CD

『メロディーズ・オブ・メモリーズ』 本島阿佐子、山下洋輔

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
GFRC90103
組み枚数
:
1
:
日本
フォーマット
:
CD

商品説明

国内外のドイツ歌曲シーンで飛躍するソプラノ、本島阿佐子。
ジャズ・ピアノの至宝、山下洋輔と奇跡のケミストリーを起こす!
テーマは日本の童謡。カヴァーの概念を覆す衝撃!


本島阿佐子の3rdアルバム『Melodies of Memories』がリリースされる。多数のドイツ歌曲コンクールで受賞、更にゴスペルやグレゴリオ聖歌、ミュージカル等に挑み、歌唱技術を研鑽し続けてきた彼女。ピアノで対峙するのは、あの山下洋輔だ。言わずと知れた世界ジャズ・シーンの宝であり、また作家としても多数の著作を持つ。共に表現の可能性に挑み続ける二人である。
 Melodies of Memories。つまり本作は日本の童謡カヴァー集である。人の数だけ様々な人生ストーリーがあり、そして日本の童謡は人それぞれの心の拠り所である。リスナーがこれら楽曲を聴き、人生の深い味わいに触れることができるのは、二人の膨大なキャリアを礎にした表現力ゆえである。芳醇な音の悦びと、唯一無二の世界が展開される。
 本島と山下は、共に国立音大出身。そして共に、現在も同校で教鞭を取っている。アルバム構想を持っていた本島の呼びかけを山下が快諾、プロジェクトはスタートした。童謡のカヴァーは山下の活動テーマの一つであり、本作への伏線はすでにあったのだ。レコーディングに至るリハーサルは、音大の音楽室で和やかに、かつベクトルの重なった二人のイマジネーションの闘いにより煮詰められていった。その結果、不朽のメロディの魅力を本島がダイレクトに伝え、山下が時に美しく寄り添い、時にフリーにメロディの限界点を目指すという、強力なフォーメーションが出来上がった。
 童謡のカヴァー・アルバムは数あれど、このように濃密で、豪奢で、聴いても聴いても聴きどころが尽きず、その都度新しい発見がある作品があるだろうか。歌唱とピアノのみの編成にも拘らず、である。山下の著作「ピアノ弾き即興人生」(徳間書店)には、自身の好奇心に従い、新しい事態に接するたびに「駆け出しという立場での怯えや興奮や発見に替え難い喜びを感じている」とある。本島の声色とフレージングを聴き、「なるほど。そう来るならこうやってみようか?」と、一期一会なジャムを心から愉しんで、自らと本島のカラーの滲む境界を試し、交わっていたのであろう。基準と浮遊。軸と軌道。音像としてこれ以上ない絶妙なバランスと、音の愉悦がここにある。
 また、このアルバムには山下自身のアンサー・ソングならぬ、アンサー・“テイク”が盛り込まれている。 Track3の「月の沙漠」は、既に1990年収録のアルバム『SA KU RA』でカヴァー、Track5の「砂山」は1978年収録のアルバム『砂山』で、Track10の「シャボン玉」は2012年発売の『スパークリング・メモリーズ』で・・・。いずれも山下的色彩美に満ちているが、今回は歌のフレームがある中でどうプレイするのか?大きな興味をそそられる所であった。結果、童謡の世界観に沿い、スムースでありながら「ほう・・・」と声が漏れるほど捻りが効いた、やはり山下にしかできない空間認識とセンスに染め上げられている。この比較を愉しむだけでも一聴の価値あり、である。勿論、その「愉しみ」が成立するのは、本島の卓越した歌唱ゆえである事は、強く述べておきたい。
 2017年4月8日、第一生命ホールでの山下のコンサートは、本来のスタイルの「砂山」などが披露され、万雷の拍手が会場を埋め尽くした。 そして山下本人から、本島とのコラボレーションによるこのアルバム発売の告知がなされた。いかなる作品であろうか?と、観客が大きな期待を持ったことは、場内のざわめきからも強く感じ取れたのである。
 本島は既に2枚のアルバムをリリースしている。1stでは、グレゴリオ聖歌、西洋中世楽曲、雅楽等に挑戦、「歌唱」の可能性に真摯に取り組む姿勢を表した。2ndではキャリアの真骨頂であるドイツ歌曲を披露、声楽ファンの熱い支持を得た。勿論これら旧作でも、端正で美しい歌唱を味わうことが出来るのであるが・・・。ルーツに立ち返ることによりキャリアを総括し、山下というパートナーを得ることにより導き出された、さらに高い表現力を見るに当たり、本作が彼女の代表作になるであろうことは間違いない。
 本作は、本島の故郷、群馬県高崎市を想起しながら制作されたものであり、レコーディングも同市内のTAGO STUDIO TAKASAKIで行われた。ピアノはファツィオリ(Fazioli)のF278を使用。金属的で硬質な響きを避けた、豊かで余韻の深い音色。目指す世界観にマッチしたものであり、その音色にも是非耳を傾けて頂きたい。(販売元情報)(写真:販売元提供)

