｽﾞで難しそうというｲﾒｰｼﾞが先行しがちだが､実はそんなに難しくない｡心躍るﾌﾚｰｽﾞも時折あり､むしろ優しい気がしました。

一曲の静けさがｴﾚｸﾄﾛﾆｯｸﾏｲﾙｽを彷彿させます｡しかしﾏｲﾙｽのどこかにある統一感はｻﾝﾗｰにはなく各ﾌﾟﾚｲﾔｰの自由が真の意味でのﾌﾘｰｼﾞｬｽﾞを表現しています｡得体が知らないとか怪しいといわれますが､それはPFUNKとかと同じで黒人の現世にはない楽園を求める思いがでているからです

宇宙は明るいのかもしれない｡夜空にある宇宙も人の中にある宇宙も｡音自体はそれほど大それた事をしてるわけではないけど心地よく響いてくる｡

SUN RAの星の数ほどあるｱﾙﾊﾞﾑの中でもかなり音に緩急がしっかりつけてあるほうだと思う｡FREE JAZZだからと言って難しいのではなく個と集合のﾊﾞﾗﾝｽ感覚が凄く良いのでかなり聴きやすい｡わかりやすく､手に届く範囲の宇宙だと思う｡

ﾌｼﾞﾛｯｸでのﾖﾗﾃﾝｺﾞとのｼﾞｮｲﾝﾄは泣けたなぁ〜ﾛｯｸﾌｧﾝも気軽に聴ける名盤♪