【収録情報】
● 故郷 take1
● 揺籃(ゆりかご)のうた
● 月の沙漠
● 早春賦
● どこかで春が
● 砂山
● 朧月夜
● 花
● 赤い靴
● シャボン玉
● 七つの子
● 赤とんぼ
● 夕焼け小焼け
● 紅葉
● 濱千鳥
● 雪
● 故郷 take2
● 浜辺の歌

 本島阿佐子(ソプラノ)
 山下洋輔(ピアノ)

【本島阿佐子(もとじま・あさこ)プロフィール】
声楽家。クリアで端正な声色と高い表現力は、聴き手を選ばず、原曲の世界観をストレートに伝える。国立音大を首席で卒業、同大学院を経て、ウィーン国立音楽大学、スイス・バーゼル音楽大学へ留学、修了。ドイツにおける国際バッハ・コンクール第1位など、受賞多数。各方面から強力な支持を得ている。また留学では、発声法もより柔軟で深い解釈を得た。日本の国立音大で学んだことのルーツをヨーロッパの本場に訪ね、得たものを持ち帰ったが、今回はその集大成を用いて、自らのルーツを表現したわけである。(販売元情報)

【山下洋輔(やました・ようすけ)プロフィール】
言わずと知れた、日本を代表するジャズ・ピアニスト。山下の自分名義、及び参加アルバム数は、170枚を優に超える。『キアズマ』『ミナのセカンド・テーマ』などの代表作に加え、ビッグ・バンドを従えたクラシック・アルバムなどもリリース。アヴァンギャルドからベーシック、静から動、陰から陽。全ての表現を網羅し、所謂「一周してしまった」アーティストである。直近では、祖父の設計した奈良少年刑務所が国の重要文化財に指定され、構内で野外演奏会を開いたことが話題となった。(販売元情報)

【温井 亮(ぬくい・りょう)プロフィール】
レコーディング・プロデューサー。アコースティック作品を中心に担当、高評価を得ている。ビクター在籍時に『小沢昭一がうたう童謡 - 夢は今もめぐりて』が日本レコード大賞企画賞受賞。『ジプシーのうたを求めて』が、ミュージック・マガジン誌ワールド・ミュージック部門の年間ベスト・アルバム獲得。フリーランスでは『はっぴいえんどBOX』など多数制作、昨今ではピアニスト椎野伸一の『イマージュ・ド・パリ2』がレコード芸術誌で特選盤に選出、『CD版 小沢昭一的新宿末廣亭 特選三夜』のヒット、など実績を残している。(販売元情報)

ユーザーレビュー

総合評価

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Soprano Collectionに関連するトピックス

声楽曲 に関連する商品情報

おすすめの商品